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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
66/90

66.構えるこころと重なるとき

3/3

本日はここまで。


 カード占いの仕方というのは色々な方法があるわけですが、自分を占う方法というのはどうやらあまり浮かばないみたいだったので、カードを手渡し自分もポケットからカードを取り出して、横並びに座って実践をしながら占いを早速体験してもらう事に。


「毎日、コレをやってみるといいんですか?」

「そうですね。別にしない日があってもいいですけど、やっていくうちにルーティンになっていくと思いますよ」


 カードを両手で整えて、自分の前に置きます。


「……ルー?なんです?」

「ルーティン……あー、横文字だと分かりにくかったですね。日本語で言うと、日課や習慣が近いですかね。この言葉も、そうですね……遠い未来によく使われる言葉になると思いますよ」


 私の言葉に何一つ疑う様子はなく、頷きを返すみょーちゃん。


「それだと、カタカナで、ルーティン?あ、書きとっても?」

「ええ。……メモを取るも、まだ言わない時代でしたね」


 ぽつりと私の零す言葉に今回は反応せず、みょーちゃんは私の真似をしながら両手でカードを整え、自分自身の前に置きます。


「では、一緒にやりましょう」


 多少、仰々しく言いながら適当な形で座っていたので分かりやすくする為にあえて正座を選び、背筋をピッと伸ばし、形から入るように両手をカードの手前にそっと置いて、頭を下げます。


「カードとは言っても、敬ってはいけない訳ではありません。大事にしたモノは付喪神が宿り、一緒に歩めばいいパー……いえ、伴走者にもなってくれます」


 そう言うものなのか、という顔で横顔をみょーちゃんは見ながらも真似をして同じように頭を下げ、スッと背筋を伸ばします。


「作法も大事ではありますが、最も必要なモノは心。自分が疲れている時や荒んでいる時、平静を保てないにも拘らず、人と関わるというのは無謀です。無理や無茶はしないといけないとき以外、決してしてはいけません」


 私の言葉に、首をかしげるみょーちゃんが口を開く。


「無理や無茶をしてもいいという事ですか?」

「もちろん、ですよ。生きるという事は多少の無理や無茶を通さないといけない日ももちろんあります。ただ、常日頃から無理や無茶をし過ぎると、どうしてもという時に力が出ないでしょう?そうならない為に、しないでいい無茶、しないでいい無理は避けましょう」


 私の言葉は中々難解なのか、口元に手を当て今日何度か見ている考える形にみょーちゃんが陥ります。

 アドバイスの一つ、どころか何個も出せない訳ではないのですがこればかりは自分の答えが芯となり、貰ったモノでは役立たないと思う私は静かにその時を待つばかり。


 それは、五分だったのか、一時間間以上だったのか。


 短いとは言えない時間を静かに悩んだみょーちゃん自身が出さないといけない答え。


「過ぎない事を徹底する……ように、努める?」


 今のみょーちゃんの至ったモノはどうやら私が教える必要のない答えに違いは無い訳で。

 笑顔だけを見せてあげればいいでしょう。ニコっと笑みと肯定を示してあげますが、少し足りない部分を補足しましょう。


「ああ、ただし……固執をしても、ダメですよ」

「固執もよくない……」


 芯を決めるようにと言われたように思っていたという顔のみょーちゃんに芯に固執するなというのは正反対を突き付けたようなモノ。

 流石に意味が分からないという顔にもなるでしょう。


「生きるという事は変わっていく事を、受け入れる必要もあるんです」

「変化……ですか?」

「ええ。今は全く意味が分からない本や文章もあると思います。でも、十年経ったら、分かるかもしれません。二十年経っても分からないかもしれません。分からない事は分からないままで、それでも足を止める事よりも先延ばしにして生きる事が大事なのです」


 いよいよもって、禅問答のような話になってしまっていますが、心を扱わないといけない占いはちょっとした、心ない一言だけでも自分が予想をしていない結果に繋がってしまう事も多々あるわけで。


「簡単に言うと、自分が整わない時は、他人よりも自分を見つめ直さないといけないという感じですね」


 人の為という気持ちが強く表れているように見えたみょーちゃんに私が最も伝えたかったのは、人も大事だけど何よりもまずは自分を大事にして欲しいという心からの願い。

 そして、その言葉の意味や気持ちを汲む事が出来るみょーちゃんは、簡単な説明をスッと心にしまい込んでくれたみたいで、満面の笑顔を見せてくれます。


「整った状態で、混ぜても、混ぜなくても、このように一枚カードをめくれば……」

「自ずと、答えが返ってくる」


 面白い事に私が言葉を発しながら、右手をカードへ手を伸ばしスッと一枚めくる動きと一拍遅れて動き始めたみょーちゃんの右手の動きはカードへ手を掛けるタイミングで同調し、めくるところから畳にカードを置く所までまるっきり一緒。


 そして、出たカードは私もみょーちゃんももちろん一緒。



「「世界」」



 ちょっとだけ、面白かったのは通常は正位置と逆位置のあるカードなのに、なぜか横に伸びた正しくない位置の世界を示す大アルカナ。


 上も、下も、今の私達の占いにはなく、小さな意思の継承は月の眩しい夜にひっそりと行なわれました。



あくまでも私の思う占いに対する心構えです。


ただ、占いではなく人と話すのが疲れる時があるのは自分が疲れているからだと気が付くこともしばしば。

そんな思いも少しだけ乗せた形で今回書いてみました。


若干説教臭いというか、思想とか宗教観みたいに見えてしまったらそういう意図はございませんと弁明させてください。


占いの世界ってムズカシイ!!!(笑)


さ、気を取り直して。

本日も読んで頂きありがとうございます。

次回大安にまたお会いできることお待ちしております。

本日もありがとうございました。<__>


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