子守りーーー獣狩り②
キィイイイン!!
「きゃっ!」
咄嗟に剣を抜き、アリサの目前まで迫っていた獣の攻撃を受け流す!
「アリサ、アルト!!!逃げろ!!」
一瞬の出来事に驚き、硬直しているアルトと尻もちをついているアリサに指示を出す!!!
目の前に1匹。
しかし、さっき聞こえた咆哮は、確実に1匹だけではなかった。
倒し切るだけなら、俺1人でも時間をかければ倒せる。
「アレス!後ろに回られてる!!どうしよう!!」
ガサガサ、ガサガサ。
全方位から陰牙熊達が出てくる。
くそっ!囲まれたか!
全部で10匹くらいか。
2人を守りながらこの数を捌き切れるか?
「俺が道を開けるから、そこから逃げろ。いいな?」
「分かった。で、でもアレスは?」
「俺は良い。お前らが逃げれればこいつらは俺が何とかする。増援も要らん。」
「で、でも!」
「良いから行くぞ!付いてこい!」
この子達させ逃がせれば、陰牙熊を倒すのは俺1人でも行ける。
囲まれた状態で守るのがキツイだけだからな。
それに、増援を呼んでも、到着した時には全部終わってるだろうし、わざわざ呼ぶ必要もない。
さっさと道を開けて、こいつらを逃がす。
「ふっ!」
村への進行方向上に居る陰牙熊は2体。
そいつらに向かって一気に加速する!
グアアアアア!!!
大きく腕を振り上げ、敵を凪払おうとする。
「当たらねえよ!」
ブオオオオンっと当たれば一溜りもない腕が、俺の頭上を通る。
当たる直前に一気に姿勢を低くし、そのままの速度のまま、陰牙熊の足に斬りかかる!
シュン!!
グギャアアアアアア!!!
陰牙熊の右脚が胴体から切断される!
「思ってたよりも簡単に切れるな!」
勢いをさらに加速させ、奥にいるもう1匹を狙う!
こいつは一気に畳み掛ける!!
「おらあああ!」
グオオオオオオオ!!!
力じゃ絶対に勝てない!
こいつの虚をつけ!!
ブン!!ブン!!
「ふっ!!」
突進しながら振るっていた腕を踏み、高く跳躍しながら陰牙熊の頭に一閃を入れる!!
ボトッと頭がずれ落ちる。
剣が頭に届けさえすれば簡単に殺せる!
「走れ!!!」
今なら簡単に逃げられる!
この子達さえ安全に逃げられれば後は・・・・・・
「でも、アレスは、」
「姉様はやく!!アレスは大丈夫だよ!!」
「俺のことは気にするな!」
アリサが少し心配そうに俺を振り向くが、すかさずアルトが腕を引っ張ってアリサを連れて走っていく!
グオオオオオ!!
陰牙熊がアリサ達を逃がすまいと咆哮し、駆け出す!
「そっちには行かさねえよ!!」
ドゴオオン!!!
横から思いっきり陰牙熊に蹴りを入れる!!
グルルルル!!
よし、全員の注意が俺に向いたな。
これであいつらは逃げられるだろう。
「さて、狩りの時間だ。」
縛りは無くなった!
もうあの子達を心配する必要はない。
すぐに終わらせる!




