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世界は裏でまわってる  作者: 最上 品
114/120

114.今日はもういいか

本日ここまで

3/3


 紫乃さんの家に着くと、家の前には、紫乃さんのお母さんがにこにこと笑っていた。


「今日も泊まっていくのかい?」

「……昨日までのつもりだったのですが、ご厄介になっても、いいですかね?」

「大歓迎さ。――それで、皆々様も?」

「連日でも、構わないのであれば……」

「「大歓迎ですとも!」」


 目の前の紫乃さんのお母さんと自転車を片付けた紫乃さんが後ろから、声を揃えてきたので、少しだけ驚きながらも紫乃さんが背中を押します。


「すみません、お邪魔します」

「お構いなくどうぞどうぞ」


 と、家の中へ通されるわけですがつっちーが神妙な声で言ってきます。



「ねぇねぇ、折角だったらさ、この二人に色々な味、覚えてもらうの、アリじゃない?」

「料理の伝道師!」


 つっちーの声に反応してふーちゃんがビシッと決め顔で言います。


「味を伝えるには、正しい味を知らないと、って事だよね?」

「そうなると、虎の子を引っ張り出すの?」

「思い出の味はいくらでも作れるけど、本当に、いいの?」


 少しだけ声のトーンが静まりますが、気持は決まっているのかみんなの顔はいい顔で。


「その辺りの説明は、私がしましょうか」

「流石ひーちゃん!」

「サポートは私がしますよ」

「みーちゃんもよろしくね」


 背中を押されながら、昨日と同じ席へ着いたら紫乃さんのお母さんが台所へ。

 戻って来た手の中には一升瓶。


「昨日はお世話になっちゃったからね。もしかしたら、今日もかしら?って買っておいて、正解だったかしら?」

「流石母さん」

「紫乃の分はないよ?」


 スンとした顔でお母さんが言います。


「えー、それはないわ。じゃあ、へそくりの……」

「嘘よ、嘘。へそくりの場所は変えて、今はあそこじゃなくてね?」


 手のひらをパタパタとさせながら、それ以上は言わないでという顔だったのですが、続く言葉に驚くお母さん。


「え、下着の……」

「何で知っているのよ!?」


 母娘漫才が目の前で始まったタイミングで、私の中からひょいひょいっと出て来るのはみんな。


「今日もお世話になりますよ」

「昨日はご一緒させていただきまして、心から御礼申し上げます」


 ひーちゃんとみーちゃんが真面目に挨拶をします。


「今日は昨日とは違った美味しいモノ、食べよ!」

「ちょっとだけ、重大な使命もお願い?」


 ふーちゃんの元気のいい言葉に笑顔で頷くお母さんとつっちーの言葉になんとなく面倒そうな空気を感じている紫乃さん。


「美味しいモノ?」

「うん。今日食べたハヤシライスの『本物』とか、オムライスとか、洋食もそうだけど、お酒のおつまみだと……他は何がいいかな?」

「ちょちょ、本物のハヤシライスって、どういう事?」


 あー、やっぱりそこに食いつきますよね?


「はやしらいす?って、そもそもなぁに?紫乃ちゃん?」

「あー、母さん、今日のお店での話だからまだ知らないんだよね。タエちゃんがね……」


 と、今日お店であった話をつらつらと話し始めるので、私はどうしようかと思っていると、クイクイっと足元を引っ張るのはひーちゃん。


「すぐに出せるように、お台所借りましょ?」

「はいはい。じゃあ、温め直せばいいかな?」

「念の為、鍋も使わないで、お皿だけ借りて、あとは湯呑とお水用のコップ……私達の分は私達の所から出した方がいいかも?」


 ひーちゃんなりにこの後の事もしっかりと考えているのか、指示が飛んできます。


「はいはい。じゃあ、お二人に説明を頼んでいい?」

「ついでにふーちゃんの買出ししていたケーキもデザートに食べよ?」


 ひーちゃんの一言に何で知ってるの!?って瞳孔が開き切ったふーちゃんが口をあんぐりと開けて驚いていますが、ぺしっとみーちゃんが頭を叩きます。


「みんなお見通しよ?九州のお酒もあるんでしょ?」

「なんで!?」


 くるっと首を回して、次のエモノとばかりに話はつっちーにも飛びます。


「つっちーは我慢できなくてカツオを自分で高知に取りに行ったんだよね?」

「一本釣りだと身が傷つくから、海の中の傷なしでカプッとね?」


 そう言うと、ごそごそと背中の辺りから取り出したのは稲藁。


「流石にココでは……藁焼きはまずいから、でも、食べたいから、上手い事やって?」

「藁焼きのカツオのタタキも食べるの?」

「大丈夫、美味しいから」


 美味しいか不味いかではなく、面倒だという話は聞くつもりがないみたいで、いい笑顔でつっちーが言います。


「何でも本物を食べておけば、大丈夫」

「まあ、そうね。って……みーちゃん?」

「何となくみんな美味しそうなものを出すなら、私は私の好物のカニクリームコロッケを……」


 つっちーもふーちゃんもやりたい放題かと思っていたら、みんながそれなら私もとついに乗っかってきたのはみーちゃん。

 その手にはお皿に乗った湯気が見える程出来立てと分かるカニクリームコロッケ。


「紫乃さんも牛乳が飲めないって言っていたから、牛乳補給に!」


 流石にちょっとやり過ぎな気もしますが、溜息を一つだけついたらどうでもいい気にもなってしまって。


「まあ、今日は……もういいか」

「そうそう。もう、いいから楽しんじゃおう?」


 そう言って、台所へ向かい温め直すもの、ちょっとだけ作業がいるものに手を加えていくことにした。



美味しいモノ勢ぞろい。


そして、なんとなく、みんな分かっているような二日目。



……説明したい!!(笑)

でも、感じても貰いたい!!(笑)

……結局喋らない事が一番伝わると信じるしかないですね。



さてはて、次回大安吉日は……4/3かな?


え?もう4月??とは言いませんよ(笑)……ビックリしたなんて今更言えない(笑)


桜は今年早めだったので(関東は)、入学式にはちょっとギリギリでしょうけど、卒業式にはぴったりでしたね。


葉桜を楽しむのはどうですかね?あ、虫が多い?そうですね。

でもあの力強い緑緑しさを楽しむのもいいものですよ??


ではでは、次回の大安吉日にまたのご一読お待ちしております。


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