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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
69/90

69.送るはずだった夜

3/3

本日ここまでとなります


 何故か双葉さんは自転車を起こしても乗ろうとせず、仕方なく私も自転車を降りて横に転がし乗り物があるのに乗らずに歩いて並走することに。

 信号を超えて、少し歩いているうちにやっと正気に戻ったという感じに双葉さんはハッとすると、隣に私が歩いていることを再確認。

 居る事は当たり前なのに、少し嬉しそうでぎこちない笑顔を浮かべ、ともすれば、前を見直して悩む仕草に戻ります。


 その様子は、さっきも感じた懐かしさを彷彿とさせるもので私としてはかなり微笑ましいモノ。

 ただ、言葉に出す程の事でもないのでそのまま二人静かに夜道を歩いていたのですが、遅い時間帯というのもあって、呼んでもいないのに厄介な人が寄ってきます。


「うぉぃ、そこのねーちゃん?ねーちゃん……ねーちゃんだな。……アレ?ここは……どこだ??お酒は、さっき飲みましたよっと。お水は口がさっぱりしますが……お酒が飛ぶので……いりませんっ!!」


 いきなり飛び出すように喋りながら目の前に出て来ると、両手でバツ印を作ってきて、私達の行く道を妨げてきます。


「な、なんなんです?」

「おいおい、にーちゃんは呼んでないんだよ?キレイなおねえさんに、私は……ね、お酌をしてもらいたいんですよ?って、もうお財布はすっからかんなんですけどねー?」


 うっへっへっと、下卑た笑いをしながらバツ印は斜めに崩れます。


「どうやら酔っ払いのようですね」

「えーっと、横を抜けますか?」


 目の前に居るのでちょっと大変そうではありますが、双葉さんが一歩前にでて後を向きながら聞いてきます。


「それもいいですが、お家に帰してあげた方がもっといいのでは?」


 当たり前のことを言ったつもりだったのですが、双葉さんの反応は驚愕の一言で表せるような不思議な反応。そして、ぎゅっと目を瞑るので思わず二度見してしまうと、小さな声が。


「……そんな優しさまで兼ね備えているなんて……もしや、女神様か何かの生まれ変わり?いや、いっそのこと神様?」


 かなり小さな声で双葉さんが恥ずかしい事をさも当たり前のように、瞑った目を開いた後にチラチラ見ながら言ってきます。

ですが、もちろん私は女神でもなければ神様でもないのは当たり前。

知り合いに神様がいると冗談を言ったら信じそうなぐらいその目は純粋。

ちょっとだけそういう信仰に近いモノは恐ろしく感じてしまいそうですが、その分双葉さんの純粋さというのも、同量でひしひしと伝わってくるものもあって。



 体を斜めにした酔っ払いが目の前に居て、信仰しそうな人も酔っ払いとの間に居て、どうしたら正解なのか一瞬分からなくなりそうだったのですが、問題解決の仕方は沢山の経験から自分なりには得意分野。


 こういう時は解決できるところから解決していけばいいわけで。


 そう心を決めれば、やるべきことも見えてきます。


 自転車を横に置き、酔っ払いにサッと近づいたら左手をグイっと引っ張って伸ばさせます。

 いきなりの行動ですが酔っているのもあって、女の私によろよろとしたままの酔っ払い。

 酔いに効くツボである内関と呼ばれる部分をグッと掴んだ右手の親指で強く押すと、ンガッと変な声を出す酔っ払い。


「いだだだだだ、痛ぇぇ、いだ、いだいって」

「酔いに効くんです。男でしょ、我慢なさい!!」


 グググッと更に右手の親指に力を入れるとフラフラと手を振り払おうとします。

 ですが、私の方が力は強い状態なので酔っ払いはガクンと立っていられなくなり、腰を地面に落とします。


「参った、頼む、押すのを……やめて……くれっ!!」

「暴漢に合わなくてよかったですね?」


 ふふふっと妖艶な笑みをあえて浮かべると、サーっと血の気が引いているのでしょう。酔っ払いの顔色が土気色にみるみる変わっていきます。

 最後の一押しとばかりにぎゅっと親指を押し込み、パッと手を離すと解放されて喜び焦ったのか、人間なのに四足獣のようになってその場から逃げ出す酔っ払い。


「お酒は飲んでも、飲まれるな。ついでに人に迷惑を掛けてもダメですよ?」


 逃げる酔っ払いに酒飲みの何たるかを教えてあげるつもりで言葉を投げたのですが、聞こえていたのかいないのか。

 あまりにも慌てて逃げるその姿はかなり滑稽ではありましたが、チグハグな動きをしている姿が面白く見えたみたいで、双葉さんが噴き出すように笑います。


「へ、へ、変な動きが……おか、おかしくて。ダメだ、思い出すだけでも、笑いが止まら……止まらない」


 どうやらツボ押しの効果の一部ではありませんが、双葉さんのツボにも入ってしまったみたいで、無邪気に笑っている双葉さん。

 送ってもらうハズの私の方が前に出て、もしかしたら立場が逆になってしまっているかもしれませんが、そう言う事は気にしないのか声を噛み殺しながらも笑っている双葉さん。


「ちょっと、休憩します?」


 電灯の間隔が近くなってきているので、多分少し先に公園がありそうな気配もあるのでそんな提案をしてみます。



酔っ払いのツボ押し……。


一応、お酒に酔った時に効くツボらしいです。


最初に調べて出たのは頭の上のツボだったのですが、時代的に手を引くのでもギリギリなのに、頭のツボをぐりぐり押す女……。

夜道でそんなのに合うのを想像したら、ちびっちゃいそうでしたので(笑)

手のツボに。


という、ちょっとした裏話をしてみたり。


私は裏話とか、制作秘話的なモノが大好物。


最近はサイレントヒルFのキャラクターの人達が実況をしながら……と、脱線しそうなので、気になったら見てあげて下さいな(笑)



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