第1章〜オタクの終わりは転生の始まり〜
「あああああ、何で私はこっちに産まれたんだ。ここに行きてー、て過去この壁になりたい!」
「うるさい、しょうがないじゃん。まあ、気持ちはわかるけど。てか、もう遅いし送るよ。」
「あざっす。」
毎日、同じすぎて驚くくらいの東京の夜を、私たちは歩いていた。ーそう、ほんの少し前までは。
(転生できんのかな。)
こんな時まで、オタク脳が働いてしまう。私たち二人は、横断歩道を渡っている間にトラックにはねられてしまった。なんともありきたりな死に方だ。まぁ、転生できるかもしれないっていう可能性に期待して、私は目を閉じた。
***
「・・・ん?」
あれ、さっきので死ななかったのか?結構、でかいトラックだったけど。あ、マシロは?大丈夫だったっかって・・・!?・・・まさか!
周りを見渡すと、そこは生きていた頃(?)にアニメや、漫画で見ていた、異世界のように綺麗な、平野でオタクの私にはわかるここは異世界だと!
「よっしゃあああああああ!あ、声低くなってる、念願の男になったーーー!・・・かも」
「うるさいな。」
(・・・ん?まさか、マシロ?でも声が女の子・・・。)
声のする方を見ると、私、いや俺と同じくらいの身長の、女の子がいた。
「だれ?」
「マシロだよ。」
「え?でも、女の子・・・?」
「それ言ったら、翼も男だし。まぁ、あれでしょ。トラックにはねられて、お互い理想の転生しちゃった。みたいな?」
「まじかーーー」
転生・・・あって欲しいとは思っていたけど、本当に起こるとは、驚き方も忘れてしまった。
「え、何嬉しくないの?」
「いや、驚いてる。」
「あーね。」
(さすがに、俺いや私も、驚いた。望んではいたものの、まじでくると流石にびっくりする)
「で、これからどうすんの?」
俺は、周りの平野を見渡しながら言った。
「いや、私が聞きたいよ。」
「じゃあ、名前でも決める?」
俺が知っている、異世界では外国人っぽい名前の人が多い。もちろん、そのままの名前でも合う場合もあるけど、俺らの場合は変えたほうがいいとおもう。
「え、なんでって、あー、そうだね。なんにする?」
「んー、思いつかね〜」
「じゃ、私は推しのなまえから何文字かずつ取って〜メリダとか?」
「お〜、いいんじゃない?じゃあ、俺は、キリュシュとか?」
「それっぽくていいんじゃない?」
ちょっと、厨二っぽく思ったのは黙っておくことにする
「じゃあ、苗字は適当にリアリア、とかでいい?」
「オッケ〜」
「じゃあ、行こっか!」
「おう、俺らの新しい物語だ!」
「・・・厨二病w」
「うっせ!言ってみたかっただけだ!w」