開戦①
「「「うおおおおおお!!!」」」
森の奥から、数え切れない程のブラッドヴァルドの軍が現れる。
「来るぞ!囲まれないように複数人で固まって戦え!」
「「「おう!」」」
最前線。
冒険者達を、クラウスが率いる。
「危なくなったらすぐに引け!」
今回はグリスヴァルド側が圧倒的に不利!
迎撃戦とはいえ、数の差が大きすぎる。
黒鋼騎士団だけではなく、多くの冒険者や兵も居ない状況!
これ以上数が減れば、守れなくなる!
負傷すれば引いて、後衛組の所で回復、もう一度戦線に戻る。
戦力が集まるまで、これを繰り返す!
「ふっ!」
「ぐああああ!!」
それにしても、数が多いな。
今回アレスとは一緒じゃないから、心配だ。
出来ればアレスにはこの戦争に参加して欲しくなかったが、アルツ村を攻められた事で、あいつ自身が思うよりも、結構殺気立っていた。
相当リダさんの孫と仲良くなって、アルツ村を気に入っていたようだ。
「ぐっ!!」
「おらああ!死ねええ!!」
キイイン!!ザシュッ!
「大丈夫か!?」
「く、クラウスさん!助かりました!」
斬って斬って斬りまくって、どれだけ斬っても敵の勢いが衰えることが無い。
黒鋼騎士団、早く戻ってきてくれよ・・・・・・
ーーーーーーーー
「始まったか。」
最前線、クラウス達がいる場所で戦闘が始まった。
数え切れない程の剣戟と雄叫び、悲鳴などが飛び交う。
「死ねええ!!」
「させるか!」
「ぐっ!そんなものかああ!!!」
「ふっ!!」
グリスヴァルド側は数が少ない分、穴が多く、クラウス達がいる最前線を、抜けてくる敵が多い。
そういう奴を処理するのが冒険者組の役目。
クラウス率いる一番隊以外は基本遊撃に回っている。
対人戦は基本的に冒険者よりも兵士の方が慣れているからだ。
「う、うわああああ!!!」
「殺れ!殺れええ!!」
「周りこめ!」
「ぐふっ!・・・うっ。」
「囲まれるなよ!負傷したらすぐに引け!」
乱戦だ。
こちら側は辛うじて陣形を保てているが、ブラッドヴァルド側にそんなものは無いようだ。
ブラッドヴァルドには、大きな目標の為の戦略はあれど、作戦なんてものは存在しない。
ただひたすらに、正面から突っ込み、相手を殺していく。
足が無くなれば這ってでも、腕が無くなれば噛み付いてでも、仲間が死ねば、その死体を使ってでも、奴らは殺しに掛かってくる。
それも、大抵の人間は楽しそうに戦っている。
正直、イカれてるとしか思えない。
そんな奴が、大勢居るんだから、恐怖でしかない。
息の根が完全に止まるまで、油断は出来ない。
どんな方法を使ってでも、こいつらは自分達を狙っている。
何時だったか、クラウスが言っていた「ブラッドヴァルドは戦闘狂が多い」と。
その時は本当にそんなやついるのか?
みたいな感じで疑っていたが・・・実際に目の当たりにすると、戦闘狂としか言えない位、やばい連中だ。
「ぐるああああ!!」
「うおっ!っぶねえ!」
ダメだ!
こんな所で考え事なんてしない方がいいな!
馬鹿すぎた。
「ふっ!アレス君!油断しないでね!」
「は、はい!ありがとうございます!」
ふう。
間一髪ガルドさんが助けてくれた。
まだ始まったばかりだってのに、全然集中出来てない。
相手の数も減ってないし、勢いも衰えない。
「これは・・・長くなりそうだな。」




