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世界を旅する異世界転移者  作者: 夏より冬だろ
第1章 グレイヴァルド要塞都市

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開戦③

「三番隊!もう少し下がれ!!前に出すぎだ!」


1人の兵士が声を掛けてくる。

最前線で軍の指揮を執っている人だ。


「お前達が前に出過ぎると、前線を抜けた奴らの対処が厳しくなる!もう少し下がって、後衛と前線のサポートに回れ!!」

「分かりました!皆!聞いたな!?下がって僕達はサポートに徹する!数人で固まって、他の所の援護に向かえ!」

「「「了解!!」」」」


ガルドからの指示が入り、三番隊が迅速に動き出す!

ガルドや、他のBランク冒険者が前線維持を手伝い、それ以外の者が中衛で遊撃に回る。


「うおおおお!」

「ふんぬうう!!なんのこれしきいい!!」」

「隙だらけだ。」


グサっ!


「ぐうう!」

「死ねえ!」

「させるかああ!」


シュッン!キイイイン!!


「大丈夫ですか!?」

「ああ、助かったぞ!少年!!」

「あなたはすぐに引いて、回復を受けて来て下さいここは僕が受け持ちます!」

「ああ!助かる!すぐに戻ってくるぞ!」



ふう。

今の人は危なかったな。

俺がもう少し助けに入るのが遅かったら、死んでいた。

元々数が少ないのに、これ以上戦える人間が減るのはまずい。

効率は悪いが、一度後ろまで下がって、治療を受けてから、もう一回持ち場まで戻ってきてもらうしか無い。

あの人は腹を深く刺されていたし、少し時間が掛かるかもな。

それまで俺が耐えなければ!


「ふっ!くっ!おらあああ!!」

「その程度かああ!」


くそっ!

こいつら、本当にやり難いな。

強さだけで言えば、圧倒的に俺の方が上だと言うのに、異常なまでの精神力に気負けしてしまう。

何処をどれだけ斬っても、命が途絶えるまで、こちの命を狙い続けてくる。


「ちっ!多すぎっ!」


そんな奴らが、絶え間なく襲ってくる。

時には2人、時には3人、時にはそれ以上の数で。

複数対一なんてザラにある。

というか殆どがそれだ。

このままずっと戦い続ける事なんて出来ない!

体力が無くなって、いずれ負ける。

どうすれば・・・


絶望的な状況に、ただがむしゃらに抗う事しか出来ない。

絶え間なく魔法がうち続けられ、大きな音が響いている中で、開戦の合図と似たような、大爆発が起きる!


ドゴオオオオオオオン!!


「うお!デカイな!」

「なんちゅう威力だよ!」


周りの冒険者達が口々に、先程の魔法の事を呟く。

そん中、ブラッドヴァルドの軍が異様な行動を取る。


「ん?逃がすか!おらあ!どうだ見たか!!・・・え?は?何してんだこいつら?」

「どういう状況だ?」


ブラッドヴァルドの軍が一斉に退却していく!

奥まで入っていた仲間達も見捨て、森の中へと走って行く!


「何だ?何が起きているんだ?」



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