表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/323

エリックパーティーとクエスト②

「エリック!アレス!標的がいたぞ!」

ライナーが咄嗟にしゃがみ、相手にバレないように小さく警告する。

俺たちもライナーに続き、しゃがみ草むらに隠れる。

今回のターゲットは狼の群れだ。

グリスヴァルドの近くが襲われたらしく、クエストが出された。


「依頼内容よりも少ないな。」

「どうする?あんまり近づき過ぎるとバレるぞ。」

「気づかれる前に私の魔法で不意打ちした方が良いんじゃない?」

「私もそれがいいと思う。」

エリックパーティーの皆が話し合う。

今回俺は付いてきてはいるが見守り役みたいな役割だ。

エリックパーティーだけじゃ狼の群れを討伐するのは心配だから付いてきてくれと。

エリック自身に頼まれた。


だから、今回は極力俺は手を出さないようにする。

地上の狼はダンジョンで出てくる血牙狼ブラッドファング・ウルフよりも数段弱い。

だから俺が出ると殆ど1人で殲滅出来るから、エリックパーティーの経験にならない。

もし、誰かが死にそうになった時だけ俺は助ける事になった。


「よし、これで行こう。」

「よっしゃ!やってやるぜ!」

「アレス!ちゃんと見ててよ!」

「皆さんあまり大き声出さないで・・・」

作戦が決まったようだ。

・・・・・こういう時何を言えば良いか分からないな。

「・・・・お前ら油断するなよ。」

こいつらも初めて会った時よりかは強くなったが、狼の群れを相手にどれくらい戦えるか・・・・


「・・・・・行ってくるよ。」

「ああ、気をつけて・・・・」

エリック達の遠ざかっていく背中を見届け俺も移動する。

「いざって時に援護しやすい場所の移動するか。」

ここだと少し遠いからな。

何かあっても間に合わないだろうし。


ーーーーーーー


「マナ、魔法を頼む。」

「うん。・・・・紅蓮の炎よ。我が手に宿れ。」

魔力が高まり、周りの草木がザワザワと騒がしくなる。

「発動と同時に突っ込むよ。」

「ああ、任せろ!」

「ーー鋭き刃と化し、敵を切り裂け!!」

数匹の狼が魔力の高まりに気づく。

すぐにこちらに向かって走ってくる!

・・・しかし、もう遅い。


紅蓮の刃(クリムゾンブレード)!!」

炎をとなった刃が狼の群れに吸い込まれるように飛んでいく!

ーーー着弾。


ドゴオオン!


「うおおおおお!」

「おらあああ!」

エリックとライナーが、混乱の最中にある狼の群れへと突っ込んでいく!


「へえ結構威力が上がったな。」

1人、違う場所から見守っていたアレスはそんな呟きが漏れる。

リーナの魔法に比べればまだまだ威力はないが、最初の頃に比べれば強くなったし、地上の魔物にはこれくらいでも十分だろう。

リーナとセラは場所を変えてもう一度詠唱している。


悪くない作戦だと思う。

セラは回復魔法専門だし、この人数だと守るのも難しいだろうし、隠しておくのはいい判断だと思う。

ただし、前衛離れすぎるのも良くない。

エリックパーティーの後衛2人はガルドパーティーのは後衛とは違い、近接戦闘ができない。

もし一匹でも後ろに抜ければ・・・・後ろから挟まれればすぐにやられるだろう。



ドゴオオン!!

またもマナの魔法が炸裂する!

「あと少しだ!行ける!!」

「うおおおおらあああ!!!」

エリックとライナーも頑張ってるな。

負傷しても直ぐに隠れているセラからの回復のお陰で、しっかりと動けている。

この調子なら、勝てそうだな。


ワオオオオオオオオン!!!!!

「!?なんだ!?」

目の前の狼達からじゃない!

・・・・これは・・・・後ろ!?

「エリック!ライナー!後ろから狼が来てる!この群れより多い!!!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ