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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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ゴミ掃除④

「Sランク・・・」


そう誰かが呟いたのが、喧騒に包まれるギルド内で、しかしアレスにはハッキリと聞こえた。


「騒がしいと思って急いで来たら、まさかこんな事になってるとはなぁ」


2本の剣を腰に差し、地面スレスレまで届く純白のマントを羽織っており、薄い銀の鎧をつけている赤髪赤眼の男。

他の冒険者に比べてあまりに軽装備で、しかも剣士にとっては明らかに動きにくそうなマントを覆っているのに関わらず、威圧感は段違い。

先程の誰かの発言の意味的に、Sランクの冒険者!

冒険者内での最強格、クラウスにも劣らない程の、もしくはそれ以上の実力を持つ者達。


「やるなら外でやれ、邪魔だ」

「てめー勝手に割って入ってk・・・・・・」

「なっ! おい! そいつを黙らせろ!」

「え? 何でだよ、邪魔されたんだぞ!」

「いいから黙れ!」


腕を折られた男が仲間の男に怒鳴りつける。

その顔にはさっきまでの威勢の良さは無く、目を開き、顔を強張らせ、焦りと恐怖が募っている。


「ロアク、急に走り出すな。誰かとぶつかったら、ん? 何があった?」


すると、もう1人奥から誰かの名前を呼びながら男が中へと入ってくる。

Sランクの人と同じ、純白のマントを羽織り、先端に大きな水晶をつけた杖を持っている青髪青眼の男。


「俺も分からん」

「はぁぁぁ、ロアク、お前は何でもかんでも突っ込むな」

「すまないフィルド。それにしても長いため息だな」

「誰のせいだと思ってる」

「さあ?」


最初に入って来た剣士の男がロアクで、後から来た魔法使いの男がフィルドか。

魔法使いにしては、隙が殆どない。

まるでヴェイルを目の前にしている時のようだ。

ただ、こっちはロアクの方の牽制があるせいかもしれないから、それを考えるとヴェイルの方が上か。

やっぱ魔法使いなのに、剣の腕前もその辺のAランク冒険者より強いってのはイカれてるんだなと思うと、改めてヴェイルの凄さを認識させられる。

とはいえ、このフィルドとやらも油断出来る相手じゃないか。


「さて、聞きたいんだが、これはお前達はここで何をしていた?」


周りを渡しながらフィルドがこの場にいた冒険者達に問う。


「こいつらが、街の人を脅そうと・・・」

「ちょ、ちょっと遊んでただけだ!!! もう終わってそろそろ帰ろうと思ってたんだ!!」


それに応えようとしたエリックの言葉を、ロアクに腕を折られた男が遮る。


「ほう、こんな場所で、こんな大人数で、しかも剣まで抜いてか?」

「あ、ああ、ああ! そうだ! みんなで剣の自慢とか、調整してたんだよ!」

「でも、お前そいつの事斬ろうとしてただろ? それもお遊びでか?」

「い、いや、それは・・・・・・」


フィルドが見ていなかった場面を、ロアクが暴露する。

しかし、フィルドは表情ひとつ変えずに続ける。


「問題を起こすな愚図が。元々冒険者の評判は悪いんだ。お前らのせいでさらに評判が悪くなるだろう。迷惑なんだ。辞めろ。それとも私達とやるか?」


周りの気温が一気に下がった気がした。

言われた男も恐怖で体を振るわせ、仲間達も、先程突っかかってきた奴も、顔を曇らせ、体を縮こまらせる。


「・・・・・・や、やりません。やりたいくありません。お、お願いします。ゆ、許してください!」

「貴様は相手がそう言ったら辞めるのか?」

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