エリックパーティー③
「アレスさん!こんばんは!」
「こんばんは。アレスで良いですよ。歳も殆ど変わらないですし。敬語も大丈夫です。」
「分かりました!じゃあ自分はエリックと呼んでください!お互い敬語は無しでいきましょう!」
「了解。それじゃあ他の人は・・・・」
エリックは俺と身長があまり変わらないな。
俺が176cmくらいだから、エリックもそれくらいかな。
初めて会った時は装備を着てたから分からなかったが、結構細いな。
「俺はライナーだ!今日は助けてくれてありがとな!沢山食ってくれ!」
で、このデカイのがライナーね。
ブライドさんよりはちっちゃいけど、俺やエリックに比べればデカイ。
180ちょいくらいはあるかもな。
金髪の筋肉質な体だ。
少し小さくなったグレンさんみたいだ。
「ああ、よろしくライナー。」
「私はセラです。よろしくお願いします。」
おっ茶髪!
この世界は黒色の髪すくないからな。
近い色もそこまで多くないし、結構珍しいな。
・・・・まあ俺が見てないだけで案外居るかもしれないが・・・・
「よろしく、セラ。」
「マナです。先程はた、助けて下さりあ、ありがとうござい、ます。」
彼女は俺が助けた子だな。
顔が赤いが、熱でもあるのだろうか?
少し心配だ。
話し方もおかしいし。
あんまり長居しないようしようか。
「マナね。よろしく。」
「は、はい。・・・・」
俯いてしまった。
どうしたんだろうか?
やはり具合がわるいんだろうか・・・・
「どうしたんだマナ?何時もよりも元気がないじゃないか?・・・・!?・・・もしかして・・」
エリックがマナを心配して声をかける。
やっぱり具合が悪いのか。
・・・・気を使って帰るべきか。
「アレス!何を食うんだ?!ちなみに俺のオススメはフェザースープシチューだ!」
おっと、飯の事を言われたら、来たばりなのにすぐに帰るって言い難いな。
彼らも全員で奢るって言ってくれた訳だし。
恩をずっと長い間返せないのは気持ち的に苦しいからな。
俺もわかるよその気持ち。
・・・・俺はクラウスに恩を返せる時がくるかな・・・・
「俺もフェザースープシチューは大好きだ。ライナーもか?」
「ああ!うめえよな!フェザースープシチューはこの酒場が1番うめえ!」
「そうなんだな。俺はここでし食ったことないな。」
まあ外食はギルド併設の酒場でしか食わないし、そもそも外食自体が少ないからな。
「そうなのか!?他の所と食べ比べするのもいいぞ!フェザースープシチュー以外にも美味い食べ物が沢山あるからな!」
「それはありだな。」
今度クラウスと行ってみようかな。
最近はお金も自分で稼げるようになったし、クラウスに奢ってやりたいな。
ーーーーーーー
「そういえば、アレスは何であの森に居たんですか?」
エリックが尋ねてくる。
敬語が抜けてないが、まあこれくらいなら良いか。
・・・・・敬語で話されるとむず痒いんだよな。
・・・・慣れないから。
「俺はクエストであの森に行ってたんだけど、その時に戦ってる音がしたんだ。そこに向かったらエリック達がいたんだ。」
「そういう事だったんだね。・・・・ちなみにクエストは何だったの?」
「大牛魔獣の討伐だよ。」
「大牛魔獣!?それを1人で倒したのかい?・・・・もしかしてアレスってCランク以上ある?」
「俺も気になるな!アレスは無茶苦茶強かったからな!」
「あ 、アレスは絶対にCランク以上あるよ!あんなに強いんだもん。」
「あんなに強いですし最低でもCランクはありそうですね。」
エリックよ。
俺はCランクもないぞ。
ライナー、マナ、ごめん。
お前らの期待よりも大分低いよ。
セラ、最低とか言われたらEランクと言い難いじゃないか。
「あ〜・・・・Eランクだ。」
そんなものかと失望されるか?
まあ、それでもいい。
それならすぐに帰るし。
もう関わることもないだろうし金を置いてすぐに逃げよう・・・・
「Eランク!?それであんなに強いのか!?」
「E!?俺らと一緒なのになんでそんなに強いんだよ!」
「え、E?本当に?あの実力で?」
皆が困惑してる。
けど、嫌な感じではないか。
嫌われては無いみたいだな。
「お前らもEランクのなのか?」
「そ、そうだよ。アレスに比べると物凄く弱いけどね。」
「そんなことは無い。お前たちはあの状況でも諦めることは無かったんだ。お前らが抵抗して、生き延びていたから、俺が間に合ったんだ。」
「・・・・・そう、か。ありがとう。アレス。」
「アレスみたいな強いやつにそんな事言われると嬉しいな!」
「優しいですね。アレスさんは。」
セラは厳しいことを言ってくるな。
別に本心なんだがな。
まあ今日はこのくらいにしておこうかな。
飯も食べ終わったし、そろそろ帰ろうかな。
「それじゃっ俺はそろそろ帰るよ。」
「あ、もう帰っちゃうのかい?」
「ああ、もう寝る時間だからな。」
「健康だね。」
「そうだろ?」
「そうだね。・・・・じゃあ、また。」
「ああ、じゃあな。」
エリックと短く挨拶を交わし、席を立ち、すぐに離れる。
「「「「アレス。今日はありがとう!!!」」」」
今日は色々あったな。
ぐっすり眠れそうだ。




