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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
84/90

84.時代の味と、そのあとと

3/3

本日、ここまで


 出て来た牛丼は店員さんが言うよりもネギが多め。


ですが頭の中で「時代」という揃った声に思わず目を瞑ってしまいます。


ただそんな事は気にならないとばかりにいい香りが空腹を刺激。


「いただきます」


 何故か周りの男性達がゴクリと唾を飲む音が聞こえてきたのですが、気にせずに勢いよく牛丼をかきこみます。


 朝ごはんとしてはちょっとだけボリュームあるものですが、空腹の私にはちょうどいい重たさで、周りの目を全く気にせず丼の底に少しだけ溜まった汁までしっかりと飲みほします。


「ふぅ、ご馳走さまでした。お会計を」

「五十円だよ」

「では、はい」


 朝、受け取ったばかりの百円札を出すと少しだけ驚いた顔をした店員がすぐに正気にもどってお釣りを渡してきます。


「ありがとうございましたぁ」


 少しだけ間延びする声は耳馴染みのいい声で、思わずフフッとなりながらお店を後に。




 実はこの店員とこの場に居たお客たちが別嬪さんの言った言葉を覚えていて、常連の客たちも今のやり取りを思い出し、後々の時代につゆだく、頭多め、ネギ抜き、ネギだくなどの言葉を使いこなすように。

それはやがて日本中まで広がる事になるのは、はるか先にあるかもしれない物語。




「朝からお肉はやっぱりいいですね」


 お腹をぽんぽんと叩くと、ウキウキの声が。


「うまうまだったー」

「汁多めはやっぱり正義」


 いつもよりかなり贅沢な朝食をとったわけですが、いい朝食をとるとやる気も自然と向上するもの。

 今日もいつもの場所で色々な人達との時間を楽しもうと、やる気を出した状態で建築現場のいつもの場所へ向かいましょう。


 朝食を済ませた私の足取りは軽く、数日間この辺りを散策しているのもあって今更道に迷う事はなく。

十分もしないぐらい歩けばいつもの場所へと着きそうなものですが、ちょっとだけ気になる事があったので、歩きながら進路変更。


 向かう先は夜に働かせてもらっているいつもの洋食屋さん。


「朝のこの時間だと、大将が仕込み……かな?」


 おかみさんも居そうな気がしたのでふらりとお店へ行ってみた訳ですが、暖簾も出ておらず、いつも外まで香る美味しそうな香りが全く無い状態。


「早すぎましたか……」


 不思議と洋食屋さんに呼ばれた気がしたのですが、どうやら間違いだったみたい。


 あまりこういう事は無いのでちょっとだけ不思議に思っていると、前の方から図ったかのようにおかみさんが来ます。


「ありゃ、タエちゃん?」

「あ、おかみさん?」

「夕方から来るかと思っていたけど、……朝から手伝えるのかい?」

「いえ、これから占いですよ?丁度近くを通ったので、挨拶だけでもした方がいいかと思って、寄ってみたのです」

「そりゃまた律儀なことで。おはようさん」

「ええ、おはようございます」


 フフフって、二人で笑いあって、お互いにちょっとだけ元気が出て。


「約束通りだと今日までだっけ?一段落つくんだったら、お昼も食べにおいで?」

「いいんですか?」

「その代わりしっかり夜は働いてもらうからね?」

「もちろんですよ」


 つい今さっき、朝食を済ませたばかりの私ですが、お昼がこんな形で決まると色々と余裕の幅が広がります。


「じゃあ、少し時間をズラして、寄らせてもらいますね」

「大将に言っとくよ。じゃ、頑張っていってきな」

「ええ、いってきます」


 小さく手を振って、いつものお店を後にいつも占いをしている場所へと向かうわけですが、街中はそろそろみんなが動き始める時間もあって、人通りも増えて来ます。


 大通りは混雑しているので一本裏道へズレた方が歩きやすいと思い、近くの細い道への曲がり角を曲がろうとすると、ドンッと重たくはないけど強めに人と当たる事に。


「大丈夫ですか?」

「うん、うわぁ、きれーなオジョーさんですね」


 当たったのは子供で、時間帯といいパッと見た服装といい、場所柄も似合っていない違和感のある男の子。


「オジョーさんも、ちゃんと前見てあるいて、ナ!!」


 そう言うと、元気にニカッと笑って駆けていきます。


 パッパッと当たったところを払ってみると小さな違和感があって、ソレを確認してみると、ナルホドと理解。


「問題はないですけど、どうしましょうかね」


 そこまで困った感じは無い訳ですが、油断していた私にも非はあって。


「一応、分からせた方がいいんじゃない?分別はあるみたい……だけど」

「お狐様の怒り?」

「祟っちゃう?」

「ちょっと、それ楽しいかも?」


 みんなも朝食が終わっているのもあって、寝起きから少し時間も経っているので色々とやる気も出ているみたい。


「ちょっとだけ力も戻ってきているし、明日に備えて一仕事やる?」

「「「さんせー」」」


 いやいや、勝手に私を入れずにやる気を出して……。


 今の男の子にマーキングをして、しっかりと動きをマークしてくれたのは助かりますが――おやおや?よからぬ大人の影?


 みんなの覚悟に私も乗っかって、占う前に一仕事、しちゃいましょうか。






今回も読んで頂きありがとうございます。


ちょっと大安の関係で間が空きましたが……、未来の自分はストックをちゃんと作ってくれているのかしら?(笑)少し心配です。


有難い事にキャラクター達が勝手に動いてくれるので、後は形を整えるだけで済むタイプの書き方ですので、のる時はいいのですが、のらない時は酷い(笑)


食べ物だと勝手に動きやすいので助かるのですが……大丈夫、だよね?この後??


少しばかり心配ですが……無事に乗り切ってくれていると信じましょうかねぇ(笑)


ではまた、次回の大安吉日にお待ちしております。

本日も読んで頂きありがとうございました。<__>

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