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戦乙女の英雄 その13

「「んん?私を知っている地龍?

うーん?地龍の知り合いは数えるくらいしかいないんだけど・・・

一応聞くけどそれは誰?」」


「ブリックリンです」


「「あー、うん!その数少ない知り合いで大当たりだわ・・・

と言う事は君の師匠はハイエルフのイリスね?」」


「その通りです。イリス師匠から貴女のお噂は良く耳しておりました。

リール様に師匠は何度も命を助けて貰ったと聞いています」


「「あの子は昔から無茶ばかりしてたからね・・・

しかし広い様で世界は狭いねえ。

そう言えば昔、私はイリスに故意に空中激突された事があるよ?

わざわざ私を捕まる為とか言って、自分が砲弾になって鉄の筒に入ってブリックリンのブレスに打ち出されてね。

「人間大砲!!」とか言ってさ・・・

あの子には「手紙」とか「伝言」とかの概念が無くてねぇ・・・」


「ええ~・・・あの人・・・マジで昔から何をしてたんですか?やばいですね。

そもそも「人間大砲!!」とか発想が分かりません」

ヤニックは痛感した・・・

自分のどこと無く非常識な部分の大半はイリス師匠の影響のせいだと。


「「ん?イリスは今も昔も変わらないよ?相棒のブリックリンもね。

あー・・・でもさすがに二人共落ち着いて来たかな?1000歳を超えるともなると・・・

・・・・・・・いや、全く!全然変わらんわ!アイツら!」」


「昔からあの感じなんですか・・・」


「「そうだねぇ昔から根本は全然変わらないねイリスって・・・

さてよし!じゃあ行こうか・・・えーと・・・ヤニック君!」」

そんな事を言い天舞龍リールはグワシとヤニックをグワシと鷲掴みにする。


「えっ?どこに行くんですか?」龍に鷲掴みにされても然程動揺しないヤニック。

どちらか言うと師匠イリスに頭を鷲掴みにされる方が余程怖いからだ。


「「へー?君、根性座ってるねぇ~?

どこって?そりゃあ衝突事故を起こしたんだから事故処理の手続きだよ?

これより君を「天空城」まで連行します」」


「えええええーー??!!」

龍種に鷲掴みにされている事より連れて行かれる先とその理由の方に驚いたヤニック。

やっぱり君も少し変だわ。


この時代の人族には交通違反との概念がまだ無い。

しかし交通ルールを甘く見てはいけない!

少しでも狂うと日に数百人単位で亡くなる「交通戦争」が始まってしまうのだ!


世界の守護者たる天龍は現在この点を事前に回避するべく徹底的に取り締まっている。

こうしてヤニックはリールにより天空城へと連れ去られたのだった。


「あの?!俺!急いでいるんですがーーーー?ああーーー?ファニー??!!」

そんなヤニックの声を残して空の彼方へと消えて行く二人・・・

果たしてヤニックがファニーにたどり着くのはいつになるのか。


そして亜音速で飛ぶリールによって、あっという間に天空城へと到着する。


「事故処理ってなに?!」と、ヤニックは思っていたらマジで事故処理だった・・・

事故申請窓口に連れて行かれて、事故に至った細かい経緯から再発防止策までの色々な書類を書かされたのだ。


こうした地味な作業が不幸な航空事故を減らす唯一の手段になるので職員の天龍達は大真面目なのだ!ギャグは一切無かった・・・残念じゃ。


「こ・・・こんな理由で伝説の天空城に足を踏み入れるなんて・・・」

その気配に圧倒され言われるままに書類を書きながらキョロキョロ周囲を見渡すヤニック。


数々の伝説に謳われる麗しの天空城・・・それはそれはとてもとても幻想的な・・・


いや?!違う!ココはただのお役所だ!


机に積まれた書類、せっせと無言で書類を書く職員達、何ならピアツェンツェア王国の内務省の職員より真面目に事務仕事をしている。


こうして丸々一日、天空城に拘束されたヤニック。


「イリスなんてもう10回以上はここに拘束されてるからね。

ふふふふふ・・・・前科3犯の大罪人だねぇ」

ヤニックの事故処理に付き合う人間の姿のリールが昔のイリスを思い出して笑う。


普通の人間ならリールの美しい笑みに心を奪われるのだがファニー大好きヤニックは特にそう言う事も無かった。


「前科3犯??!!!あの師匠、本当に過去に何やってたんですか?!」


「イリスの過去を聞きたい?聞きたいよね~?もう時効だから教えてあげるわね。

一番酷かったのは、イリスがまだ幼児だった頃の天空城への不法侵入と外壁の破壊行為ね。

まぁ、もっともこれは周囲の大人達が90%以上は悪かったけどね。

それで地龍王様が直接謝罪に来て大騒ぎだったよ」


「天空城の破壊?!ホントに何やってんすか?!あの師匠は!」

詳しい話しは「龍騎士イリス」の方を読んで下さい、どっかに書いています。


「ここからイリスが大人になって起こした最悪な事件が材木窃盗事件よ。

相棒と共犯して数億円(相当)の木を丸ごと森から盗んだのよアイツ」


「完全に犯罪者じゃないですか!」


「そうだね犯罪だよね~。当時イリスは主体性が無い性格で相棒に唆されたのね。

その相棒ってのがこれまた酷くてさ~」


そう言ってグリフォンロードのエリカとイリスの過去話しを始めた天舞龍リール。

詳しくは「龍騎士イリス」の「ラザフォードの歌」を参照して下さい。


話しを聞き終えたヤニックは、

「本当に酷い人・・・いや酷いグリフォンですねそのエリカってグリフォン、最悪ですね。

今も師匠と関係しているんですか?

イリス師匠の弟子として一言二言、文句を言ってやらないと!」


そう意気込むヤニックだったが・・・

「あー・・・残念だけど、あの子は寿命が来て100年前に死んじゃった。

・・・グリフォンにして見ればメチャクチャ長生きしたよねエリカって」


グリフォンロードのエリカ・・・享年823歳。

グリフォンの平均寿命が500~600歳と言われるので、エリカちゃんは大往生だったのだ。


「そうですか・・・死んじゃいましたか・・・何だか不思議と残念に思います。

死んでしまったと聞くと何故か会って見たかった気がしましたね・・・」

少し残念そうなヤニックだが心配御無用!エリカちゃんの転生体とその内に会えますよ?


・・・・・・・・・・・・・・・・自分の娘としてね。


そうなのです、「魔法世界の解説者」に出て来るラーナ姫が「龍騎士イリス」に登場するグリフォンロードエリカの転生体なのです。


なぜラーナ姫が産まれながらに天龍王アメデの加護を持っていたのか?の謎がここでやっと解けたね!


この初期も初期のエピソードを補完をするのに掛かった日数半年以上、書いた文字100万字近く掛かった変態作者。


やったね!遂に成し遂げたぜ!


グリフォンロードエリカの詳しいエピソード等は是非「龍騎士イリス」を読んで下さい。

えらく長い作品になって変態作者もマジで何書いたか細かく覚えて無いですが読んで下せい!


余談だが「魔法世界の解説者」の主人公のシーナ姫は前世とかは無くユグドラシルとグリフォンロードエリカの魂の残滓から産まれた全く新しい魂だ。


なのでシーナとユグドラシルの魂は簡単に融合したのだね、何せ元々は同じ魂なのだから。


成し遂げて感涙に浸る変態は放置して話しを本題に戻しましょう。


「あ・・・・・・ああー!!ファニー!!」


「え?いきなりどうしたん?!」


天舞龍リールとの話しに熱中し過ぎて事故処理が終わってから5時間も経過して事に気が付いたヤニック。


オタオタしながら身振り手振りでリールに事情を説明するヤニック。


「いいから落ち着きなさい!

分かったよ、私がヴィアールまで送ってあげるから」


やれやれと言った感じに龍化したリールにまた鷲掴みされて空を飛んで行くヤニック。

1時間後にはヴィアール郊外に到着してしまう。


結局、ヤニックが予想していたより半日近くヴィアール辺境伯領へと到着してしまったのだ。


「そっ・・・空を飛ぶとこんなに早く着いてしまう物なのですね?」


「「そうだよー、それだけスピードが出ているって事ね。

便利な分だけ事故を起こした時の被害も大きくなるって事だね。

ヤニック君、君は近い内に「飛行魔法」をイリスに教わり習得するだろうから今日の事をしっかり記憶して交通ルール厳守!分かったね!」」


「はっ!はい!肝に命じます!」

「飛行魔法?!そんな事考えた事も無かったよ?!」と思うヤニックだがリールの言葉は一応心に刻むのだった。


そしてリールの予測通りこの話しを聞いたイリスに、

「あー・・・ヤニックちゃんに飛行魔法を教えるの忘れてたね~」と「飛行魔法」を教わりアッサリと習得してしまうのだった。


って事は本編中のピアツェンツアの国王って空を飛べるんすね・・・

あー・・・だからシーナの結婚式の時に単身で現れたり神出鬼没だったんすね。

空を飛べるなら納得っす。


さて!そんな事より図らずとも無事にヴィアール辺境伯領に到着したヤニック。

これよりファニー捕獲作戦が始まるのだ!







「2ヶ月以上放置の末にやっと本編の復活ですね!

「この作品は完結せずに2ヶ月以上更新されていません」の表示は絶対に出さない!と豪語していた作者さん!今のお気持ちはどうですか?」


うう・・・・・・・・申し訳ありませんでした。

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