またな
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陰牙熊の群れと戦ってから4日が経った。
明日の朝にはグリスヴァルドに戻る予定だ。
あの日以降はクエストに行っても特に問題もなく、順調に今日まで日々を過ごしていた。
中々に楽しい時間だった。
初めてアリサ達と会った時は、結構は嫌われてたのに、今では大分認められたようだ。
懐かれた分、別れが寂しくなるな。
明日の早朝にここを発つし、今日はあいつらに挨拶して、休もう。
「クラウス、準備出来たぞ。」
「じゃあ行こうか。」
今からクラウスと共にリダさんに挨拶に行く。
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「もう帰っちゃうの!?」
「兄貴、たまにはここにも来てね・・・」
「ああ、また来るよ。だからアリサもアルトも、そんな泣きそうな顔するな。」
「本当に!絶対に会いに来るのよ!わ、私からそっち行ってあげてもいいけどね!」
「兄貴!俺も立派な冒険者になって、グリスヴァルドに行けるよう頑張るよ!!」
「ああ、ありがとな。頑張れよ。」
またこの子達と一緒に冒険に行こう。
グリスヴァルドからアルツ村は、3日あれば辿り着ける距離だし、永遠の別れってわけじゃない。
また絶対に会いに行こう。
「アレス君、この子達の面倒を見てくれて、本当にありがとうね。」
「いえいえ。最初は苦戦しましたが、とても良い子達でしたよ。仲良く出来ましたしね。」
「そうじゃの、あの子達があんなに懐く人は珍しいからのお。本当にありがとうね。」
「はい。」
「クラウスさんも、お弟子さんを貸してくれて助かりました。」
「お気になさらないで下さい。どうせアレスは1人でもクエスト行ってただけでしょうし、こいつが楽しそうにしてるのは見てるこっちも安心しました。」
「そう言ってくれると助かるのお。明日には出るんじゃろう?」
「はい。早朝にここを発つので、そろそろ戻りますね。」
「そうか。気をつけて帰るんじゃよ。」
「ありがとうございます。では。」
「じゃあな〜。」
「アレス!絶対にまた会おうね!」
「兄貴!また一緒にクエストに行きましょうね!!」
この村では中々良い経験が出来たな。
やはり人と関わるってのは良いものだ。
嫌なことも多いだろうが、嬉しい事や楽しい事もあるからな。
「アレス、先に戻ってろ。俺は他にも挨拶に行かねえと。」
「分かった。」
とはいえ、知り合いが多すぎるのも考えものだな。
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「準備は良いな!?出発するぞおおお!!!」
帰りは俺も馬車に乗って移動する事を許可してくれた(もちろんクラウスが)。
帰りも勿論2泊3日だが、特に何もなくグリスヴァルドに着いた。




