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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
65/90

65.占いのほんとう

2/3

もう一話あります


「占い師にとって、一番大事な事は何だと思いますか?」


 問うように私がみょーちゃんに聞くと、少しだけ悩んだように眉を寄せて答えます。


「占いが当たる事ですかね?」

「ええ。当たらないのは詐欺みたいなものになってしまいますからね」


「その通りです」


と、私はニヤリとニヒルな笑みで頷きます。


ただ、本質を伝えたい今は、もう少し踏み込んだ事を聞かないといけません。


「他には?」

「他……ですか?」


 笑顔で取り出した本をわざと数冊並べていきます。


「占いは当たり外れ、それ以上もそれ以下も無いような気がしますが?」

「なるほど。それでしたら、わざと面白い事をしてみましょうか」


 そう言って取り出した本の横に置いてあった、みょーちゃんにあげるカードを手に取り、お店で見せた時と同じような形ではなく、一枚のカードを私が決めつけるようにペラッとめくって、みょーちゃんの目の前に置きます。


「あなたの運命は、絵の通り、悪魔です」


 カードをめくって、見せたものは悪魔のカード。


「このカードの意味は見た目通り。誘惑に堕落、裏切りや破滅に依存といい意味は殆どありません。また逆位置であれば今言った言葉の逆の意味になります」


 私の言葉にみょーちゃんは大きな頷きを見せます。


「誘惑、堕落、裏切りに、破滅や依存、……その反対をみょーちゃんはどう言いますか?」

「え?」


 いきなりの問いにみょーちゃんとしては予想していなかったみたいで、驚き、慌てますが真面目な顔で口元に手を当てて考えようとします。


「例えば、ですよ?もし、自分が占いをされている時、同じことを相手の占い師がしたら……どう思います?」

「あっ。それは……不安に……なります」

「……でしょう?断言ばかりがよい訳ではありませんが、迷いながら言葉を続けるのは、相手に響くものも響きません」


 私が伝えたかったのは、言葉の話。


「伝えるというのは、自分が思っている以上にとても難しい事でもあります。そして、人というのは十人十色。伝わりやすい人もいれば、伝わりにくい人ももちろん居ます。ですが、占う時に占う側は人を選べません」


 私の言葉に深く感銘を受けているのか、多少大げさに驚いたみょーちゃん。


「それでも、出来るだけ正しく、出来るだけ相手にとっていい未来へと進んでもらいたい場合、しっかりと言葉で伝えないといけない訳です。私は、その為に必要な事をするべきだとは思います」

「なる……ほど」

「お勉強というよりは、意思疎通でしょうかね?その為に必要な事は?」


 再び問うと、みょーちゃんの視線は私が最初に取り出した幾つもの本に向かいます。


「本……でしょうか?」

「正解、でもありますが、不正解でもありますね」


 どっちつかずの答えは流石に混乱をもたらしてしまったのか、ええ?と困った顔になるみょーちゃん。


「知識を、見識を広める必要があるという感じですね。それにはもちろん本を読んでみたり、新聞を読んでみたり、絵物語や紙芝居、いえ漫画なんていうのもいいでしょう」


 私がそう言うと、後半の方は分かっていないような顔になっていくので、あれれ??と思っていると、頭の中から注意の声が。



「まだ、この時代は漫画ってそこまで大衆化できていないよっ!!」


 そんな言葉をみーちゃんが教えてくれたので、言い直そうとしたのですが……漫画を言い直すとしたら?と、考えているうちに私の頭もこんがらがってきてしまい、ポロリと出たのは何のフォローにもなっていない言葉でした。



「これからの時代、そう言うものが広がっていくんです。ぼーっとしていられないんですよ!」


 結局どういう風に誤魔化したらいいか考えても答えは出なかったので、訳の分からない言葉になってしまったわけですが、それでも何かしらの空気を分かってくれたのでしょう。


「見識を広める必要があるわけですね?」

「ええ。一つに固執せず、色々な角度から、色々な見方を覚え、色々な言葉を使えるようになる必要があります」


 小さな頷き、そして理解を深めたと伝えたいのか、みょーちゃんは瞬きを何度も繰り返します。


「占いは……何度もやれば、いいんですか?」

「ええ。そうですね……回数ではなく、自分が言葉に出来ると自信がついた時から生業としてもやればいいと思いますが、まずはお店の人達に手伝って貰うのもいいのでは?」


 その手があったかと、大きな笑顔に。


「あ、そうだ。それだったら、みょーちゃん?毎日自分で自分を占ってあげて下さい。そして、自分をお客さんに見立てて、色々な言葉で自分を毎日納得させていくんです」


 そんな事出来るの?という顔でみょーちゃんが見てきますが、一応ここはピシャリといった方がいいでしょう。


「稀に、ですが、自分のことは占いが出来ないなんて人も居ます。ですが、自分の占いで自分が見えないという事は人の事なんて見られないと言っているのと同義ですからね?」


 そう言うと、でも……と小さな声が。


「でも――自分の占いで自分を見ても、毎日同じ結果になりませんか?」

「みょーちゃんの毎日って、寸分の違いもなく、まるっきり同じ事の繰り返しだけですか?」


 違いますよね?って顔で聞くと、ハッとした顔に。


「少しずつ、違う部分はあるんです。毎日似ているだけなんです。だから、ちゃんと練習になりますよ」


 私の言葉に納得をした顔になるみょーちゃん。


 伝えるべき大事な事は多分しっかり伝えられたみたいなので、最後にお互いを占ってから帰れば、紫乃さんも心配するような時間ではないでしょう。




占い……ってなんであんなに惹かれるんでしょうね?


ついつい、本日のラッキーカラーとか、ラッキーナンバーを追いかけてしまう事が稀によくあります(笑)


まあ、じゃあいい思いしたの?といわれると、別にそういう経験ない気もしますけどね。


運に縋りたい日っていうのが人間にはあるんでしょうか?


ハマりやすいタイプの人間なので避けて通って正解……かなぁ?(笑)


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