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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
67/90

67.少しだけ重たいペダル

1/3

いつも通り、三話です


 たった一瞬、されどその一瞬の私達二人の同期は全てを伝えたと言える状態。

私は今、みょーちゃんに伝えられるものは全て託せたというあまり感じた事のない満足感が体中に溢れます。


「人を占う事が出来るようになる時は、その時になればすぐに分かるかと思います」

「カードが教えてくれるという事ですね?」

「その通りです」


 じっと目をお互い逸らさず、数秒間見つめ合う事になりお互い瞬きもせずにジッと視線を合わせ続けます。

 根負けというわけではありませんが、私が先に視線をカードに移すと、少しばかり寂しそうな顔をしたみょーちゃん。


「あの、私、明日はお店お休みなんです。……なんというか、タエさんにはもう会えない様な気配というか、空気というか……そう言う気がするのは何故です?」

「それが、正しい読みですよ」


 私のよどみない言葉にハッと息を吸い込むみょーちゃん。


「戦地に行く幼馴染と似た空気はそう言う事ですか?」

「行く場所はご想像の何かとは全く違いますけどね?」


 フフッと私が笑うと、目元をクシュッとさせて悲しさをにじませる顔に。


「答えてくれないのは分かりますが…………」


 みょーちゃんは言葉を詰まらせ、必死に言葉を探します。

 ただ、これぐらいは伝えても問題はないハズ。


「私が居たという事実は残念ながら消すことは出来ません。そして、求められるままに動ける存在ではないとも言えます」


 スッと自分の目からハイライトが消え無を背負っているような独特の気配がぶわっとオーラの様に私から広がる。


「それでも、どうしても、言葉が必要であるというのであれば、その時はカードに問うて下さい。もしもカードが無くなったら、私は居なかったという事です」


 キョトンと、みょーちゃんは呆けたままで数秒の遅れがあった後ぶるぶると身震いをします。


「もう……あ」


 その先を言われるのは言われる側の私も辛いので、濁しましょうか。


「側には居ますからね?目に見えるものが全てではないでしょう?」


 それでも、私に縋りつくように手を伸ばしたみょーちゃん。

 振り払うつもりはないのですが、このままここに居ては辛い思いをさせてしまいそうだったので、ピッと大仰しく右手の人差し指を立てます。

 いきなりの動きにビクッと後ろに半身下がるみょーちゃんの額を伸ばした指でツンと押し、柔らかく手の平を開きながら二度、三度頭を優しく撫でてあげます。

 フッとその撫でで、みょーちゃんの緊張が緩和されていくのが分かるので、あとは頭を撫でている手を少しだけわざとずらし彼女の目の前に。


「おやすみなさい。いい夢をお楽しみください」


 言葉は聞こえているはずなのに、力が入らない?とみょーちゃんの身体に一瞬だけ緊張が走りますが、それ以上のリラックスでもって手の平に沿って瞼を閉じさせてしまえば今日一日のお仕事の疲れもあるのでしょう。

 スースーと気持ちの良さそうな寝息を立てるみょーちゃん。


「明日はお休みという事でしたが、別にお店に来れば……会えない事もないかもしれませんが、野暮な事をいっても仕方ありませんね」


 考えてみれば会いに来た時に私が拒否する必要はないのですが、彼女には彼女なりの気持ちの整理もあるはず。

 横に積んであった布団を敷いて、優しく寝かせてあげたら掛布団をそっとかけてあげたら占い道具や本、あげたものを一纏めに置いて、鍵を拝借。


「ではでは」


 手を小さく振って、部屋を出たら鍵をガチャリと閉め新聞入れから部屋の中に鍵を落として施錠も完了。


「しまった、鍵を入れましたってメモを残すの忘れちゃった。まあ、みょーちゃんなら気が付く……かな?」


 みょーちゃんの家を出て、ポケットから自転車の鍵をとりだして借り物である紫乃さんの自転車に跨る。

ちょっとだけ嬉しくて、ちょっとだけ悲しくて、他にも色々な気持ちがぐちゃぐちゃに混ざりあって。

そんな言葉にするのが難しい不思議な気持ちをそのままペダルをこぐ力に変換してみると、いつもよりやや強めにグッとペダルを踏む事に。

それは私の気持ちを後押ししてくれるかのように、優しい夜風がフッと背中を押し、夜の闇の中に自転車は漕ぎだします。


 みょーちゃんの家に来たときよりも後は軽いハズなのに、ちょっとだけ重たい気がする自転車のペダル。

 この重さは何だろう?って、風に問うかのような鼻歌を口ずさんでいると、ついさっきまでの気持ちはどこへやら。

 少しずつ、私の気持は上がっていき、夜も結構遅い時間にもかかわらず鼻歌が楽しくなっていきます。

 そして楽しくなっていくと、自分の身体が音楽に乗るようにリズムを刻み、右、左、と体の揺れも大きくなっていくのもまた楽しい状態。

 でも、その楽しい状態を止めて来る存在が。


 それは、信号でノリノリだったのに赤で私の歩みを止めてきます。


 さらに、そんな夜の闇を一人駆けている所に何故か声を掛けて来る人が。


「アレ?……こんな時間に、タエさん?」


 隣で信号待ちをしていたのは、昼間一緒に食事をした……えーっと、双葉さん??

でも、結構遅いこんな時間に……??どうしたのでしょう。




今月もありました……大安の間隔が滅茶苦茶短いアレ!!!


前回が15日。

今日は……20日。


師走って忙しいんですよ?

分かっています?大安さん??(笑)


世の中で大安に文句言う人……早々居ないだろうなぁ(笑)


世にいう変な人って、どうやら私の事みたいです(笑)


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