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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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作戦実行

「では、始めましょう」


暗闇に包まれた街の中に、数百人規模の集団が集まっていた。

ライオットの合図と共に、ゼルガン、オルメディア、グラトスというヴァルデスを除いた商王の屋敷近くで、武器を突き上げ、声を張り上げる!


「商王を出せー!!」

「腐った政策を辞めろ!!!」

「外国人ばかり優遇するなー!!!」


商王の屋敷近辺は住宅は殆どないため、わざわざ敵を増やすような事もないので調度良い。

まだ多くの人が眠っている時間という事もあって、住宅街でやると商王以外からも無駄な敵意を買ってしまう。

元々嫌われている中でそんな事をすれば、暴力を振るってくる輩が多くなると判断し、大通りではなくもう少し進んだ各商王の屋敷前でする事となった。


「出てこい!!!」

「いつまでもやられるだけだと思うなよ!!!」


雨が降りしきる夜の街に、抗議の声が上がり、雨の音に負ける所か、それをも掻き消していく。

それぞれが片手には武器を持ち、雨で松明が使えないため魔道具の照明器具を持っている。


「早く出てきなさい!! 私が全て倒してやるわ!!!」


ノリノリでデモに混ざるアリサを眺めながら、アルトはこれから始まるであろう事に緊張を隠せないでいた。


ーーー


街の各方面から聞こえてくる怒号のような叫び声が聞こえてくる。


「始まったか・・・・・・」

「みたいだな」


ヴァルデスの屋敷前、地下から入れる場所が無いため、地上から入る事になったが、思っていたよりもヴァルデスの私兵が多く、機会を伺っている。


「・・・・・・夜だいうのに、兵が多いな。いや、夜だからこそか」


フィルドの言葉通り、屋敷内を巡回中の兵士が多く、何処からもバレずには入れない。


「気づいたか」


フィルドが屋敷の方を注視しながらそう呟くと、アレスも目を凝らす。


奥から馬に乗り、屋敷に向かって走ってくる兵が数人。

慌てた様子で門番に話しかけると、すぐに門番に中へ入れられていく。


「他の商王からの兵か・・・・・・わざわざヴァルデスの元へ来るとは、やはり他の商王はヴァルデスの傀儡か、少なくとも協力関係であるのは間違いないな」

「そうですね。でも、何故わざわざヴァルデスの屋敷へ来たんでしょう?」

「それもあるだろうが、目的はデモを鎮圧するための兵力を借りる事だろう。ここ数日で情報収集して分かったが、他の商王は私兵がヴァルデスに比べてあまりに少なかった。大方、ヴァルデスが他の商王からの蜂起恐れて、制限でも掛けていたのだろう」

「なるほど・・・・・・」


それを見越してフィルドはデモを起こさせたのか・・・ヴァルデスの屋敷から戦力を減らすために。


「数は減るが、精鋭は残っているはずだ。油断はするな。基本固まって行動するが、無視出来ない相手が出た場合は誰かが時間稼ぎとして相手をする事になる」

「なら、俺が相手をします。俺はヴァルデスの顔を知らないので、先に進むより時間稼ぎとして動く方がいいかと」

「分かった。くれぐれも油断するな。相手の実力を見誤るな。時間を稼げればいい。勝てそうにないなら一度退け」

「はい」


作戦の最終事項を確認しながらも屋敷から視線を外さず、注視する。


こっちが長引けば長引くほど、アリサやアルトの方が危なくなる。

最速でヴァルデスの首を獲るために、全力でこの人達をサポートする!

・・・・・・アリサ達の抗争が広がれば関係の無い人にも戦火が飛び散る。

知らない人はどうでも良いが、ネフィラが心配だ。

革命を起こす事は知っているから、避難してくれている事を祈る。


「動き出したか」


フィルドの言葉に無駄な思考を中断する。

ヴァルデスの屋敷から、多くの兵が慌てた様子で三方向へ走り去っていく。

隊列も何も無い、規律もなく、リーダー的な存在を先頭にバラバラに走っていく。

相手は軍隊では無い。

ただの金に目が眩んで雇われた臨時の私兵。

グリスヴァルドやオルディアで軍隊や騎士団を見て来た身としては、あのレベルでは脅威に思えなかった。


「頃合いだな。行くぞ」

「おう」

「はい」


ついに革命軍主力が動き出す。

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