ヘタレだな
「クラウスさんとアレスはどういう関係で知り合ったんですか?」
「俺とアレスの関係はな・・・あ、言わない方がいいか?」
クラウスは俺が記憶喪失したこと(実際はしてないが)を気にしてると思ってこっちを見てくる。
「クラウス、俺から言うよ。」
「ああ、その方がいい。」
ここからは、ガルド達に説明した感じと同じ事を言った。
記憶喪失してて森の向こうで目を覚まし・・・・
以下略。
「アレス、君は凄い人だね。」
「あ、アレス。お前、記憶喪失してたのか!?」
「アレス〜大丈夫?辛くない?」
「驚きました。アレスにそんな過去があったなんて・・・・・・」
皆それぞれの反応を示してくれる。
ガルド達でも経験したけど、この嘘ついた感覚はいつまで経っても、何回やっても慣れないな。
「アレスううう!!お前はこんな状況でも頑張ってるのかよ!!!良い奴過ぎるだろお!!!」
ライナーが号泣して、顔がぐちゃぐちゃだ。
・・・・こいつ多分酔ってるな。
なんでこいつもマナもこんなに酒癖悪いんだよ。
これが悪いかはあんまり知らないが。
周りの大人はあまり飲まないし。
俺の為に泣いてくれればくれるほど、心苦しくなってくるな。
「ああ、でも俺はあんまり気にしれないから。皆も気にしなくて・・・・」
「アレス、辛かったよね・・・・よしよししてあげる。」
「どさくさに紛れて頭撫でようとすんな。」
マナはいつでも油断ならないな。
・・・・ただ、心配してくれてるのは本当に伝わってくる。
「大丈夫だよ。ありがとうな。マナ。」
「そう?アレスに感謝されるってなんか不思議だね。いつもは私が感謝してばっかだし。・・・・撫でれなかったか。」
「なんか言ったか?」
「何でないよー」
後半は小声すぎて聞き取れなかったな。
まあ、マナの事だしどうせ良からぬ事だろう。
「全員腹いっぱい食えたか?」
「はい!ありがとうございました!」
「腹いっぱい食べれました!!ありがとうございました!!」
「アレスと少しでも長くいる事が出来て、とても感謝してます!!ご飯もありがとうございました!!」
「今日はありがとうございました。」
なんかマナだけ余計なことが混じっているが、まあ良いだろう。
「ああ、もう夜も遅いし気をつけて帰るんだぞ。」
「「「「はい。さよなら。」」」」
「じゃあな〜お前ら〜。」
俺達も帰路に着く。
ふう〜ようやく終わったか。
今日は疲れた。
普通に稽古するより、あいつら一緒にいた方が疲れる気がするな・・・・
「なあ、アレス。」
「ん、どうした・・・なんだその顔。」
クラウスがニヤニヤしながら俺に問いかけてくる。
「いや、マナと何か無いかな〜と思ってな。」
「何も無いよ。」
「は?嘘だろ?マナの方はお前にあんなに大好きオーラだしてる上に言葉でも伝えてるのに・・・・お前はヘタレだな。」
「うっせ。」
ちなみにこの世界での成人は基本的に15才なので、ライナー達は成人済みです。




