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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
96/120

96.必要なのハ


本日ここまで


3/3


 大将の作るハヤシライスは私が作ったソレよりも格段に美味しく、これは賄いと言うのが申し訳ないほど。

 ただ、そこまでの味を作り出す事が出来ているのに、あまり浮かない顔だった。


「どうかしましたか?」

「いや、許可まで貰っているのに、これをうまく広めるのは難しい事に気が付いて……な」


 大将は申し訳なさそうに言った。


「それは、大丈夫でしょ?」


 私はそんなはずないという気持ちで答えると、大将だけでなく、おかみさんも不思議そうにこちらを見る。


「さっき後程改善しましょって、言いましたよね?」

「……そういえば、そんなような事を」

「言っていた気もするけど、忙しい時だったからねぇ」


 まずは今を乗り切ろうという状態だったので、私の言葉よりも目の前の状況だったのは分かりますが、私が居るのは多分今日まで。

 いつ居なくなるか分からない人間をあてにさせていいはずもなく。


「国に戻って来る若い人も居ない訳じゃないが……」


 大将はお店の方を見ていて、心配顔。


「人は私が見るから、まあ酷い事はなるべく無い方向にしたいし……ね」


 おかみさんが私を採用した時と同じ目で、言います。


 厨房に人が足りないというのは分かっていても、キレイどころを揃えているお店。

 惚れた、腫れたなんて御免蒙りたいのでしょう。


「それも含めて、もっと若いお手伝いを雇うのはどうです?」

「……もっと若い?」

「お手伝い?」


 そんな都合のいい人手に気が付かないハズも無い、と言わんばかりの目でおかみさんが私を見てきた。

 ちょうど裏に気配があったので、手招きをしてみると、首を傾げつつ大将とおかみさんがついてきます。


 私は口元に人差し指を一本添えて、静かにしてほしい意志を二人に伝えた後裏の扉を、音を立てないように注意してそっと開けます。


 そこに居たのはゴミ漁りをしている子供達。

 目は濁りがややあるものの、子供達は徒党を組んで、必死に生きようとしているのが分かります。


「……本気かい?」


 おかみさんの声にビクッと、蛇に睨まれた蛙の如く動けなくなった子供達。


「どうせ、勝手に漁られて困っていたのですから、漁る側から漁らせない側に持っていくのも一つでしょう?」


 大将は口元に手を当てて、何も言わずにジッと子供達を見続ける。


 すると、子供達の一人が後ろの子供を庇うように出て来た。


「なんにちも、たべてなくて。ごみでもいいから」


 前に出て来た男の子は濁った目でも真っすぐに大将を見つめる。

 まるで、後ろの兄妹を守ろうとして、ゴミすら与えない大人達が悪い人間に見えてしまう。


「アンタ、本気かい!?」


 悩みに悩んだ末、大将はため息を大きく一つ吐き、一歩だけ前に進むと目線を合わせるように屈む。


「何処に住んでる」

「…………」

「お前達三人は兄妹か?」

「…………」


 ジッと目を離さないが、子供達は答えない。


「仕事をやる気はあるか?」

「ある」

「金を稼ぐのは、簡単じゃないぞ?分かって言ってるのか?」

「…………」


 そんなやり取りが一分少々続いたのだが、先に折れたのはおかみさんだった。


「子供にそんなぶっきらぼうに言ったって、わかりゃしないよ。この子達は生きたいんだ。そうだろう?」


 おかみさんの言葉に視線だけジッと移す子供達。


「世の中、待ってはくれないんだ。やるかやらないか。生きるか、死ぬか。お前達、今は決める時だよ。……さあ、どうするんだい?」


 その声は横で聞いている私にも分かるぐらい優しさがあった。


「生きたい」「生き、る?」「おなかへった」


 男の子は言い切り、少し小さい女の子は目に涙を湛え、分かっていない一番小さな男の子は指をくわえたままぼそりと言った。


「泣き言は聞かないよ。勝手に食材に手を出したら追い出すよ。その代わり、働いたら、飯は食わせてやるよ。……まあ、まずは……その恰好をどうにかしてから、だけどね」


 意味が分かったのか、泣き始めたのは女の子。

 その泣き声に安心したのか、小さな男の子も泣きわめき、少し慌てて二人の口を塞ごうとした前に出てきた男の子。


「ごめんな、さい」

「いや、いい。ただ、慈善事業なんてウチはしないから、しっかり働け」


 大将がそう言うと、目に涙を浮かべたまま強く首を縦に振る。

 やがて、地面に小さな黒い部分が増えた。




 子供達はおかみさんが少し嬉しそうに手を引いて、何処かへと連れて行く。


「タエさんよ、本気……だな?」

「猫の手も借りたいのでしょう?それに、人を見る目もあるのでしょう?」


 私は目を細くすると大将が、こんな博打は打ったことがないと言わんばかりに目を丸くした。


「空腹は裏切ります。矢印通りには育ちません。ただ、そこに居てあげて下さい」

「それは……」


 理不尽なんて言葉だけじゃ伝えられない時代。


 人一人の行動に枷をつけたところで、意味はなく。

 ただ、本気であれば人は本気に打たれ、気持というのは伝播する。


「重大だな」


 空を見上げた大将がぽつりと零した。





うぐぐ。

キャラクターがまた増えた……。


さっき言った通り、キャラクターが増えるとパンクしやすい作者。

困るぅぅぅ。


出来るだけしっかりとキャラクターを伝えたいと思っちゃうから、書きたいことが増えすぎちゃって、読んでみるとギュッと詰まり過ぎて、読みづらい。


そうならない様に、さらっと。でも、少しだけ残るようなキャラクターを目指してます。


間が今回は空いてくれて、凄く、凄く、助かった。

なんか、バタバタが終わらなくて。

料理毎日書いてるから……かな?(笑)違うか。


書かないといけない話ももう少しあるのですが、これ以上変に伸びる事は無いと思うので、あと数か月以内にはおわるかなぁ??


さて、本日も読んで頂き誠にありがとうございます。


終わりの話をしている今更ではありますが(笑)、次回大安にお会いしましょう!だけだと不誠実だと気が付きました。(本当に今更(笑))


次の大安吉日は27日。

調べる必要がこれで無いハズ……。


いや、大安カレンダーとかアプリ入れてるとか、家のカレンダーで赤い日……的にみるとか、そう言う人も居るかもしれませんが、数字が分かった方がいいですよね。って事で。


今回も読んで頂きありがとうございました。

次回の大安吉日、27日!(笑)お待ちしております。

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