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それは唐突だった。
突然真っ暗になったのだ。
「えっなに?」
「何だよこれ、真っ暗じゃねーか」
ガンッと大きな音がした。
「あいたた、ちょっと君たち騒がないで。今電気つけるから。あ、ここか。今電気つけるから。よしよし電気はつくな。」
先生が腰をさすっている。どうやら教卓にぶつかったみたいだ。
「先生今日って日食かなんかなんですか?」
「え、いやー違うと思うけど。いてて、逆に君たちニュースかなんかで今日が日食とかって聞いてない?」
教室が騒がしくなってきた。先生も何が起こったか分からないみたいだ。
隣の女の子が俺に話し掛けてきた。
「ねぇ、なにが起こったんだろう?まだお昼前なのに外真っ暗だよ」
「月の公転周期を考えると、月が原因での日食じゃないね。小衛星かなんかが原因で暗くなってるんだと思うんだけど。」
「ウソ、それって地球に落ちてこないよね。」
「わからないけど大丈夫じゃない?そんなものが落ちて来るかもってなったら絶対ニュースになってるし」
「そうだよね。でもそんなのが地球に近づいてたらそれこそニュースにならない?」
「そうだと思うけど、俺もわかんないな。さっきの少衛星うんぬんも推測だし」
「学年一の天才でもわかんないの?」
「うん分からないね」
あの日から今日までの3年間で地球は大きく変わってしまった。