87.次の手前の……事
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本日ここまで
今日も読んで頂き感謝です
「ねぇねぇ、お巡りさん来たらマズくない?」
その一言でハッとしたわけですが、教えてくれたのはみーちゃん。……流石です。
親方の一言で大工仲間の一人が怪しい男を捕まえるべく、交番に駆けだしたので厄介な事になるのは時間の問題。
「少々都合が悪いので、親方さんこの場を収めて貰っても?」
いきなり親方さんにそう伝えると、そのぐらいは構わないと言いながらも眉をひそめます。
「タエさんよ、別に占いをココでしている事ぐらい、咎められないと思うぞ?」
「ええ、私もそう思いますが、……正直言うとあまり都合がよくないんです」
「そうか、なら仕方ないな。この場は俺の方で始末をつけておくから、行ってきな」
そういって、人を払う様な仕草を笑顔でしてくれます。
「お言葉に甘えます」
それだけ言って、お客さん達は再びざわつき始めると、並んでいたお客さん達が居た事を思い出します。
片付けもせず、ココをこのまま後にすることは可能ですが、ただでさえこの場で今さっき親方さん達にも迷惑をかけているので、これ以上の迷惑は許せないので、何かいい方法が無いか考えてみる事に。
「えっと、……十人だけだよ。ちゃんと並んでいた人」
「そうなの?ふーちゃん?」
「うん。冷やかし……じゃ、ないのはそれだけ」
パッと見まわすと三十人以上の人だかりなのですが、ふーちゃんのファインプレーで並んでいた人数と人が分かったので、たったの十名程度であればやりようはあるわけで。
私はスッと目を閉じ、鼻で大きく息を吸い、両腕をゆっくりと開く。
フッと息を止め、目を閉じたままパァンと一つ大きな柏手をうった。
突然の大きな音にピタリと喧騒がほんの一瞬だけ止み、私の言葉はスッとこの場に居る人達に届く状態に。
「並んでいただいたのに申し訳ありませんが、都合が悪くなってしまいました。簡易ではありますが、並んでいた方々にはお詫びのしるしを渡させてもらいます」
そう言って、用意していた机やイスをヒョイヒョイっとポケットにしまいながら左手に持つのは机の上から移動したヒイラギの枝。
緑緑しい葉っぱを右手でちぎる様に枝から落とすと、ぎゅっと強く握り込み、手のひらを反すように開くと、そこには簡易の御守りが。
「はい、ごめんなさいね」
最初に手伝ってくれた、列に並んでいた男性に御守りを渡す。
その後ろ二人飛ばしてさらに男性、次は少し離れて女性にも。
ふーちゃんからどの人なのか教えてもらっているので、並んでいた人達にだけ正確に御守りを渡していくと、一人の男が右手をグッと強く伸ばしてきて、御守りを寄越せと言わんばかりの態度を取ります。
ただ、周りの人がその人の手をパシンッと叩き、またもいい音を立ててその物乞いを止めます。
「聞いていなかったのか?ちゃんと並んでいた人達へって言っていただろ」
「空気ぐらい読め」
「……しつこいと、祟られるぞ?」
私が何を言うまでもなく、あの場を見ていたここにいた人達は少しばかり私に対しての恐怖も持ったみたいで、今までとは少し空気のちがった反応をみせてくれます。
「ご協力、ありがとうございます」
それだけ言って、最後の一人に御守りを渡したところ親方さんが少し焦ったような顔に。
どうやら、お巡りさんがこちらに向かってきているのでしょう。
「では、またの機会に」
そう言って、わざと強く地面をタンッタンッと強めに蹴り音を立てて空中にジャンプしたように見せかけて、視線をやや上に向けたタイミングで横に早く移動して、やや上を見ていた人達からすれば、ジャンプしたと思った女性がパッと目の前から消えたような感じに。
「流石に、この人数を化かすのはちょっと無理ですね」
それでも人間の速さとは少し違う、獣らしいすばしっこさを見せて、道を一本ずらしたら、さらに少し奥まったところへ移動して、周りに人が居ない事を確認したら、両手でぽんぽんと服の肩、腰、足元と叩いていくと、服の色合いがグッと変化。
「服の色も変われば、まあ問題はないでしょう?」
みんなに確認をするように聞くと、連続して返事が返ってきます。
「どうだろう?」
「多分ねー?」
「そこまで皆覚えているかなー?」
「で、もう、お昼?ちょっと早い?」
お昼にはまだちょっと早すぎるのですが、忘れてはいけないアフターサービスが一つある事を思い出します。
「ふーちゃん、あの子は?」
「えっと、大通りからズレた道を北上中?」
「じゃあ、ちょっと驚かせるのと、お仕置きと、やっちゃう?」
私の一言に、何故かぶるぶると震えるふーちゃん。
「お仕置きは分かるけど、驚かせるのは……って、聞いてないや」
「どうしてもマズい場合は……全部夢落ちにして、寝かせちゃおう?子供一人なら、多分ギリギリ夢でイケる」
「……ごはん、遠くなっちゃう?」
「つっちー?まださっき朝を食べたばっかりだよ?」
再び自分の中が賑やかになりながら、アフターサービスをしに行きましょう。
単純にですが、作者が柏手の音や動作を好んでいます。
冬の寒い空気などの中を音がスッと抜ける様はスカッとするというか、気持がいいというか。
手を叩くシーンが多いなーと思ったとすれば、その通りで、作者都合となっています(笑)
お参りとかでも、いい音だとついつい見ちゃう……。
って、話が逸れちゃいましたね。
もうちょっとだけこの件は続きそうですが、あまり長くならない様に注意しますね。
本日も読んで頂きありがとうございます。
次回の大安吉日、またの閲覧お待ちしております。<__>




