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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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参戦①

「アリサ! 1人で突っ込みすぎ! もう少し後退して!!」

「わかったわ!」


陽動組は未だに乱戦が続いていた。

既にアリサ達がいる戦線以外は壊滅し、鎮圧され、残った革命軍側は捕縛されている。

各戦線からの援軍がヴァルデスの屋敷とアリサ達のいる方面に増援に向かい、苦戦を強いられている。

時間が経つにつれ、革命軍側の減っていく数が加速していく。


「う、うわああ!!」

「ぐああ! くそがっ! しねええ!!」

「ライオットさん危ない!」


ライオットがシャベルで敵兵を殴り、斬り返されそうになったところをアルトが助ける。

もはやこの混乱の中ではライオットの指示など通らないし、そもそも戦闘経験のあまりないライオットは他よりマシというだけで、正確な指示なんて出せない。

だから彼も戦闘に参加している。


「なんか増えてない!? これ以上はもう保たないよ!」

「弱音なんて言っても意味ないわ! 気合よ! アレスも頑張ってるんだから!」

「気合いでどうにか出来る問題じゃないって!!」

「他グループが負けたのでしょう。恐らくそこからの増援です!」


アルトとアリサが大声で話しながら、ライオットが何故敵兵が増えているかの予想を言う。


「はぁ、はぁ。これ以上は・・・・・・」


大雨が降る中で水を吸って重くなった衣服や装備のせいで動きが鈍く、疲れからも少しずつ動きにキレがなくなってくる。

現状ですら少しずつ数が減って押されている状況で、アルトとアリサが崩れれば、一気にこの戦線は崩壊する。

アリサが先程叫んだ様に、2人は気合いで踏ん張っていた。

命を賭けた対人戦が初めての2人にとって、今回の多くの命を背負って主力となるのはあまりに荷が重い。

しかし、反撃に出る体力、戦力も既にない彼らはアレス達を信じて、ただ耐えることしか出来なかった。


「はあああ!」

「ぐっ! 冒険者が! そいつらを助けて何になる! 同時にヴァルデス様の屋敷を攻めている様だが、無意味だった! あっちには化け物がいる! 冒険者如きでは止められる物じゃねえ!」

「うるっさいわね!」

「ぐあああ!」


アリサは喚く敵兵を斬り、動かなくなったのを確認し一息つく。

呼吸は荒く、体も重い。

自身の体力の限界が近づいているのが分かる。

周りを見渡す。


増援は止まったが、まだまだ敵兵の数は多い。

勢いを止められない。

しかし、よくこれだけの戦闘を生業とした軍勢を、殆ど戦闘経験のない人達で集められたこの集団で長時間粘った物だ。

しかし、まだ気は抜けない!

奇襲組はまだヴァルデスを殺していない。

何度かヴァルデスの屋敷の方角から爆発音が聞こえる。

アレスの言っていたSランクの魔法使いの仕業だろう。

決着がつくまで耐えなければ・・・・・・


「後ろがガラ空きだぜえ!」

「あっ・・・」


前に出過ぎた!

まずい!

目の前にも敵が居る、後ろからも声が聞こえる!

後ろから心臓を一突きされるか首を斬られれば死ぬ!


目の前の敵はまだ攻撃態勢に入っていない!

後ろに振り返り、一撃喰らう覚悟で殺す!


バッと後ろに振り返ると、相手の剣はアリサの背中を突き刺す直前だった。


「っ!?」


しかし、その刃が届く事はなかった。


「うおらあああ!!」


相手は長槍で胸を貫かれて、剣を落とした。


「グレン!!」

「危ないよ!」


そう言って背後から聞こえるのはガルドの声だ。

振り返ると、先程アリサが対峙していた敵をガルドが斬り伏せていた。


「ガルド! どうしてここに!? オルディアに行ったんじゃ!?」

「アリサ! 話はまた後にしよう! 今はこっちを片付けるよ!」

「アリサお前は後ろに下がってろ! あいつらと固まって動いてろ!」


そう言ってグレンはアルトやライオットの方を指差し、アリサもそっちへ行けと促す。


「わ、分かったわ! 助かったわ!」


「さて、戻ってきたからには全力でやらないとね」

「当たり前だ。ちゃっちゃとこいつら片付けて、アレスんとこ行くぜ!」


Bランクパーティー、鉄の牙(アイアンファング)参戦。

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