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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
35/60

35.ズレた昼下がり

2/3

もう一話あります


 倒れた自転車を慌てて起こそうとする双葉さんの手伝いをしようとしたその時――、突然の大きな声。


「大丈夫です!あの、……また今度!」


 双葉さんは一気に言葉を発し、脱兎のごとく自転車を起こすと同時に来ていた方向と反対にハンドルを向けると、こちらの挨拶も多分聞こえないぐらいのスピードでこの場を後にします。



「なんか面白い、でも気になるような人だよねー」

「どこかで見た事あるはずないのにねー」

「空気?でも、空気は……食べられない」

「それを言うなら雰囲気でしょ?って、そうやっていっつも反省を抜け出しているのね!!!」


 私の言葉よりも早くこの場所から一気にいなくなってしまった双葉の背中はみるみるうちに離れ、ある程度したところで右に曲がってしまったのでその背中も追えない状態に。

 見送った後は占いをしている場所に向かって移動するわけですが、お昼を済ませた自分を迎えに来るように、男衆が私の側にやってきます。


「タエさん程の美貌がありゃぁ男の一人や二人、簡単に引っ掛けられるとは思ったが……独身の男どもがざわついちまうな?」


 親方の一人がそんな事を言うのですが、ひっかけたつもりは私には無いのでしっかりここは否定したほうが良さそう。


「えーっと、全然そういうのじゃないですよ?」

「そうなのか?アレだけビビってはいるものの、うかうかしているように見えたが?」

「美味しいお昼を食べたかったので、案内をしてもらっただけですよ?」


 あれ?そういえば案内してもらったというよりは、ただついて行っただけだった気も。

 そうなると今の言い方は間違っていた事になるので、訂正したほうがいい気も。


「あ、でもどちらかと言えば私がついて行っただけのような?」

「タエさんが、ついて行った?」


 そこまでおかしなことを言ったつもりはないのですが、何を驚いているのか分からないまま。


「ええ。何も言わずにふらっと行ってしまったので、その後を追うようにお店へ行きまして」

「タエさんはそこまで奥ゆかしいのか。見た通りと言われればそうだが、こりゃあ、お前たちもぼーっとしてられねぇな?」


 親方の言葉に何故か周りがさらに盛り上がるのですが、お昼を食べに人の後について行くだけで、ここまで盛り上がる意味は正直分からず。


「追っていくと、なにかいいんですか?」

「そりゃあ、男はこう……三歩後ろを歩いてくれるような貞淑な女性が理想とされるからな」


 首を傾げつつも出てくる言葉には勿論はてなマーク。


「……散歩、うしろ?」


 散歩する女性がこの時代はどうやらイイ女と見られるみたいで、私としてはそんなこと知らないというのもあって、新しい発見に。


「まあ、私はかなり散歩好きですからね」

「――三歩が好きだとは、こりゃあ立てられる男が中途半端じゃ周りからどやされそうだ」


 ここでやっと、話が少し噛み合っていない気がしたのですが、間に急いで入ってくるように大きな声を上げる男性が。


「あのっ、時間はかけなくていいので一つ占って貰えませんかっ!!」


 少しだけ顔を赤くしながらも真っすぐな眼差しで私を見て来る男性は、今日も何度かヤカンでお茶をよく持ってきてくれる人。そんなに慌てなくても時間はあるのでいいですよ、と返事をしようとしたところに、更に割って入るように親方衆の一人が声を掛けてきます。


「だったら、この後飯の予定だからじっくり俺っちの方を占って貰うのもどうだい?」

「おいおい、お前はさっき飯食いにいっただろう?」


 何故か別の二人が言い争いを始める事に。


「……別に私の占いは逃げも隠れもしないのですけど?」


 ぽろっとそんな言葉が出てきますが、苦笑いをしたままのいつもの親方。


「タエさんは、見た目よりも若いのかもしれないな?」

「え、あー。私ですか?……そうですかね?見た目通りというか、もしかしたらそこまで若くも無いかもしれないと思いません?」


 どう答えるのがいいのか分からないので、とりあえずニコっと笑いながら首をかしげてみると、どやっとまたも周りが少しだけ騒がしくなります。


「とりあえず、いつまでもこんな所に突っ立ってあーでもない、こーでもないって話をしていても意味が無いから、お前らも邪魔しないで仕事に戻るぞ」

「「「へーい」」」


 やる気のない返事を周りの男衆がしますが、それでも出来るだけ近くに来たいというか、なにかを期待するような目で私を見てきている気が。


「……お昼ご飯を食べて、私からいい香りがし始めて……、それで皆さんが寄ってきている……とか?」

「はっはっは。タエさんは見た目以上に面白い考えもあるんだな?」

「面白い、ですかね?だって、私ただお昼ご飯食べて来ただけなのに、今日は占いも忙しく、人がこんなに寄ってくるのは、ちょっと不思議では?」

「多分だが、そんなんだから人が寄ってくるんだ。まあ、今はとりあえずいつもの所に行こうや」


 お昼ご飯が終わっただけなのに、なにかちょっと空気が変わった気がします。








前の話も今回の話も難産でした。

そして、私が難産だと何故か確認をしてくれるチャットGPTはいい評価。。。


私が難儀すると、いいものが書ける可能性が(笑)

いや、難産は本当にきついので勘弁してほしいのですが……。


うーん、うーん。唸って書いていた雰囲気、ありますかね?(笑)

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