表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
268/324

誰?①

「「「!?」」」


その場にいた全員が、目を見開き、動きが固まる。

ライオットと冒険者の間に止めるように割って入った人物が、まだ若い少女で、あまりに異様だったからだ。

淡い紫色の長髪を靡かせ、前髪に覗く銀のメッシュが月光を受けて妖しく光る。

清楚さを感じさせる純白のワンピースが華奢な体を包むが、その佇まいはあまりに堂々としていて、その年に似つかわしくない艶めきを放っていた。


その少女はあまりに美しかった、同性でさえ目を奪われてしまう程に、通行人も含めたその場にいた全員が、数秒、彼女から目が離せなかった。


「・・・なんだあお嬢ちゃん? 今何か言ったか?」


見惚れている場合じゃねえと、ハッと気付いた冒険者の1人が遊びを邪魔された事に苛立ちながら少女に乱暴な言葉を吐く。


「ほれ、はよ立たんか」

「あ、ありがとう、ございますっ」


少女は冒険者の言葉を無視し、ライオットに手を貸し、立ち上がらせる。


「おい無視してんじゃねえぞ!! 俺達が手を出さないとでも思ってんのか!?」

「おい待て、よく見りゃああいつ滅茶苦茶可愛いぞ、胸はねえが、顔を傷つけるのは無しだぜ」

「うへへ、帰った後が楽しみだなぁ」


聞くに耐えない会話を、少女や周りの人に聞こえる声で冒険者達が繰り広げる。


「今夜は羽虫がうるさいいのぉ、そう思わんか?」

「えっ、あ、え、そ、そうですね・・・・・・」


いきなり問われた言葉に、ライオットが困惑しながら応える。


「そ、そんな事より、君は早く離れて!」

「? 何故じゃ?」

「君もあいつらに狙われてる! きっと嫌な目に会う、この人混みなら、逃げれるから、早くっ!」


ハッと今の状況を思い出したかのようにライオットが少女を逃がそうと説得する。


「嫌じゃな、そもそも我はお主を助ける為に出てきてやったんじゃぞ」

「助けるだぁ? 嬢ちゃんが? そのゴミを!? ぶっははは! 笑わせてくれるねえ!」

「おいおい冗談は寄せよ、今俺ら側に来たら痛い目には合わせねえよ」

「まっ、最初は痛いかも知れないがな! 慣れれば快感だぜ、ぎゃはははは!!」


「すまんが、我には既に心に決めた者がいるのでな、貴様らの様な羽虫と付き合うつもりなど毛頭ないぞ」

「ぶはっはっはっは!! そうかよ! ならそいつの目の前でお前をぶち犯してやるよ! まずはお前を分からせてやる! 力の差をな!」

「・・・・・・」


迫る冒険者に対して、ゴミを見る様な目でを向けるだけで、彼女はただ立っている。

逃げろ! とその光景を見ていた数人が思った。

ライオットの時は何も思わなかった連中が。


「「「!?」」」


アライオットは見た。

真横から高速で飛んできた物体・・・いや、アレスが、少女に迫っていた冒険者の横顔を思いっきり蹴り飛ばしていたのを。


ドゴオオオン!!


「アレスさん!」

「すまいせんライオットさん。遅れました」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ