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街の真相①

「ライオットさん、もし時間があるならギルド長との話し合いに、貴方も参加して欲しい」

「え、じぶ、私がですか?」

「ああ。あの冒険者達の処遇についてギルド長と話し合う。貴方も結果を知っておいた方が安心するだろう。それに、私とロアクは今日この街に帰って来たばかりで、どうしてラクスティアがこうなったのか、状況が分からない。それを教えてくれないだろうか? こんな事態を無視する教育をしているギルド長は信用出来ない」

「・・・分かりました。私の知ってる限りの情報を全てお話ししましょう」

「助かる」


ライオットは自分が話し合いに参加する事に困惑していたが、フィルドの言葉を聞き、、今のこの街の状況を打破出来るかもしれない一筋の希望を離すまいと、フィルド達とギルド長の話し合いに参加する事を決意する。


「君達にも、感謝を」


ライオットはそう言ってエリック達の方に向き、頭を下げる。


「あの状況で、・・・いや、この街で私の様な身分の者に味方をしてくれる冒険者が・・・人が、いたとは・・・本当に、本当にありがとうっ!」

「ら、ライオットさん、顔をあげてください! 僕達は、当然の事をしたまでで・・・」


ライオットの目から涙が溢れ出てくる。

この街に来てから少ししか経ってない俺でも分かる程に、ライオットさんの様な人達は酷い扱いをされて来たのか、そしてこの街がどれだけ異常なのかも。


多数の冒険者に、1人の市民が暴行を受けていた状況で、周りの人達は止めなかった。

これは仕方ないかもしれない。

あの冒険者達相手に他の市民が止めに入っても、彼らも巻き込まれるだろう。

なら衛兵は?

来る気配は無かった。

そもそもこの街でまだ一度も衛兵を見かけていない。

それ事態が異常な事だが、それと同じくらいの気になるのが、ギルドが止めに入らなかった事だ。

周りの冒険者達もただあの状況を見て楽しんでいたり気にしていなかったりと気になる点はあるが、所詮冒険者、荒くれれ者の集まり、だからそこは置いておくとしよう。


しかし、ギルドが止めに入らないのは別だろう。

ライオットさんは奴隷では無く、この街の民だ。

そんな人に冒険者が暴行を働いたとしたら、ギルドは本来なら止めに入らなければならないはずだ。

なんせ国の上層部や、国民に目をつけられれば、動きにくくなるし、肩身が狭くなるはずだからだ。

依頼を出す人も減るだろうし、最悪暴動が起きる可能性だってある。

なのに止めなかった。

衛兵(そもそもこの街に存在しているかも定かだが)が街を巡回していなかったり、国の上層部は国民が奴隷のように扱われていたりしていても放置していたり、ギルドも冒険者の悪行にも目を瞑っている。


・・・・・・どう考えても国とギルドは繋がってるだろうな、悪い方に。

それに、外国人(ラクスティア外からの人間や亜人)と国民にもなぜこれだけの差が出ているのか。

どうしても気になる。


「・・・・・・フィルドさん、俺にもその話し合いに参加させてくれませんか」


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