表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/38

3―5.夏の風に咲く桜

 何となくキャラ人気発表。

 一位・何故かオレ。

 並んで姉き。

 そして、クミのヤツ。

 さすが主人公級人物だな。


―――――

時刻不明―ゲーセン

 すげえ、コイツ有名な某人気夜九時旅クイズ番組の司会者並に力強いんですが。

「……っあ! 無理や!」

「負けんなツバサ! 行けっ!」

「無茶苦茶言うなや!」

 ツバサもさじを投げる程の強敵。

 そう、腕相撲のゲームだ。

 とはいえ……常識は捨てた方が良い。

 ここにある機体、他のゲーセンにあるヤツより明らかにパワーがたけえ。

 ハッキングされてる可能性がある。

「うっし……」

 百円玉を投入する。

 右手を台に乗せ、挑戦。

「勝つんや。わいも気合いで応援する」

「応援だけかよ」

「って、始まるで!」

 画面に表される秒単位のカウント。

 そして、力は行使された。

「うっわ! 馬路強……」

「強いやろ? な?」

「喜んでねえで加勢しろっての!」

「任されたわ!」

 オレの右手をツバサが押す。

 ちょっと痛い。機体の腕は不動。

「何なんや! この強さ!」

「知らねーっつの! 無理だ!」

 限界が来て、力を抜いた。

 まるで万力の如く。凶悪な機械だ。

「あー、腕痛い……」

「ホンマ、かなわんわ……」

 二人で鏡みたいに同じポーズを取る。

 腕相撲で負けたのは、初めてだ。

 どうしようも無くやるせなくなって、リベンジすら出来ない。

「悔しい、な」

「まー仕方ないって」

 ツバサが落ち込むオレを励ます。

「よし、決めた」

「は。何や」

「クミに頼んでみる」

「無理やろ。普通の姉ちゃんやで」

「その変が普通と違うジャンルの良さ」

「何の話やねん!」

 意味わかんねぇよっつうツバサの話は全力で無視して、一応クミを呼んでみる。

「おーい、クミ」

「あ、何ですかー?」

「ちょっと楽しいから来てみろよ」

 ちょーどUFOキャッチャーの方もキリが良かったらしく、予定通りこっち来た。

「普通に呼べばええのに」

「いや。普通なんてのはゴメンだ」

「非常識人やなー」

「やかましい」

 せめて変わったヤツと言ってくれ。

 非常識人は言いすぎだべ、なんて言う間もなくクミが楽しそうに近くへ来た。

「なんですかー?」

「じゃ、まずここに手置いてみろ」

「分かりましたー」

 一切怪しまずに手を乗せるクミ。

 素直。いや、紙一重の○○か。

「んで、しっかと目閉じてくれ」

「こうですかー?」

 素直すぎる。痛い程に、だ。

 そのスキに百円投入してやったら、親切にもゲーム画面に前回と同じ難易度で挑戦しますか? なんて文章が表示された。

 さあ来い。来やがれ。

「あ、シントウメッキャクすれば火もまた涼に変わるらしいんですよー」

「……何か言ってるで。姉ちゃん」

「……ツバサ。スルーあるのみ」

 クミが正しい漢字分かんないクセに火もまた涼しく、神経集中させてたりする。

「絶対無理やて。玉砕するやろ」

「さあな。オレは勝てそうな気がする」

「自信はどっから来るん?」

「アツい心から来る」

「……さよけ」

 んな呆れなくてもいいだろ。

「考えてもみろよ。霊感あってこっくりさんの時にも霊を読んだ女子高生だぜ?」

「……だから何や?」

「いざとなりゃ軍勢の力で勝つ」

「……はっ。さよけ」

 さっきと全く同じ発音じゃねーか。

 さよけ。の前に付いた、はっ。て言葉にどんだけの怨念があんだよって思う。

 いや、慣れたぜもう。昔より。

「そんじゃ、行くぞ」

「いつでも来い状態ですよー」

「ようし、そんじゃスタートだ」

 ほぼ言ったのと同時、開始ボタンって書かれた赤いヤツを突撃よろしく押す。

 画面に現れた『GO!!』の文字。

 笑いてー感情抑えて、クミの腕を見てみたけど、なんか全然動いてねえ。

 つまり、機械とほぼ互角の腕前らしい。

「……これは夢やろか?」

「引っ張ってやるぞ」

「現実やし。やめとく」

 確かに紛れもねえ現実だよ。

 そんなオレ達を置いて喋るクミ。

「まあまあ、強いですけどねー」

 握る手にぐっと力込めたかと思うと、次の瞬間には機械の腕がガクンと下がってた。

「霊力には勝てませんよー」

「……霊力?」

「……霊の腕力やろか」

 まさに不可思議としか言えねえ。

 画面には『WIN!!』の文字がある。

「あー、すっきりしましたー」

「そ、そりゃ良かった……」

「シュウヤやツバサはやらないのー?」

「ほら、な。今からやるよ」

「せや! 今回はおごりっちゅうわけで」

「そうですかー」

 それだけ聞くと、クミは向こうで座って缶コーヒー飲んで休憩してるミライのトコに走っていった。

「何や、この展開」

「そんなのは作者に聞いてくれ」


 また一つ、新たな謎が増殖した。

 ひょっとしたら、クミのヤツは陰陽師の生き残りなんじゃねーかって、思った。

ナツハ『何か出番少ないじゃない』

シュウヤ『姉きは受験勉強ってことになってるからってカンペが出てる』

ナツハ『就職希望なんだけどね』

シュウヤ『……地味に初めて聞いたぞ』

ナツハ『何で投稿遅かったの?』

シュウヤ『さあ。単純にネタが無くなったからだったりしてな……』

ナツハ『カンペ(汗)何これ?』

シュウヤ『誰かの心中だ』

ナツハ『想像付くのはどうして?』

シュウヤ『カンペ係が単純だから……とか言ったから奥に引っ込んだな』

ナツハ『まあ良いけど。次回は何かネタありなの?』

シュウヤ『一応そうらしい』

ナツハ『どこまで持つのかしら……』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ