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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
70/90

70.公園で再開

1/3

本日もいつも通りでよろしくお願いします


 視線の先、ギリギリ端っこではありますが視界に入っていた公園で休むことに。

 ただ夜の遊具で遊ぶ歳でもなく、休憩とはいっても、座って何もしないというのも微妙だろうなと思いながらたどり着いた公園ですが、運がいいのかそこには怪しげな赤ちょうちんを垂らした屋台。


「あのっ、少し温まっていくのもいいかもしれませんよね?」

「そうですね。何の屋台かよくわかりませんが、熱燗ぐらいあるでしょう?」


 公園に来たというよりは屋台に引っ張られるように暖簾をくぐってみると雑ながらも屋台にしては結構立派な焼き物を出す店だというのを察します。

 チラリと店主の手元を見てみますが物は何もなく何を焼くのか分からないので、とりあえずとお酒を頼むことに。


「熱燗、つけてくれる?」

「はいよ。何か焼き物はいるかい?」

「何があるんです?」

「へへっ、何でもあるよ?鳥も、豚も、……なんでもな」


 その言い方はまるで扱ってはいけないモノまであるような含みを持たせるような言い方ですが、目が腐りきったような印象はなく、ただ時代という波にまだ乗れていないような雰囲気を持っているだけ。


「では、焼き物は後でいいので先に熱燗をお願いします」

「適当に頼んでくれるといいんだがね?」

「そこら辺の怪しいお肉はいりませんよ?」


 私の言葉に、苦虫を噛み潰したような顔になりながら右手をひょいっと伸ばしてきます。


「ウチは先払いだ。こんな店なんでね」


 店主の言葉に頷き、ポケットから小銭を出す前に双葉さんがスッとお金を出します。


「僕の方にも熱燗を。で、お代はこの通り」


 燗酒の代金を双葉さんがさらっと出してくれて、微妙な顔の店主は念の為みたいな感じで双葉さんにも聞きます。


「おたく、焼き物はどうする?」

「じゃあ、鳥を。……タレはなさそうだから、塩で」

「おうよ。じゃあ、釣銭はこの通りっと」


 そう言うと手際よく木箱から鳥肉を取り出し串に刺すと焼き始めます。


「悪いが、水は自分でそこの蛇口から貰ってくれ。はい、湯呑っと」


 熱燗は焼き場の横にある鍋のお湯に浸されて少しずつ嵩を高くしていくのを待っている状態で、私は手早く湯呑を二つもってお水を蛇口から注ぎます。


「流石にお水で乾杯はちょっと侘しいですね」

「ええ、すぐに燗酒も出るでしょうし、待ちましょうか」


 パチパチと双葉さんが頼んだ焼き鳥の脂が跳ねる音だけがなり、静かな夜の公園の時間。

 肉にはそれほど簡単に火が通らないのもあって、熱燗が先に出てきたので、熱くなっていない口の部分を持って、お酒を注ぎ自分の分は手酌で注ぐと何故か双葉さんは怪訝な表情。


「何かおかしかったですか?」

「いえ、タエさんの手際が良すぎて。お酒も飲みなれているのかなって」


 一連の流れを自分なりに振り返ってみると、かなり酒飲みの手慣れた動きといわれてもおかしい感じが無かった事に今更気が付きます。


「飲みなれて……いるんですかね?」


 お酒が嫌いという訳もなく。ただ、食べる方がもっと好きという感じなのですが、慣れた動きというのは中々自分では見えてこないものですね。


「嗜む程度、ですよ。さてと、そうですね……再会に乾杯?ですかね」

「いいですね、再会に、乾杯」


 コツンと当たる程度の小さな乾杯を二人ですると、クイっと中身を飲み干します。

 熱燗なのでカンカンに熱いかと思っていたのですが、口をつけると分かる人肌より少し熱いぬるめよりは熱い絶妙の燗酒。

 飲み口は中々で、喉をカッと熱くさせてくれるのでそれを冷ますようにお水を飲むと、口の中身日本酒の美味さが広がります。


「思っていたよりは、いいですね」

「お代分はな。お待たせ、焼き鳥だ」


 塩をしっかりと振った焼き鳥が横に長い皿の上に置かれ、串のまま双葉さんがパクリと食べると、驚いた表情。


「うっま。追加で彼女の分も一本……いや、二本」

「だろぉ?へへっ、よかったな?彼氏さんが出してくれて」


 そう言いながら先程と似た手付きで二本の串に手際よく鳥肉を指していくのですが、微妙に肉の位置が悪かったのか、困った顔になる店主。

 そして、溜息を一つついた後に音は無いのですがぺりぺりと鳥皮を剥がし、その皮を木箱に戻します。


「皮も美味しそうですが?」

「あぁ?鳥の皮だろ?脂は出るが、微妙だろ?肉についていてもあんまり喜ばれないから、損ばっかりだよ」


 店主は何を言っているんだと言わんばかりの顔で、言います。


「皮だけを焼けばいいじゃないですか」

「そんなもんが好きな奴は変な奴だろ?」

「いえいえ、美味しいですよ?鳥皮焼き」


 私の言葉に信用はどうやらないみたいなので、どうしたものかと考えますが、こっちに来て二日。

 この時代は食べ物が少ないというのもあって、美味しさを味わってさえもらえば意見が変わる事を私はしっかり覚えています。


「仕方ありませんね、鳥皮を馬鹿にしないで貰う為に一肌脱ぎましょう」


 勝手に私はやる気になります。



クリスマスも終わって一気に年の瀬。


関東などでしか見られないCMかもしれませんが、三大厄除け大師がコマーシャルをし始めると

ああ、今年も終わりが近いなぁと思う季節。


あと一週間……も、無いかな??


少しばかりゆっくりできるようになるのはもうしばらく後、かもしれませんし、逆に今は一番忙しい時期かもしれませんが、無理などはなさらずに。


熱燗、自分が飲みたいだけって言われそうですが……グッと気持ちを入れて書いたので(笑)

飲みたくなったら、私の表現力の勝利です(笑)

って、下戸の人もいるからほぼ負けかなー(笑)


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― 新着の感想 ―
佐野厄除け大師。耳障りだけ覚えています。 どこにあるんだろー?と、子供の頃は思ったものです。 関東三大って、川崎大師と西新井大師あたりかしら? なんか、川崎は男性向け、西新井は女性向けって言われたこと…
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