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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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ゴミ掃除⑤

「貴様は相手が許しを請うてきて、止めた事があるのか?」

「そ、それは・・・・・・」

「答えを聞くまでもない質問だったか。さて、どうしたものか」

「も、もももももうしません! 絶対に! お願いします! 本当です! すいませんでした! すいませんでした!」


ロアクに腕を折られた男は焦りからか、大粒の汗を流しながら頭を床に擦りつけ、許しを請う。

一瞬見えた表情からは、まるで首に剣を突きつけられているのかと思わせられるほど恐怖に染まっていた。


まぁ実際には突きつけられてないけど、自分の事を殺そうと思えばいつでも殺せる奴が目の前に居るわけだから、ほぼ同じ様なものか?


男の仲間はこの状況をまだ理解出来ていないのか、後ろの方で目を見開いて驚きを隠せないで固まったままでいる。


「貴様が謝るべき相手は私か? それともロアクか? そんな事も分からないのか?」

「も、ももも申し訳ございませんでした!! さっきのは事を許してくれ! もうこんな事はしねえからよ! お、お願いだ! ど、どうにかしてあいつら止めてくれ!!」


ギルドに入ってきた時に殴る蹴るなどを働いた人物の元へ寄り、姿勢と態度を低くし、頭を地面まで擦り付けて謝り倒す。


最初の頃の面影はすっかり消え去り、今は虐められている人の様に怯えきっている。

まぁ可哀想とは思わないが。

こいつから始めたわけだし、何もしなければそもそもこんな事にはなら無かったからな。

この男のやった事は許されない行為だし、そう簡単に許されて納得できるほど、俺は人が出来ない。

出来ればこの男とその仲間には、痛い目を見てほしいを思ってしまう。


「え、えぇ」


今にでも靴を舐めて謝って来そうな勢いの男に、謝られている男の人は困惑を隠せないでいる。


「ど、どうすれば・・・」


どうすれば正解なのかが分からず、ロアクとフィルドに視線を向ける。


「私はフィルド。隣にいるのがロアクです。あなたのお名前はお聞きしても?」


フィルドが軽く自己紹介をし、ボロボロになっている男の人に名前を聞く。


「ら、ライオットです」

「ライオットさん、あなたはこいつらをどうしたい?」

「え、?」

「貴方はこのゴミ共を、どう処理したいですか?」


フィルドが暖かい目をライオットに向ける。


「ふっざけんなっ! てめーら何好き勝手してくれてんだ! こんな事して許されると思うなよ!」


荒くれれ者の集団の1人が突如声を荒らげると、それに引きつられてかさっきかで静かだった奴の仲間達も騒ぎ出す。

それを見て腕を折られた男は顔面蒼白になり、命乞いをしだす。


「ぁ、ぁぁあああ! ど、どうか俺の命だけはお助けください! ど、どうか!」

「はあ!? 俺たちゃ今まであんな情けねえ奴に従ってたのかよ! はっ! お前もあの奴隷とガキ共と何も変わらねえな!!」

「知るかああ!? 俺は命を大切にしてるんだ! お前らのような馬鹿とは違うんだよ!」


仲間割れを起こし、言い争いが生じ、ギルド内はカオスになっている。


ドゴオオン! という音が鳴ったかと思えば、腕を折られた男はロアクに頭を抑えられ、顔面を地面の強打している。


「黙れ」

「ゴミ共が、耳障りだ。周りで見ているお前達もだ。私達が来るまで、この状況を止めようとした者が、彼らしかいないのか?」


そう言ってギルド内で起こった出来事を見ていたであろう冒険者達を一瞥し、セラに治療を受けているエリックやライナーを見る。


「終わっているな。ラクスティアはこんなにも堕ちたのか」

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