この後は・・・・①
「アレス、助かったぜ!ありがとな!」
「いえいえ、グレンさんが居なかったら前線が崩壊して挟撃される所でした。こちらこそ助かりました。」
「おうよ!」
さて、ようやく戦闘が終わったか。
クラウスがあの気味の悪い男を殺したら、他の奴らはすぐに逃げていったな。
トップが負けたから逃げたのか・・・・・単純にもう無理だと悟ったか・・・・どちらにせよ、戦いが終わって良かった。
この後はどうするんだろうか?
今日は疲れたし、休みたいな。
アルツ村へ行くのは、また明日からで良い・・・・・っていうか明日からがいい(願望)。
「アレス、大丈夫だったか?」
「ん?ああ、大丈夫だったよ。なんとか生き残れた。」
「そうか。良かった。」
「クラウス。この後はどうするんだ?」
「さあな。今回の総指揮権はブライドが持っているし、まだ何も言われてないから、まだなんとも。」
「そういえばそうだったな。」
何時もの癖でクラウスに聞いてしまったが、今回の俺達のリーダーはブライドだったな。
クラウスには決定権ないだろうし、聞いてもあまり意味ないか?
「アレス。・・・・・その、血とか・・・大丈夫か?人を殺した訳だが・・・・」
「あ・・・・」
クラウスが心配するように聞いてくる。
・・・・そうか・・・・俺はこの手で人を殺したのか・・・・・咄嗟の出来事だったから、とりあえず負けない事だけを考えていた。
・・・今更になって、手が震える。
そうか・・・・俺は、人を・・・・・・
いや、仲間を守る為に・・・・自分を守る為にやったんだ。
相手もこっちを殺そうとしていた。
殺らなきゃ殺られる・・・・・そういう世界なんだと、直感で感じてしまったのだろうか。
もし、自分が甘えて敵を殺さなかったら、そいつが自分を・・・仲間を殺してしまうかもしれない。
・・・・・俺は、そっちの方が嫌だ。
だから、もう悩むな。
相手は盗賊団。
犯罪者集団だ。
何も・・・気にする事は、ない・・・はずだ。
「アレス。あまり気を負いすぎるなよ。冒険者を続けてたら、またこういう場面は絶対に遭遇するだろう。人を殺す事に慣れろとは言わん。けど、何が大切かだけは見失うなよ。お前の判断で死ぬやつが出るかもしれないからな。」
「ああ、・・・・・肝に銘じておく。」
そうだ。
大切なのは犯罪者や敵よりも、自分や仲間の命だ。
そこをしっかりと分かっておかなければ・・・・・
「クラウスさん助かりました!!!あの男・・・パールとやらを倒してくれてありがとうございます!!!」
「ああ。ブライドこそ、よく耐えてくれた。」
「それはパールが遊んでいたからです!!!いやはや、運が良かった!!!アレスも、助かったぞ!!!」
「はい。こちらこそ!」
ブライドが感謝を伝えに来てくれた。
・・・・全身傷だらけだな。
ブライド相手にここまで負傷させられるって・・・・パールとやら、もしや結構強いのでは?
まあ、クラウスには完敗したっぽいけど・・・・クラウスは例外だな。
強すぎるし。
「ブライド、この後はどうするんだ?」




