開戦③
「三番隊!もう少し下がれ!!前に出すぎだ!」
1人の兵士が声を掛けてくる。
最前線で軍の指揮を執っている人だ。
「お前達が前に出過ぎると、前線を抜けた奴らの対処が厳しくなる!もう少し下がって、後衛と前線のサポートに回れ!!」
「分かりました!皆!聞いたな!?下がって僕達はサポートに徹する!数人で固まって、他の所の援護に向かえ!」
「「「了解!!」」」」
ガルドからの指示が入り、三番隊が迅速に動き出す!
ガルドや、他のBランク冒険者が前線維持を手伝い、それ以外の者が中衛で遊撃に回る。
「うおおおお!」
「ふんぬうう!!なんのこれしきいい!!」」
「隙だらけだ。」
グサっ!
「ぐうう!」
「死ねえ!」
「させるかああ!」
シュッン!キイイイン!!
「大丈夫ですか!?」
「ああ、助かったぞ!少年!!」
「あなたはすぐに引いて、回復を受けて来て下さいここは僕が受け持ちます!」
「ああ!助かる!すぐに戻ってくるぞ!」
ふう。
今の人は危なかったな。
俺がもう少し助けに入るのが遅かったら、死んでいた。
元々数が少ないのに、これ以上戦える人間が減るのはまずい。
効率は悪いが、一度後ろまで下がって、治療を受けてから、もう一回持ち場まで戻ってきてもらうしか無い。
あの人は腹を深く刺されていたし、少し時間が掛かるかもな。
それまで俺が耐えなければ!
「ふっ!くっ!おらあああ!!」
「その程度かああ!」
くそっ!
こいつら、本当にやり難いな。
強さだけで言えば、圧倒的に俺の方が上だと言うのに、異常なまでの精神力に気負けしてしまう。
何処をどれだけ斬っても、命が途絶えるまで、こちの命を狙い続けてくる。
「ちっ!多すぎっ!」
そんな奴らが、絶え間なく襲ってくる。
時には2人、時には3人、時にはそれ以上の数で。
複数対一なんてザラにある。
というか殆どがそれだ。
このままずっと戦い続ける事なんて出来ない!
体力が無くなって、いずれ負ける。
どうすれば・・・
絶望的な状況に、ただがむしゃらに抗う事しか出来ない。
絶え間なく魔法がうち続けられ、大きな音が響いている中で、開戦の合図と似たような、大爆発が起きる!
ドゴオオオオオオオン!!
「うお!デカイな!」
「なんちゅう威力だよ!」
周りの冒険者達が口々に、先程の魔法の事を呟く。
そん中、ブラッドヴァルドの軍が異様な行動を取る。
「ん?逃がすか!おらあ!どうだ見たか!!・・・え?は?何してんだこいつら?」
「どういう状況だ?」
ブラッドヴァルドの軍が一斉に退却していく!
奥まで入っていた仲間達も見捨て、森の中へと走って行く!
「何だ?何が起きているんだ?」




