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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
48/60

48.裏っ返すまえ

3/3

本日も読んで頂きありがとうございま<__>>


 大将とおかみさんの占いが終わると、視線が一気に私へ集まります。

けれど、今回は説明もしないと収拾がつかなくなりそうな気配。

 なので、全員がしっかりと見えるよう、ゆっくりと一枚ずつ22枚のカードを見てもらうことにした。


 上から順番にまずは7枚、二段目に8枚、最後の7枚を並べる。

 テーブルの上に三段の波のようなカードが出そろう。

カードは番号順。私から見ると逆さま、つまり逆位置。

先輩女給さんたちには、正位置と見やすい状態に置いてある。


「私の占いは、こんな感じのちょっと可愛いカードたちをつかって、占っています。一枚一枚に意味がしっかりとあって、私から見ると逆位置という形ですが、皆さんから見えるカードは正位置といって、カードの意味をそのままであったり、反転させて伝えたり、色々なものを占います」


 言葉を発しながらも一枚ずつカードを裏返しながら、先輩女給さんたちが内容を理解しているかを確認します。


「先ほど見ていただいたように、本来は一人ずつカードを混ぜ合わせ自分の今の思いや心をカードに移して貰わないといけないのですが……、この通り人数がいるのでそれをやっていると時間がかかるので――」


 いつの間にか私の言葉に吸い込まれるように先輩女給さん達が頷きを返し、場はシンと静まり返った。



「裏技?いえ、ちょっとしたマジックで今回は占いをしてみようかと」


 ニコっと笑いかけると、私の笑顔に打ち抜かれた一人の女給さんがうっとりとした表情に。更に、心臓の辺りに手を持ってきて撃ち抜かれたかのような動き。

 周りはその様子が面白く映ったみたいで、シンと張り詰めたような空気はふわりと柔らかなものに。


「並べたので多数のカードを皆さんしっかり見ましたね?」


 右、左とゆっくり視線を回し、先輩女給さんたちに同意を求めるとウンウンという声や頷きが返ってきます。


「さて、ここからちょっと違う形になります。一人ずつ順番にカードを選んで、そのままカードを持って、移動してから机の上にそのカードを置いてもらっていっていいですか?」


 確認をするように言うと、ビッと手を挙げた女給さんが一人。

 素早い動きにみんなの視線が集まりますが、おずおずとせずに堂々と聞いてきます。


「22枚から引いて行ったら、後の人ほど残り物になっちゃうって事ですか?」

「そう言ったことはありませんよ。占いでマジックですから……そうですね、寧ろ面白い結果が待っているはずです」


 笑顔を見せて断言します。


「――じゃあ、後に引くことになっても?」

「大丈夫ですよ。安心して引いてください」


 ホッと一安心したみたいですが、考えてみれば彼女の質問は当たり前。

 女給仲間とはいっても、先輩がいて後輩が居て。

どうしても若い子ほど、後に回されることになり、そのせいで占いが不十分であれば文句の一つも言いたくなるものだ。


「彼女の心配も分かるので先に伝えますね。先でも後でも結果は変わりません。焦らずに、順番に。ね?」


 女給仲間の人によっては、後ろでコソコソと当たるも八卦当たらぬも八卦でしょう?と、疑いを見せる人もいるものの、ただで見てもらえるんだったらいいじゃないと基本的には前向き。

 一人ずつカードを引くと、机の上にカードを置いていきます。


「ずいぶんさっきと違うように見えるけど、大丈夫かい?」


 かなり真剣にカードを選ぶ女給さんたちの表情をみて、おかみさんが心配そうに声を掛けてきますが、問題は無いのでニコっと笑うと、大きな口を開けるおかみさん。


「ここまで肝が据わっているとは、思ってなかった。流石タエちゃんだねぇ」

「いえいえ。多分ですけど――私の予想だと、ちょっと面白い結果が見えると思います」


 私の中のみんなも同じ予感をヒシヒシと感じているみたいで、かなりワクワクしている様子。


「面白い結果?占いなのに?」


 目をスッと細めながら頷くと、おかみさんがほぅと息を吐く。


「ええ。ちゃんと解説もさっきみたいにしますから、折角なので楽しんで下さい」


 不思議なこの空気、予想通りだとパッと見てわかる面白さがまずはありそう。

ですが、それ以上に何でという気持ちが芽生え、正しい理由を伝えないと場は静まらず。


私のそんな気持ちを女給さんたちもどこかで感じているのか、一枚、また一枚とカードは減っていき、選んだカードを机の前に置いて、女給さんたちがずらっとテーブルに並ぶ。


「さて、自分の意思でちゃんとカードは選びましたね?」


 座っている女給さん達に確認をすると、声と頷きで返事が返って来る。

人によっては少しだけソワソワとしていたり、きょろきょろと周りを見回してみたり、落ち着きがなくなってきている状態に。


「では、順番に。まずはカードをひっくり返していくのでそのままで待っていてくださいね」


 首を縦に振る女給さん達がずらっと揃っている光景はなかなか壮観。キレイだなと思いながら、手前から順番にカードをひっくり返し、占っていきます。


 そして、現れたカードは――私の予想を静かに裏切っていった。





少年誌などでよくある、来週に期待を持たせるパターン。

次が気になるからあんまりやられることが嬉しくないのですが……すみません、やってしまいました。


え?え、どうなったの?


という気持ちで次の大安まで、すみませんがお待ち下さい。


それにしても、タロットカード占い……奥が深い。

調べながら、楽しみながら書いていますがちょっと占って欲しい気持ちになっています。


ではまた次回大安日、お待ちしております。

今回も読んで頂き誠にありがとうございました。

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