合同稽古③
「はあ、はあ。・・・ふうう、疲れたああ!!」
「ああ、お疲れ様、エリック。確かにしんどかったな。」
「本当に思ってんのかあ?全然息きれてないし・・・・いや何で?疲れてないのか?あのスピードで?」
「いや、流石に疲れてるよ。ただお前らより終わるのが速かったからな。休憩出来たんだよ。」
「はあ、なるほどねえ。よくこんな重い物持ってあんなスピードで・・・!?」
エリックがそんな事を言いながら俺のリュックを持とうとすると、何かに気づく。
「は!?これおっも!!どんだけ入ってんの?」
「ん?さあ。40くらいじゃない?」
「はあ。俺らの2倍?やばいな・・・・」
「そろそろ次するぞお!」
「よし、行こうか。」
「え?もう休憩終わり〜?死ぬ〜。」
「アレスはいつも通り素振りしてろ。俺はこの子たちを見るよ。」
「分かった。」
まあ、今日のメインはエリック達だし、俺は少し離れて大人しくしておこう。
「全員木剣は持った?じゃあ1人ずつ素振りをしていこうか。俺が見るよ。」
「ふっ!ふっ!」
「エリックは結構良い感じに振れてるけど、もっと腰を捻った方が力が入るぞ。」
「ありがとうございます!」
「クラウスさん!俺のも見てください!」
「いいよ、振ってみて。」
「おらあ!」
ブウウン!!
「・・・・ライナーはもう少し丁寧に振ろうか。力任せ過ぎるから・・・・」
「分かりました!!」
「じゃあマナとセラも振ってみて。」
「「はい!」」
「うりゃ!いて!」
「おりゃ!」
マナが振った剣がそのままの勢いで足にぶつかる。
「マナはもう少しゆっくりで良い。少しずつやっていこう。セラはもうちょっと力を入れてもいいかな。」
「は、はいぃぃ!ううう。」
「わかりました。」
マナが結構痛がってるな。
少し休憩させるか?
「マナ、足を冷やした方がいいんじゃないか?大丈夫か?」
「だ、大丈夫です!」
私もアレスに追いつきたい!
私が強くなれば、アレスも私に興味を持ってくれるかも知れない!
魔法だけじゃなくて、剣も使えるようになってアレスをビックリさせてやろう!
ーーーーーーー
日も暮れてきた頃。
俺はすっかり、周りの事なんて忘れてた無心に剣を振っていた。
すると、横から声が掛けられる。
「ーーレーーーレス。アレス、今日はもう終わるぞ。」
「え?あ、ああ分かった。」
全く気づかなかったな。
集中しすぎていたようだ。
周りを見るとエリック達はもう片付けに入っていた。
「俺もすぐに片付けてくる。」
「ああ、急げよ。」
クラウスに言われ、小走りで倉庫へと木剣を直しに行った。
戻ってきた時にはもう全員集合していた。
「じゃあ今日はどっかで飯食うか。俺が奢ってやるから好きなだけ食えよ。」
「え!?本当ですか!?ありがとうございます!」
「いよっしゃあ!!」
「アレス!あーんしてあげる!!」
「ありがとうございます。クラウスさん。」
「じゃあお前ら水浴びしてこい。終わったら外で集合だ。」