すでに刻は朝
お待たせしました、いよいよ最終章です。
最終章を迎えるにあたって、主な登場人物のステータスバーを作ってみたのでご確認ください。
オビト皇子
守護霊の名は『王の愛者』
霊力 ★★★☆
気合 ★★
知力 ★★★☆
アスカ=ウィスタプラン
守護霊の名は『不動の解脱者』
霊力 ★★★
気合 ★★★★☆
知力 ★★☆
ヒロミ=ドグブリード
守護霊の名は『迷い犬』
霊力 ★★☆
気合 ★★★
知力 ★★★★
ヒロヨ皇女
守護霊の名は『太陽の法衣』
霊力 ★★★
気合 ★☆
知力 ★★
コウセイ皇子(通常)
守護霊の名は『空飛ぶイルカ』 首は飛ばないよ
霊力 ★★★★☆
気合 ★★★★☆
知力 ★★★★
コウセイ皇子(凶暴)
霊力 ★★★★★☆☆(限界値超)
気合 ★★★★★
知力 ★★
ゲン=アルクソウド
守護霊の名は『偉大な神鳥』
霊力 ★★★☆
気合 ★★
知力 ★★★★☆
キョウ=ボウメイク
守護霊の名は『炎の戦士』
霊力 ★★★★
気合 ★★★★☆
知力 ★★
アスカとヒロミがマール=ハイストン邸でヨーダ王の一派、巨鬼に襲撃された夜、オビトはハイランチ古墳群のもっとも大きな古墳の中で休んでいた。
同行のコウセイ皇子が、古墳・ウィステリアの主の御霊に憑かれてしまい、その守護霊の霊力が数倍したのは良いのだけれども、正気を失いかけているのだ。
古墳の中は、霊魂を落ち着かせる様々な仕掛けが施されている。だから、古墳の中に居ればコウセイ皇子は平静を保てるのだ。
その休むオビトたちの様子をじっと観察していた一団が居た。
ヤスケ
「おい、奴らは相変わらず古墳の中か?」
レッグウィング
「へい。 ずっと野郎どもが見張っておりやす。 人っ子1人、古墳から出てきた者はいねぇです」
ヤスケとレッグウィングは、ナガヤ王からオビト暗殺の密命を受けている盗賊団の首領と部下だ。コウセイ皇子の霊力を恐れ、今は迂闊に手を出せないでいるが、オビトたちはいずれ古墳の中から出てくるだろう。その後を尾けていき、隙を見て暗殺する、そういう計画を立てて、オビトらが休む古墳の出入り口を見張っているのだ。
レッグウィング
「しかし、出てきますかね、あいつら。 俺たちが出口を見張っていることは気付いていると思うんですわ」
ヤスケ
「出てくる。 旧都では、あの巨鬼が暴れている。 奴らの旅の目的は、その巨鬼退治なのだ。 だから、とくにあのコウセイ皇子は必ず出てくる」
レッグウィング
「コウセイ皇子が出てきたら厄介だ。 あいつの守護霊のパワーは、俺たちの手に負えねぇ」
ヤスケ
「だが、ガキも連れている。 コウセイ皇子とオビト皇子の、いずれかは分からぬが、巨鬼退治を目的としている連中は、連れてるガキを安全に守るために、どこかで必ず分散する。 襲うのは、その後だ」
ヤスケとレッグウィングは、夕刻頃、巨鬼がフジワラ京を襲うのを遠目に見た。その振動も地面を伝わっており、巨鬼出現はコウセイ皇子も気付いているだろう。だからヤスケは、間もなくコウセイ皇子が「出てくる」と予想しているのである。
ところが、首領のヤスケの予想に反し、古墳の中からオビトのパーティが出てくることはなかった。すでに刻は朝になっている。
ヤスケ
「おい、夜が明けてしまったぞ。 奴らは、まだ出てこないのか?」
レッグウィング
「へい。 そういう報せは聞きません」
ヤスケ
「おい反対側を見ろ、巨鬼が現れている。 爆発音がして、火も上がっている。 こういう状況なんだ。 コウセイ皇子が出てこない筈がねぇ」
レッグウィング
「お言葉ですが、古墳からガキが出てきたところは誰も見てねぇです」
ヤスケ
「だが、ここまで誰も出てこないというのが可怪しいのだ。 よし、誰か、強行に古墳の中を見に行ってはくれまいか」
レッグウィング「親分、ソイツは難しいです。 オレの部下は、コウセイを恐れて誰も古墳の入口に近づこうとしねぇ」
ヤスケ
「守護霊使いでなければ守護霊を見ることができねぇ。 だから迂闊に守護霊使いに近づけば、知らないうちに守護霊に襲われて首を刈られるということもある。 手下どもが恐れるというのももっともだ。 だったらお前が、行ってくれるか?」
レッグウィングは、守護霊、純白の聖戦士『氷柱の聖女』を使う。だから、そのレッグウィングに古墳の中の様子を見てこいというのだ。
レッグウィング
「げぇ、オレ1人で、ですかい?」
ヤスケ
「どうした? 怖いのか?」
レッグウィング
「オレ1人じゃ、あのコウセイ皇子に敵わねぇ。 それどころじゃねぇ、オビトのガキも守護霊使いだし、妹のヒロヨ皇女も守護霊で怪しげな光線を出してくる。 中に入って生きて帰ってこれるとは思えねぇ」
ヤスケ
「つべこべ言わずに行くんだよ。 ちょっと古墳の中を覗いてくるだけなんだ。 危ないと思ったら、すぐ帰ってくるんだぜッ!」
そう言われて背中をポンと叩かれて、レッグウィングは「ヒッ」と声を漏らして、1人へっぴり腰で古墳の入口に近づいていった。
そっと、中を覗いてみる。
人の気配がない。
朝陽が入口から差し込み、古墳の奥の方まで照らしていく。
いない! 誰もいない!
レッグウィングは慌てて首領ヤスケの元に戻って報告した。
ヤスケ
「誰も、居なかっただと? 古墳の中に?」
レッグウィング
「間違いねぇ。 アイツらは、もう居なかった」
遠くで、巨鬼が、何者かの守護霊と戦っている様子である。身長60メートルほどの巨鬼が両手を振り回して暴れているのが見える。
ヤスケ
「奴らは――もうあそこに行ってしまったというのか?」
レッグウィング
「まさか……いったいどうやって?」
ヤスケ
「知るか。 だが、あっちの戦場にはあまり近づきたくねぇな。 コイツはぁ、もうしばらく様子見しかねぇのかな」




