ジーアスの備忘録
※この作品は、貴方の傷はどこから来ましたか?痛みませんか?~治癒魔法に特化した世界でも癒せませんか?~
のジーアス視点の備忘録です。
先に本編を見る事をオススメします。
「こっちから、明らかに子供の声がした」
そう言うと、わざわざ領から離れて、薄暗い洞窟まで来たもんだ。こんな所に子供なんて居やしないさ。
「居た…」
居た。本当に、赤子が居たのだ。
最近、行方の知らない子供が、見つかる報告がポツポツと上がっているみたいだが、自分達が見つけるとは思わなかった。
「参ったな…」
最初は、貧乏くじを引いたと思っていた。
子供なんてうるさいだけで、好きじゃないんだ。
妻が引き取るからと、仕方なく家へ連れてきた。
黒髪、目はブロンドで男の子。
「お前の名前は、クライネだ!」
でも、クライネは違かった。もちろん赤子だから、出来ることは限られているだろう。
ただ、こいつは、既に物事を理解しているようだった。
まるで、別世界から第二の人生を送りに来た様な。
「可愛いな、こう見ると」
価値観が変わった。俺は、こいつが可愛くて仕方なかった。言葉も、気のせいだとは思うが、何だか通じてる気がしてならない。
妻が風呂に入る時は、色んな言葉を教えてあげた。
まだ、単語なんて話せる時は先だと知りながらも、こいつなら出来るかもなとか、思ってたりした時期もあったくらいだし。
そんな彼も、もうすぐ7歳になりかけていた。
魔法を教えると、普通じゃない火力の火球を、出しやがった。広い練習場の先まで、飛んで行った。
それより先は、ただの草原だったのは助かった。
中央部の奴らが、家にやってきた。シャンディだった。
目に付いたから、スカウトだってよ。悔しいけど、見る目あるじゃねぇか。
クライネの奴、自分の身体の傷の事、気にしていやがった。魔法を撃つ時に、跡が反応する不思議な体質だった。自分の身体の事を探るべく、中央部に行きたい。だとよ。
どうやら、同じ傷を持つ女の子も居るらしい。
そいつに会う為にも、だと。
応援するのが親ってもんだ。頑張れよ、俺の子。クライン。また元気にその顔、見せてくれよ。
またな。




