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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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前日

5日後の夜。

革命軍の仲間を勧誘するために、アレス、ライオット、ネフィラで行動を共にしていた。


「遂に明日か」

「そうですね。フィルド様とロアク様なら上手くやってくれると信じておりますが・・・・・・明日の結果が気になって夜も眠れませんね」

「それは体に悪いのでしっかり寝てくださいよ」


軽口を叩きながらアレスとライオットが話していると、ネフィラが会話に入ってくる。


「フィルド・・・確か5日前にいた純白のマントを羽織っておった色男じゃったか? ほお、彼らと商王が相見えるのか。それは楽しみじゃのう」


愉快そうにネフィラが笑いながら話しているが、アレスとライオットは2人で顔を見合わせ、困惑していた。


「ん? どうしたんじゃ見つめ合いおって」

「あ、いや、もう勧誘は終わったのに、なんでまだ着いてきてるのかな〜と」

「暇じゃからに決まっとろう」

「あ、はい」


俺とライオットが合流して、3人目の家を訪問するときにネフィラと出会った。

初めて会った時と同じワンピースを着ており、その可愛らしさは健在だった。

ちなみにだが、現在何をしているのかを聞かれ、ネフィラへは現在革命軍の仲間集めをしている事をバレない様にそれとなく伝えると、「ほお、革命か?」っと見事にバレてしまった。

革命とは一言も言っていないのに、簡単にバレたが、「面白そうじゃから誰にも言わんとくよ。」と言っていたので、それを信用するしか無い。

暇だから仕方ないから仲間集めに付いていきたい、と言っていたから共に行動している。


5日前の噂が広まったからか、ネフィラを見てまだ未成年であろう女の子が革命軍に参加しているのに、自分がしない訳には行かないと思ったのか、今までで1番勧誘成功率が高かった。



「それじゃあここで解散しましょうか。また明日」


ーーー


ライオットを家まで送り届け、次はネフィラを送り届けるためにライオット達が住んでいる区域から離れた、ラクスティアの中央付近の夜道を2人で歩く。


「我は1人でも帰れるぞ」

「いいや、深夜に1人で歩くのは辞めた方がいい。この街、結構治安悪いし」


流石に真夜中に女の子1人は危ないから念の為である。

この街には衛兵なんて居ないし、5日前のような冒険者も多い。

ある程度剣の腕が上がってきたアリサでさえ1人では出歩かせたくない。

ましてやネフィラは武器も持っていない少女。

心配にならない訳がない。


「お主は優しいのお」

「当然の事をしただけだ。それで、今日はどうだった? 暇潰しにはなった?」

「ああ、十分になったぞ。中々面白いことをしているようじゃな」

「面白いって・・・・・・」


革命を起こすのは、ハイリスクハイリターンだ。

負ければ国家転覆を狙った逆賊となる。

参加する人達は命を掛けている。

それを面白いと言うのは・・・・・・いや、ただ単純に、勧誘して歩くこの行為自体が楽しいだけかもしれないか?


「明日もあるけど、どうする? 明日も暇か?」

「いいや、明日は外せない用事があってのお。明日はお預けじゃ」

「そうか」

「この辺でよいぞ。もうすぐそこじゃ」

「あ、わかった。じゃあな、気をつけろよ」


まだ会って数日の仲良くない男に家を知られたくはないだろうし、俺も帰るか。

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