戦争準備…①
「アルツ村がブラッドヴァルドに攻め入られました!!ギルドはすぐに緊急クエストを発令して下さい!!!」
「「「「・・・・・・は?」」」」
冒険者も、ギルドの職員も、皆一様にポカンとしている。
こいつは何を言ってるんだと。
どこかに頭でもぶつけたのか?と言わんばかりの顔だ。
今の話は本当か?
アルツ村が?ブラッドヴァルドに?攻められたのか?
何で、どうして、意味がわからない。
急になんで・・・
カンカンカン!!!
街にある鐘が、大音量で鳴り響く!!
その音を聞き、長い間この街で暮らしていたギルド職員や冒険者達はすぐに顔を強張らせる。
「只今より、緊急クエストを発令する!!」
ギルドの奥から見たことの無い人が現れて、すぐにクエストを発令させ、この場にいるものに、指示を下す。
「この場にいる冒険者はすぐに領主の館に行き、軍の指揮下に入れ!ギルドの職員は住民の避難を優先しろ!」
「アレス、行くぞ。」
「あ、ああ。」
クラウスに連れられ、すぐにギルドを出る。
このまますぐに領主の館に向かうのだろうか。
「アレス。お前は戦争に参加しなくてもいい。」
「え?」
「お前も街の防衛でもしとけ。」
「急にどうしたんだよ。防衛かどうか軍が決めるんじゃないのか?」
「冒険者は基本前線に駆り出される。しかも今回は兵も少ない上に、最大戦力の黒鋼騎士団もいない。最前線に行く可能性が高い。だからお前は・・・」
「クラウス!・・・俺だってもう冒険者だ!Cランクのな。逃げるわけには行かないだろ。」
「アレス、今回はパールの時とは違う。規模も、強さも違う。ブラッドヴァルドの正規軍が攻めてくるんだ。そんな死地にお前を連れて行くわけには行かない。」
クラウスが俺の心配をしてくれている事は、痛いほどに分かる。
実際、俺だって本当は戦争になんか参加したくない。
けど、ダンジョンブレイクに人員を割かれている今、この街を守りきるには1人でも多くの戦える人間が必要なはずだ。
この街はもう俺の大切な所だ。
失いたくなんて無い。
それに・・・
「アルツ村が攻めらてるんだ・・・あそこにはリダさんや、アルト達、仲良くなった人達が居るんだぞ!そいつらが戦ってるのに、俺だけ戦わないなんて出来ない!」
「・・・・・・」
そうだ、アルツ村が攻められてるんだ。
アルツ村はまだ持ち堪えているだろうか。
アリサやアルト、リダさん、あの冒険者達は大丈夫だろうか?
「そうか。覚悟が出来てるならいい。すぐに領主の館に向かうぞ。」
「ああ!」
俺達は慌てて家から出てきて、避難する住民を横目に全速力で目的地へと向かった。




