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忘れるなよ

「忘れたか?ここはダンジョンだぞ?気を抜きすぎだ。」

???

どういう意味だ?

ダンジョンにいるのは知ってる。覚えている。

っていうか忘れるわけが無い。

なら、クラウスの発言には他に意図があるのか?

索敵役のカナが何も言ってこないという事は、周りにはモンスターも居ないという事だ。


そもそもこの階層のモンスターは殆どが焔龍殺されただろう。

だから、モンスターの心配をする必要もない。

・・・・・分からない。

「今から帰還する!」

クラウスが指示を出していく。

まだ、1週間経っていない。

が、今はガルドもグレンも動けない状況だ。

これ以上は攻略できないだろう。

回復ポーションも殆ど尽きかけだし、装備もボロボロだ。


「リーナと俺でガルド達を運ぶ。アレスが前衛、カナが後衛。俺とリーナが中衛で行く。」

「分かった・・・・けど、クラウスが戦闘に入らないときついんじゃないか?」

クラウスは前衛か後衛に入って貰わないとモンスターに囲まれた時に対処出来なくなるんじゃないか?

10階層にはモンスターが殆ど居ないだろうから、それでも行けるかもしれないが・・・9階層や8階層辺りはそれでは厳しい気がするな。


「もう俺の竜の血脈(ドラゴン・ブラッド)の効果が終わる。そしたら 、俺のステータスは大幅に低下する上に体力が一気に持ってかれる。」

「まじかよ。・・・・」

「そん時の俺は精々一体、多くても2体しか相手に出来ん。それならカナの方がいいだろう。」

「・・・・・」

・・・そうするしかないのか。

かなは沈黙を貫いたままだ・・・・

現在の主力は俺とカナ。

しかも俺だって怪我してる。

回復ポーションを使っても完全には治らなかった。

まだ、痛い。


・・・・こんな状況で・・・・帰れるのだろうか。

全員、ダンジョンで死んでしまうんじゃ無いだろうか。

「行くぞ。」

クラウスがガルドを運ぼうと手を伸ばす。

しかし、その手は空をからぶった。

「クラウスさん!俺も・・・・動けます!」

ガルドが1人で立ち上がったのだ。

あんな血塗れで、怪我だって全然治ってないのに・・・・何故動けるんだ。

「モンスター一匹くらいなら・・・・はぁはぁ・・・・受けもてます。」


息も絶え絶えだ、そんな状況で何故そこまで動けるんだろうか。

「ガルド、あまり無理は・・・・」

「こうなったのは!俺の責任です。・・・・だから、俺が動かないと皆に示しがつかない!」

・・・・ああ、そうか。

ガルドは、こんな状況になった事を、今回パーティーの指揮を執っていた自分のせいだと思ってるんだ。

あんなモンスターに囲まれ、逃げ道も無い所に焔龍が来たんだ。

それは、仕方ない事だろう。

なのに、ガルドは・・・・


「そうか。・・・・ならリーナの左右に俺とガルドをつける。アレスとカナはさっき言った通りだ。」

「ありがとう・・・・ございます。」

「ああ。動けると言ったからには無理をしてでも役目を果たせ。」

「勿論です。・・・・・」

こんな厳しいクラウスは初めて見た。

普段の稽古も厳しいけど、無理をしてでもなんて言う事は絶対になかったから。


「出発するぞ。」

「「「はい。」」」

ふー。

行こう!

絶対にここから出るんだ!

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