商団護衛クエストーーー襲撃①
「盗賊団からの襲撃が!!ブライドさん達が相手をしてます!すぐに加勢をっ!!」
「盗賊団!?」
「は!?早く加勢に行った方が・・・」
「クラウスさん!どうすれば!!」
「・・・・」
先程の魔法の轟音に続き、盗賊団が出現したと言う報告によって、一気に混乱が加速する。
しかし、クラウスは黙ったままだ。
何か・・・・考えている。
普段のクラウスなら絶対に加勢向かうはずだ。
クラウスは仲間を見捨てることを嫌うから。
それでも加勢に行かないという事は・・・・何か理由があるのだろう。
「クラウスさん!何か指示を下さい!」
「僕は前の加勢に行きますよ!!」
「・・・待て。ここで待機だ。」
「なっ!?なんでですか!?皆が戦っているんですよ!?僕達だけ後ろで見てろって!?」
「違うな。相手は盗賊団だぞ。正面からだけ攻めてくる奴らか?」
なるほど。
クラウスがここを離れない理由は、正面以外からも敵が攻めてくる可能性があるからか。
確かに、俺達が全線に出てしまえば、最後尾にいる後衛職達の冒険者だけでは簡単に突破されるな。
・・・・・とはいえ、彼等の気持ちも分かる
本当にいるかも分からない敵を待ち続け、味方に戦闘を任せる。これがどれだけ辛いか。
もし知り合いが殺されれば尚更辛い。
「でもっ・・・・クラウスさんの言いたい事も分かりますがっ!!・・・皆が戦ってるのに何も出来ないには嫌です!僕だけでも前に行く許可をくっ・・・・」
グサッ!!ブシャアア!!!
「っ!?ぐふっ!!」
さっきまで話していた奴の胸から剣が生えている。
後ろから胸を1突きされた!!
剣が引き抜かれ、血が空を舞う。
「なにがっ!?」
誰もがこの出来事に一瞬、理解が追いつかなかった。
あまりに突然の出来事。
全員の動きが固まる。
その時 、
「「「「おらおらおらああああ!!!!!」」」」
森の茂みから沢山の武装した人間が飛び出してくる!
あいつを刺したのはこいつらかっ!!
「後ろに通すな!!守り抜け!!!」
クラウスが冒険者達に、簡潔に指示を出していく。
「魔法使いは詠唱を開始しろ!タイミングをずらして撃て!!」
「クラウスさん!こいつの血が・・・止まりません!!」
「怪我人は後だ!!今は商団を守る事に全力を出せ!!」
「っ!?くっ・・・・わかりました!」
くそっ数が多いな!
しかも、強い!
全員がCランク以上の強さがある気がする!
盗賊団ってこんなに強いのか!?
絶対に死傷者が出る・・・このままじゃっ!・・・・
チラッ
「うおおおおお!!」
「絶対に抜けさせるな!!増援はない!僕たちで守りきる!!」
「「「おおおおおお!!!!」」」
ガルド達の所も攻め込まれている!
ブライドさん達もまだ戦っているだろうし、増援は無い!
!?・・・背後で魔力が高まった!
魔法が来る!!
「下がれ!!!」
クラウスの怒号と同時に一斉に後ろに下がる!
ドオオオン!ドオオオオン!!・・・・ドゴオオオオオン!!!!
「「「ぐわああああああ!!!!」」」
爆音に続く爆音!
俺達の所以外でも魔法使われている為か、爆音が途切れる事がないんじゃないかと思う程に続いている!
・・・・でも魔法はしっかりと相手に効いているようだ!
一気に数が減った!
このまま押し切る!
「このまま押し切る!!行くぞ!!」




