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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
4/12

4.狐の運ぶしあわせ

不勉強で知らなかったのですが、大安にもいい時間、普通の時間?があるそうです。

まあ、諸説あるのでどれを信じるか……信じないというのも一つではあると思いますが、あえて選ぶのであれば……

午前中がいいのかな?

という事で9~11時は大安でも午前中。


本日も三話……の一話目でーす<__>


 少しだけ待っていると、さっきの職人さんが腕を強そうに引いて、もう一人の職人さんを連れて来る。


「待たせたな。こいつだ」

「ったく、なんだよ急に。こっちはゆっくり飯食ってる最中だってのに」

「お前の不幸をしっかり見定めて貰った方がいいかと思ってな?」

「だ・か・ら、別に俺は不幸じゃねぇって言ってるだろ!!」


 腕を無理矢理引いて来たみたいで、職人さんが手を離すと引っ張られたところをさするので、結構な力で連れてこられたことが見て取れる。


「私の占い、一回十円です。御守りもついてきますからね。ちょっと高めですけど」

「十円?そんなにするのか?タエさんよ、もう少し何とかならないか?」


 値段なんて正直考えていなかったので、すぐそこの屋台の蕎麦の値段にしただけなのですが、吹っ掛けすぎてしまったのかもしれませんが、一回で蕎麦が食べられないと私も困ってしまうわけで。


「ちょっといい御守りなので高いんですよ。なので、びた一文まけませんよ」

「っかー、商売上手じゃねぇか。そんな顔するな。よし、今日の酒が減るが俺が奢っちゃる」


 そういうと、穴のない鳩と梅の書かれた五円玉を二枚渡してくれます。


「ご縁を二つ。ってな?」


 頂いたお金はそのままポケットに仕舞い、代わりにポケットから出すのはヒイラギに魔法をかけたカード。

 取り出したカードを机の上に適当にばらまいて、両手を使って混ぜます。


「占いますので、どうぞ適当に混ぜ合わせて下さい」

「こんな上等なモン、触っていいのか?」

「占いですからね」


 少しだけ申し訳なさそうに職人さんがカードに手を伸ばすと、ふわりと植物の香りが漂った。眉をひそめつつも、両手で軽くカードを混ぜ合わせる。


「しっかりと混ぜていただいたので、後は私が」


 そう言って、カードから手を放して貰い混ぜ合わせたカードを一つの山に戻す。

 一つにまとまったカードを丁寧に整え、両手でそっと周囲を包み込むように添えた。

 机の脇に置いていたヒイラギの葉を右手で取り、カードの上にふわりと振りかける。

「一、二、三」と小さく数えると、葉を元の位置に戻した。


「では、占います」


 右手をゆっくりとカードの端に滑らせ、一番上のカードを静かにめくる。


 そこに現れたのは、逆さ吊りの狐の男。耳は下を向き、垂れた尻尾は重力に従って垂れている。


「ハングドマン、正位置ですね」


 タエの囁く声に、いつの間にか集まっていた人たちも息を呑んだ。

こんな占いを初めて見る彼らは、カードの意味は分からずとも、吊るされた姿に驚き、目を見開いている。


「とても、いい結果ですよ」


 にこりと微笑み、ほんの一拍、言葉を選ぶように視線を落とす。

それから、迷いなく、けれど包むような声で言葉を置く。


「あなた、幸せですね」


 その言葉に、占われた職人は一瞬、時の止まったような顔をする。

 まるで胸の奥にしまっていた何かを、そっと拾い上げられたような――そんな目をして。

 一方、周囲の職人たちは顔を見合わせ、ギョッとした空気でざわつき始める。

『何を言っているんだ?』という疑問が、ざわざわと場を包む。

 不幸そうにしか見えないアイツを、どうして「幸せ」だなんていうのか――


「そんな身なりで、いつも溜息ついてて、幸せなのか?」


 意を決したように大きく頷くその様子に、周りは更にざわついた。


「タエさんよ、どういうことだ?」


 訳が分からない様子で、占いをすすめた職人が私に問いかける。


「いいの?私が答えても?」


 占われた職人に確認をすると、彼は小さく頷いた。


「彼は見た目や周りから『不幸そう』って見られているけど、それにはちゃんと理由があるんです。家庭の為に自己犠牲や節制をしているから。さっきめくったハングドマンのカード『吊るされた狐の男』は、一時的な犠牲や視点の転換を意味するカードです。詳しいことは分からないけれど、もしかしたら新しい命を授かったのかもしれませんね」


 最後の一言に息を呑んだのは占われた彼だった。

 口をパクパク、首をカクカクと縦に振る様は、まるで赤べこ。それ以上に驚き、喜んだのは彼をココに連れて来た同僚の職人だった。


「なっ、お前結婚していたのか?しかもチビができてるって?そりゃ辛気くさい顔してる場合じゃねぇよ!」


 ただ、まだ彼には心配事があるはず。


「奥様のつわりが酷いのでしょう?大丈夫。この御守りがあれば、きっと楽になりますよ」


 何も持っていなかったはずの手のひらから、するりと現れたのはヒイラギの葉の御守り。その瞬間、周囲から再び息を呑む音が漏れた。


「コレで落ち着くのか?うちのかかあが」


「ええ。生まれるその日まで、あなたがしっかりと持っていてあげて下さい」


 彼はおそるおそる手を伸ばし、頭を下げ、とても大事なものを授かるように両手を前にだした。

 私は彼の両手の中にそっと御守りを落とす様に渡す。


「あ、ありがとう」

「いえいえ、お代は同僚さんから頂きましたから……ね?」


 私はニコっと微笑んだ。こっちに来てからの初仕事は、こうして無事に終わりをつげた。





大体、こんな感じで大安の日に三話ずつ出せるように頑張るつもりです。


で、時間のかかる理由ですが……


えーっと、基本的にまず私が全て書いて、それをチャットGPTに読んでもらい、表現のおかしい所や読みやすく文字を入れ替えたり、場合によっては完全に文章を作り替えて貰ったり、そういう事をしてもらい、確認をし、更に読み直して確認を済ませた後、投稿。という流れです。


添削とかブラッシュアップと伝えると、かなり元の文章がなくなる事も多いので、それはほとんど使わないように注意していたりします。


私らしさがどういうものなのか分からなくなりそうだと思うかもしれませんが、ツールをツールとして使う形で手伝って貰っている感じです。


正直、こういう話を書いてと伝えるだけで彼等AIは文章を生成してくれますが、やっぱり自分で書きたい。そして、出来るだけ読みやすく色々な人の目に留まって貰いたいので、表現の確認はしたいというのもあって、こういう形で公開している次第です。


AIを使っている時点で「NO」な方もいらっしゃるかもしれませんので読むことを強制するつもりは勿論ありませんが、一応自分の言葉ですよーって、先週公開した時点で言えていなかったので今更ですが、伝えた形です。


伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのか、色々と考えましたが隠す事でもない気もしたので伝えました。


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