ダンジョンからの帰還
「街だ・・・・」
嬉しさと安堵で、つい呟きが漏れてしまった。
ようやく・・・・街が見えてきた。
もう太陽も下がって、周りは暗くなり始めてる。
7階層から上がって外に出た時にはもう日が落ち始めていたから仕方ないか。
「アレス、ようやく家に帰れるな。」
「ああ。ようやく帰れる・・・・」
今回のダンジョン攻略で死にかけたからこそ、この街に帰ってこれた嬉しさが、安心が、心の奥底から込み上げてくる。
「・・・・アレス君。それに皆、今回はごめんね。僕の判断のせいで、危うく全滅するところだった。・・・・いや、たまたまブライドさんのパーティーが居なければ確実に全滅していた・・・・責任を取って、俺はもう冒険者を辞めようt・・・」
「何言ってんのよ!」
ドンっ!
リーナがガルドに体をぶつける。
「そんな事いちいち気にしなくても良いのよ!確かに死にかけたし、もう無理だって何回も終わったわ。けど、運でも何でも、私達は生き残ったのよ!なら良いのよ!!」
「そうだぞガルド。俺たちは誰1人失うこと無く生き残ったんだ。なら次は負けないように鍛えればいい。だろ?」
「そう。ガルドは気にしなくていい。実力の足りなかった私達のせいでもある。」
リーナが、グレンが、カナが、それぞれがガルドに対して慰めの言葉をかける。
「そうだぞ、ガルド。反省するのは大事だが、深く考え込みすぎるの良くないと思うぞ。それに今回は普通の異常事態も起こった。あの数のモンスターだけでも十分普段とは違う。その上で焔龍まで来たんだからな。」
「そう・・・ですか。・・・・ありがとうございます。クラウスさん。皆も、ありがとう。」
「どういたしまして!」
「俺がもっと強くなってこんな事はもう起こさせねえから安心しろよ!」
「そう。グレンが頑張ってくれる。私とリーナも。」
皆が笑顔でガルドに話しかける。
それを見て、ガルドにも少しだけ、笑顔が戻る。
「アレス君も、今回が初めてのダンジョン攻略だったのにこんな事に巻き込んでしまって、申し訳ない。」
「気にしないでください。俺も皆と同意見です。がルドさんは、自分を責めすぎないで大切に扱ってください。」
ガルドは・・・・俺が思っていたよりも深く今回の事に対して責任を感じていたんだな。
今回のダンジョン攻略で俺も死にかけたが、ガルドに対して恨みの考えや文句なんて、一度も思いもしなかった。
それに、ガルドさん達が熟練のパーティーだってクラウスに聞いてた上に、俺の中では最強のクラウス自身も居た。
全員が俺よりも強い人だ。
そんな人達が一言も責める事なく、文句も言ってないんだ。
そんな中で1番のぺーぺーの俺だけが何か言うのもおかしいし、嫌われそうだしな。
ガルド達とはこれからも仲良くやっていきたいからな。
「よし、じゃあ街に着いたし今からどっか食いに行くか?」
「俺フェザースープシチュー食いたい。」
「良いわね!なら酒場に行きましょう!」
「酒場の肉全部食い尽くしてやるぜ!!」
「グレン、食べ過ぎは良くない。」
ようやく、街に帰ってこれたな・・・・
ダンジョンから帰還!!!




