もう終わりました①
タタタタタタタ。
森の中を軽快に走っていく。
森を走るのも、もう慣れたものだな。
最初の方はすぐに転けそうになったり、ビビって全力で走れなかったから、成長したもんだな。
「おい!急げ!早く行くぞ!!」
「後続!遅れるなよ!!」
「??なんだ?」
人の話声が聞こえる。
なんか慌ててるな。
そんなに急いで何処に行くんだ?
「耐えていてくれ!」
「なんとか間に合ってくれよ!」
「急げ急げ!!」
「陰牙熊相手だ・・・もしかしたら、もう・・・・・・」
「おい!そんな事言うな!」
「・・・ああ、そうだよな。急がないと!」
陰牙熊?
あの群れの事か?
・・・もしかしてアリサとアルトか?
あの二人が救援を呼んだのか?
「やれやれ。」
要らないって言ったはずなんだんがなあ。
まあ、あいつらも俺を心配してくれてたって事か。
それは嬉しい事だが・・・
「ちょっとすいません!」
「ん?君!この辺じゃ見ない顔だな!ここは危ないからすぐに向こうにある村に逃げな!」
「早く離れた方がいいぞ!!」
「あ、いや陰牙熊の事話してましたよね?もしかして、子供達から依頼されましたか!?」
「そうだ!そいつの群れが出たらしい!子供たちが襲われて、救援に向かってるんだ!だから君もここからすぐに離れ」
「あ、いやその陰牙熊の群れ、俺が討伐しました!」
「「「「は??????」」」」
全員がぽかんっとした顔をしている。
森でいきなり話しかけてきた見慣れない奴が、そんな事言ってきたら驚きもするか。
「今、なんて・・・?」
「あ、その子供たちって村長の孫さん達ですよね?その子達と一緒に居て陰牙熊の群れに襲われたので、先に逃がしたんです。助けは呼ばなくて良いって言ったんですが・・・」
「ほ、本当に倒したの?君が1人で?」
「はい。」
「・・・・・・ごくんっ。ちょ、ちょっと待って!」
「あ、はい。」
何やら話し合いを始めたようだ。
少し待つか。
・・・・・・。
それにしても、結構な人数で来てるんだな。
10人位いるな。
こんなに沢山来るとは思わなかったな。
「・・・そうだな。そうするか・・・・・・君、名前は?」
お、話し合いは終わったか。
「アレスです。」
「アレス、疲れているだろう所悪いが、君が陰牙熊を討伐した場所まで連れて行ってくれないか?」
「分かりました。付いてきてください。」
「ああ、分かった。皆!進むぞ!!」
やはりそうなるか。
証明するにはそれが1番手っ取り早いし、いいか。
増援が来てるって事は、アリサ達が無事に村にまで辿り着けたって事だし、それが分かれば多少遅れても良いだろう。
そこまで疲れてないしな。
「着きました。ここです。」
「ここか・・・・・・」




