あらすじ(なろうコン応募用)
将人が恋人の友里にプロポーズした日の夜、悪夢は突然訪れた。
駅まで送った直後、信号を無視した車が彼女を撥ねてしまう。
生死を彷徨う友里は奇跡的に一命を取りとめたもの、意識が戻らないまま月日が経っていく。
友里の意識が必ず戻ると信じて将人は毎日病院へと通う。
しかし数日後に脳出血があったことが発覚して再手術が行われ、結果として意識が戻る可能性が極めて低いという事実を彼は知らない。
友里を担当する相沢看護士が将人の心情を慮って告知をしなかった。
盲目的なまでに友里の回復を祈る将人と看護士の間に深い溝があったが、やがて信頼という絆が芽生えるようになる。
また新人の樋口看護士の親しげな振る舞いに彼に本来の明るさが戻りはじめていく。
そして事故から10ヶ月を過ぎようとしていたある日、友里は長い眠りから目覚めた。
意識が戻ったと将人が喜んだのもつかの間、彼女は感情がなく、指先すら動かすことができない。
人形のように声も出せない姿に嘆き悲しむ彼は居合わせた相沢看護士に詰め寄る。
事実を隠しきれないと悟った相沢看護士はありのままを伝えることにした。
将人は再び心を閉ざしてしまうもの、樋口看護士の計らいで一度は失った絆が戻る。
友里の回復を信じ続ける将人とそれを温かく見守る二人の看護士。
そして2年が経ったある日、相沢看護士が関連施設への異動が一つの転機となる。
しばらくして今度は友里をサナトリウムへの転院話を医師から勧められた。
最初は反発する将人であったが、転院先が相沢看護士のいる施設であり、また自身の生活環境の変化もあって転院を承諾する。
そして友里とはなれて1年後、将人は彼女がいるサナトリウムへ向かった。
再会後、相沢看護士の計らいもあって友里を連れて以前にプロポーズした海に連れて行く。
何も言わぬ彼女に思いのたけをこめて指輪を嵌める将人。
再度のプロポーズは奇跡を生み出す。
もはや自分を取り戻すことはないと告げられた友里に感情が戻った。
そして夕日が見守る中、将人は彼女を抱きしめるのであった。