表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

286/326

作戦実行ーーー陽動組②

「なんだあの爆発!?」

「お、おい何だよあれ!?」

「あの方向・・・・・・ヴァルデス様の屋敷じゃ・・・?」

「お、おいおいまさか襲撃されてるんじゃ」


鎮圧隊の中で混乱が広がっていく。

各所で暴動が起こり、多くの兵が屋敷を離れた直後に、屋敷付近上空での大爆発。

混乱しない訳がない。

それに乗じて、陽動組は鎮圧隊を押し返す!


「負けるなー!」

「我々の底力を見せつけてやれー!」


各屋敷は今や乱戦となっていた。

敵味方が入り組み、もはや鎮圧隊には指揮官の声が届いていなかった。


「フィルド様からの合図! 魔石を魔道具に突っ込んで屋敷内へ投げ捨てろ!」


ライオットの指示に、照明の為に持ってきていた魔道具の中に、フィルド達から貰った魔石を突っ込み、屋敷の中へ投げ捨てる。

落下し、数秒後、魔道具は特別大きな光を放ち、限界に達すと同時に大爆発を引き起こす!


魔道具は便利な一方、こう言った危険な使い道もある。

魔道具は内部に魔力を貯蔵・変換・放出できる器具がある。

瞬間的に許容量を超えた大量の魔力を供給すると、魔力過飽和状態となり、共鳴し、破壊的放出が起き、外郭を吹き飛ばす程の爆発が起きる。

爆発の強さは魔力量によるが、今回フィルド達から提供されたのは高品質な魔石。

一般的に使われている少量の魔力量で動く照明用魔道具では、簡単に限界を超え、爆発を引き起こす。


「な、なんだ! また爆発したぞ!」

「近い! こいつら、魔術でも使えるのか!?」

「勘弁してくれ! 楽に稼げると聞いてきたんだぞ!」

「わああああ!」

「何なんだこいつらは! 斬っても斬っても抵抗しやがる!」


鎮圧隊はパニックに包まれ、完全に戦意を消失し逃げ出す者まで現れる。

命を賭す事を躊躇わない革命軍とは違い、ヴァルデスの私兵は殆どがヴァルデスが緊急で雇った、多額の金に目が眩んだ傭兵たち。

ヴァルデスを心から慕ってついてきている者は殆どいない。

そんな彼らが取る行動と言えば、敵前逃亡である。


「なっ! 逃げるな貴様! 戦え! 未だ優位は我らにあり! 鎮圧せよ!」


鎮圧隊から多数の人間が散っていく。

しかし、それはまだ誤差の範囲。

圧倒的優位になったとは言えないため、革命軍も油断は出来ない。

ここから奴らは持ち直してくる。

フィルド様達がヴァルデスを討つその時まで、我々はここでこいつらを抑えねばならん!


「必ず複数人で当たれ! 数では私達が上だ! 絶対にやられるな! アリサさんとアルトさんに続け!」

「私についてきない!!」

「「「「うおおおおおお!!!」」」」


革命軍が声を荒らげる!

虐げられるのはこれで終わりだ!

私達の街を、取り戻してやらんと一層勢いが増していく。

このまま行けば抑え込むどころか勝てるのでは無いかと、ライオットや他の皆も思えるほどに順調だった。


しかし、ライオットとアリサのいる戦線以外は、悲惨とまでは行かずとも、危険な状況だった。


ーーー


「ぐっ! うぅ・・・ぅぅ」

「ぐあああああ!」

「う、うわああああ!!」


他陽動組はライオット率いる陽動組と同じく屋敷を爆発させる所まで成功したが、徐々に押され始めている。

アリサやアルトと言った、安定して前線を張れる人物や、的確に指示を出せるライオットのような指揮官がいないため、苦戦を強いられていた。

強いて言えば、人数差の影響がある為、それのおかげでなんとか持ち堪えている状況だが、このまま行けばさほど時間も掛からず他戦線は鎮圧される事だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ