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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
22/60

22.星にねがいを

1/3

が、頑張ります


「おい、誰か塩もってこい!塩!」


 棟梁さんがそう言うと、急いで大工さん達が動き何処からともなく持って来た塩をいなくなった紳士服の男が居た方向に投げつけます。


「よっし、これでまあいいだろ」


 いきなりすぎる行動に周りの人間がポカーンとしていると、もごもごと言い辛そうな棟梁が聞いてきます。


「タエさんよ。さっきのカードは、俺の占いの時と……一緒だったよな?」

「ええ。そうですね。何故か図柄がおどろおどろしくなっていましたが、ね」


 そう言いながら笑って返すと、微妙な顔の棟梁さん。


「俺も、ああなっちまうのか?」

「あー、ちょっと心配になっちゃいました?」

「まあ、雰囲気もさっきは違ったし、聞いていた内容も何か違うように聞こえたから……」


 少し目を伏せる棟梁さんの背中は曲がっていたので、ここはちょっと思い切りが必要だろうとおもったので、スススっと目の前から棟梁の横へ移動して、右手を引いて……。


 パンッ


 そこまでの威力は無いと思うのですが、それなりの力でもって背中をしっかりと叩くと、棟梁さんが驚き、思った以上の音が鳴ったことに自分も驚き、二人が慌てていることに周りも一緒に目を丸くします。


「占いっていうのは、その人に沿った答えが出ます。勿論当たるも八卦、当たらぬも八卦ともいいますが、まるっきり同じカードが出たとしても人によって(・・・・・)意味は全く変わります」

「……そういうもの、なのか?」

「ええ。それに、棟梁さんの時はあんなに変なカードじゃなかったでしょう?」

「まあ、言われてみれば……」


 喋りながらカードを揃えていると、ぽろっと一枚カードが風にさらわれて。

 そこに出たのは「星」のカード。ただ、図柄は棟梁さんの時のようなニコっと笑った笑顔の形。何故か星がキラキラときらめき、正位置というのもあって星から何かもこぼれているような演出が見えます。


「何事もやり遂げる貫き通さんばかりの意思というか、ただの頑固とのたまうか。短所と取るか長所と捉えるかはその時、その人次第なのですよ」


 落ちたカードを拾って、束にすっと差し込めば周りも静かに。


「なるほどな。っと、そう言えばアイツ御守りも貰わずに逃げちまったな」

「あの方は御守りを渡すにはふさわしくなさそうでしたから、仕方ありませんよ」

「ってーことは、あんまり態度が悪いと?」

「占って終わりですよ。御守りは、私の気分次第ですからね?」


 その言葉に驚くのはこれから占ってもらおうと思っていたであろう周りの男衆。


「ただ、お金をもらった以上はある程度の事はしますけどね?」


 私としては基本的に御守りまでで一占い。あのお客さんはちょっと望まれないお客さんでしたが、殆どのお客さんはそうではないハズ。


「だ、そうだ。お前ら安心して占って貰えよ」


 棟梁さんの大きな声で、ざわつきがおさまると休憩時間もそろそろ終わり。


「よーし、ちょっとばかし変な奴のせいで時間は食っちまったが仕事再開だ」

「「「おおぉ」」」


 棟梁さんの一声で職人さん達が仕事に戻っていきます。


「さーて、私達ももう一仕事しましょうか」


 私の一声で棟梁さんがばらけさせた並んでいた人達が戻ってきたみたいですぐにさっきと同じような列が。


「うーん、お待ちいただくのにこのままというのはちょっと申し訳ないですね……。占う前にしばしお待ちを」


 机の前にいるお客さんにそう言うと、人差し指を頬の辺りに添えたままくるりとうしろを向きます。

 ポケットからポポポンと重ねた椅子を取り出します。


「周りの人の迷惑にもなってしまうので、列はこの椅子の三人分とさせて下さい」


 取り出したイスを一つ、二つ、三つと分けて置いてどうぞと座って貰えば、周りの人も頷きます。


「お待たせしました。何を占いましょう?」





 休憩後の占いは変なお客さんが間に一度入ったおかげで、男の人達のガツガツ感がへってくれて、逆に少しばかりソワソワとした空気をかんじるのですが、御守りを最後に渡すとホッとしている様子。


「ただの葉っぱがみんな欲しいのかな?」

「一応ヒイラギの葉っぱって魔除けだよ?」

「でも、葉っぱは葉っぱ……」

「まあ、お客さん達がいいっていっているんだから、いいんじゃない?一応魔力も籠っているし、言いえて妙だけど『御守り』化している部分もあるみたいだし」


 私が占いをしている最中も頭の中はこんな感じで雑談中。


「因みに、この籠っている魔力だとどんなこと起こるの?」

「さぁ?ただ、ちょっとした願いの一つぐらいなら……叶っちゃう?」

「それはもう御守りを通り越した絵馬みたいになってない?」

「願掛けとはちょっと違うと思うけど……本人の努力次第なんだから、大丈夫でしょ」


 御守りを作る時は私達各自の好みの量の魔力を注いでいるのですが、もしかしたらちょっと予想以上の御守りが出来ていたかもしれませんが……あと二日だから、まあいいかな?




前回の続きって感じですが、前回が閑話でおわったので……

繋がっているような、繋がっていない様な??

折角なので思い出す為にも前から読み直してくれてもいいですよっ!!!(笑)(露骨なカウンター稼ぎ)



努力次第で叶うという御守り。

欲しい!!!むしろ、私に下さい!!!


と、思ったのですが……なんというか色々と不肖な私はいいモノも雑に扱いそうなイメージがあるので、持たないのもまた一つかなーって。


願いが叶わないじゃないかっ!!(笑)

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