まさかの救援
・・・・・・
俺はもう、無理だ。
孤立した上に囲まれた。
この数はどうしようもない。
意識が、薄れていく。
ここで・・・・・終わりか・・・・・
体が力を無くし、倒れていく時に奥にいるクラウスと、目が合った。
最後に・・・・今までの感謝を伝えよう。
もう、言える機会は無くなるだろうから。
「ありがとうクラウス。」
そう、言った直後だった。
ドゴオオオオオオオン!!!!!
爆音が響き、煙が巻き起こり、周りの状況を確認出来ない。
しかし、モンスター共の悲鳴だけが絶えず聞こえる。
は?・・・・何が起きて・・・・?
そこでふと、気がついた。
何で倒れないんだ・・・・?
朦朧とする意識の中で必死に思考を巡らす。
・・・・包まれてる?
安心感のある、暖かく頑丈な、それでいて弾力がある何かに支えられ、俺の体は倒れずに済んでいる。
「アレス!大丈夫か!!!!!」
この、大きな声は・・・・・っ!?
聞いてるだけで、自分も元気にしてくれるようなこの声は・・・・!!
「ブライド・・・さんっ!」
「ああ!!ブライドだぞ!アレス!」
ああ、ブライドが、居る。
何故こんなところに居るかなんて、どうでも良い!
今はただ、彼に仲間の助けを求める事を優先しなければ・・・・!
「ブライドさん、クラウス達が・・・まだ奥に・・・」
「なに!?クラウスさんが!?どこだぁ。・・・・居た!クラウスさん!!!大丈夫ですか!!!!!!」
「ブライド!どうしてここに・・・・いや、それより今はモンスターの殲滅を!・・・・」
クラウスが驚き、一瞬だけ安堵しかたのような表情を見せ、すぐに気を引き締める。
「わかっていますとも!・・・・後衛!!魔法をぶちかませ!前衛は相手を撹乱しながら動き、魔法の発動に合わせ下がるのを繰り返せ!!!中衛部隊は後衛の守りを固めろ!半分は俺の所へ来い!負傷者を救出する!!」
「「「「「うおおおおおおおお!!!」」」」」
矢継ぎ早にブライドからの指示が入り、冒険者達が迅速に動き出す。
前衛は雄叫びを上げながらモンスター達に突っ込んでいき、後衛は各々が詠唱を開始していく。
中衛は前衛から抜けて、後衛を狙うモンスターを蹴散らしていく!
圧倒的人数だ。
どれだけ居るのだろうか・・・・俺達とは比べ物にならない程に・・・・・20?・・・・それとも30か?
ブライドさんは普段からこれだけの人数で攻略しているのか?
そして、指揮するのはブライドさんか・・・・この人数を・・・・・
「アレス!クラウスさん!俺達の後衛がいる所まで下がって居てください!ガルド達は我々で運びましょう。カナ、リーナ、さきに下がっておけ。」
「ブライド・・・ありがとう、助かったわ。」
「ありがとう。」
「気にするな!困った時はお互い様だ!」
「すぐに魔法がくる!終わったらすぐに行け!」
「「ああ、ありがとうブライド(さん)。」」
「「ありがとう。」」
俺とクラウス。
カナとリーナの声が被る。
ドゴオオオオオオオオオン!!!!!
再び爆音が轟く。
音がなり止むと同人に、急いでブライドパーティーの後衛の所まで向かう!
その途中に前衛の冒険者達がまた一斉に駆け出していく。
彼らとすれ違いながら進んでいく。
「ガルド、大丈夫か?肩を貸してやる。」
「ああ、ブライドか。ありがとう。助かるよ。」
「お前らがここまでボロボロとは・・・・クラウスさんも居るのに・・・・・・・何があった?」
「すまないが、それを言うのは帰ってからでもいいかい?もう・・・・声を出すのもきついんだ。」
「そうか!そうだな!すまなかった!誰かグレンを運んでやってくれ!行くぞガルド。」
「ああ、もう1回言うがありがとうな。ブライド。」
「なあに、気にするな。」
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