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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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作戦実行②

門を飛び越え、ヴァルデスの領地へと侵入していく。

途轍もなく広い。

元々の土地が広く、屋敷自体、何度も増幅した痕跡があり、中庭も多く、初めて訪れる人間からすれば迷路の様に感じるだろう。

その広大な領地を守るために雇われた人間もまた多い。

バレるのは時間の問題だった。


「おい! 侵入者だ!」

「増援を呼べ! 例のSランクだ!」

「止めろ! 中へ入れさせるな!」

「とっとと捩じ伏せて帰ってこいとデモ鎮圧に向かった奴らに伝えろ!!!」

「もう見つかったか、仕方ない、突破する! 突き破れ!」

「はい!」


見つからずに屋敷に入る事が出来ず、未だ多くの兵が残る視界の雨を避けきれず見つかってしまう。


「邪魔だあ!」


ロアクが前に出る。

剣を抜き、純白のマントを靡かせ、一閃の元に壁ごと数人の敵兵を斬り殺し、そのまま屋敷内へと突っ込んでいく!

ロアクの後ろを、フィルドとアレスが続く。


「屋敷内に侵入された! お前らは先回りしろ! おい! てめーら、親衛隊を呼べ! 俺達では止められん! ヴァルデス様に伝えろ!」


指揮官と思われる人物が矢継ぎ早に指示を出していく。

アレス達は目の前から現れる敵兵も、横から突っ込んでくる敵兵も関係なく全てを捩じ伏せていく。


「上へ向かえロアク! 合図を送る!」

「おう!」

「いたぞ! いかせるかあ!」

「かかれええええ!!」


上の階からも大勢の人間が押し寄せてくる。

先ほどまで同様、ロアクが一太刀にて切り伏せようとして・・・・・・出来なかった。

数名を斬り殺し、そのままそのままの勢いで振り切ろうとしたが、何者かに途中で遮られた!


「Sランク! 大物だな!!」


ロアクの剣を止めた男は大剣を構えていた。

ロアクの剣を受けたからか、既に刃こぼれしているが気にした様子はなく、狂気に満ちた笑みを斬り込んでくる!


「っち! 雑魚が! 手間取らせるんじゃねえ!」


ロアクがその男にもう一度、次は全力で斬り殺さんと剣を振るうと、男は間一髪で避ける!


「ひゃは! あっぶねえなあおい! 楽しいねえ!」

「お前の相手などしてらるか!」

「あ?」


ロアクは男を無視して奥へとどんどん進んでいく。

その勢いは止まらない。

フィルドも続き、男とすれ違う瞬間、目を合わせるが、興味がないとでも言うかの様にすぐに視線を前方へ戻した。

まるで自身が脅威ではないと言っているかの様な2人の態度に、男は激昂し、フィルドの背中へと剣を伸ばす。


「調子のんじゃねえぞ! 冒険者如きが!」

「お前の相手は俺だ」


フィルドへと剣が届こうかとした瞬間、アレスが割って入り、阻止する!


「んだてめえはよお!」

「頼んだぞ」

「はい!」


フィルドとロアクはそのまま階段を駆け上がっていく。


「最上階だ!」

「燃え盛るは破壊の剣、舞い踊るは炎の暴風! 今ここに顕現せよ!」


フィルドの口から語られるは高速詠唱。

全速力で駆けながらも、紡がれる詠唱。


殲滅の業火シャテル・インフェルノ!!」


フィルドの周りに複数の火球が出現し、そのまま天井へと向かって放たれる!


ドゴオオオン!と豪快な音を響かせながら天井を爆発し、残った火球が空いた天井を通り、空で再度爆発を引き起こす!

フィルドの放った魔法は、雨に包まれた真夜中の街を一瞬だけ照らし出した。


「火蓋は切られた。ヴァルデスの首をとる!」


ーーー


「我々国民への待遇を改善しろー!!」

「給料上げろーーー!!!」

「外国人ばかり優遇するな!!」

「暴力を振るう外国人に罰を!!」


アリサやアルトが集まっているのは、ヴァルデスの屋敷から1番近いゼルガンの屋敷である。

皆、普段の鬱憤から、頑張って耐えていたものが決壊し、熱はさらに上がっていく。

今にも屋敷の門番を突破し、突撃していきそうな勢いだ。


「貴様ら・・・こと・・・れると思うのか!」


ゼルガンの屋敷奥から出て来た兵達がなんとかデモ隊を止めているが、声が殆ど掻き消されている。

今にでも殺し合いが起きそうなほど、一触即発の状態だった。



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