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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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ゴミ掃除①

かれこれ数時間程街を周り、大まかな位置関係や建造物を一通り確認したアレス一行は、ギルドの酒場でグリスヴァルドを出てから起こった出来事を話し合っていた。


「そうそう、それでめっちゃ焦ったけど、その竜、実はアズルムさんの姉が飼ってる竜らしくて、それを聞いた時は本当に驚いたよ」

「ええ!? アレス、それでお前竜触ったのか!? 竜に乗った? 乗った!? 乗ったのか!?」


アズルムと、彼の姉の竜であるフォルバーグことフォルに出会った時の事を話すと、ライナーが食いつきてきた。

目を輝かせてアレスに質問を繰り返す。


「触ったけど、乗っては無いよ」

「乗ってないのか! けどいいな、俺も触ってみて〜!」

「ライナー、確かに竜はかっこいいけど、マジで怖いからな。しかもフォルは焔龍よりもデカかったからな」

「でもよ、折角の竜だぜ!? 乗ってみたいだろ! 空を飛ぶ感覚味わってみたく無いのか!?」

「いやまぁ、それはちょっと気になるけど」


俺だって竜に乗りたいけど、焔龍と戦ってから、竜に対しての恐怖心がどうしても拭えない。

実際壊滅寸前の所まで行ったわけだし。

トラウマになって居ないのがおかしいと思えるくらいには。


「アレス、僕達は竜と戦った事どころか、見たことも無いんだ。せいぜい昔話や英雄伝くらいでしかの情報がないから、ライナーや僕達は竜に対しての恐怖が君より少ない。だから、もし嫌だったら言ってくれ。この馬鹿を止めるから」

「ああ、ありがとう。でも、大丈夫」


ライナーがマナやセラにも話しかけて騒いでいると、エリックがアレスにしか聞こえない様に心配してくれる。


「アレス!」

「ん?」

「もし竜に乗ったらーーー」


ドゴン!っと大きな音を立てて、何かがギルドの扉を突き破る。

それは、人。

身なりが汚れて居て、痩せほせっている。

この街に来た時にガルドと見た、あの時の人達ににている格好だ。


「おいおい〜、あんまやり過ぎるなよ〜死んじまうぜ〜?」

「はっ! いいじゃゃねえか! こいつ1人死んだところで問題にならねえだろ」


後から数人の男が入ってくる。

剣を腰に携え、少し汚れた鎧を身につけ、嫌らしいニヤニヤとした表情、デカい態度。

見た目は完全に冒険者だな。

後ろからゾロゾロと入ってくる男達は、言葉では止めているが、顔はその男と同じくらいニヤついている。

そして、その男達の中には少数だが亜人も混じっているようだ。


「おいおい何寝てんだよてめー。お前から俺にぶつかって来たんだろ? もう終わりか?」

「ぁ、あっ、ご、ごめんなさい。ごめんなさい」


掠れた声を出して、倒れ込んでいた男の人がよろよろと力なく冒険者の男達の前で頭を地面に擦りつける。

見ているこちらからしたら不快でしかない。


ギルド内にいた冒険者達もその光景を見て静かになっているが、彼らはこの状況を楽しんでいる様にも見える。

まるで狩りをしている野生動物を、珍しく間近で眺められてラッキーだと思っている様に。

ギルドの職員はまるで無関心だ。

いや、どこか諦めている様にも見える。


エリックやライナーは男の人を蹴ったであろう冒険者とその後ろの集団を睨みつけている。

セラやマナも警戒しているようだ。

ライナーに関しては今にでも飛び出していきそうだ。

それを何とかエリックが腕を引っ張って留めている。


「謝って許されると思ってんのか? てめーがぶつかってきたせいで俺の鎧が凹んじまったじゃんねえか! これで俺が魔物に殺されたろどうするんだあ?? ああ!?」

「ひっ、ご、ごめんなさい! ごめんなさい!」

「だからよお、謝っても許されるほど甘い世界じゃねえんだわ。金払えよ」

「・・・・・・ぇ」

「だから、金払えって、新しいのな。そしたら許してやるよ」

「ぎゃははは! こいつが払えるわけねえだろ!」

「払えるくらい稼げてたら、今頃こんな所に居ねえもんなああ!」

「あ、そう言えばよ、お前、娘居るよな? まだ成人もしてねえくらいのがいるだろ?」

「え? そうなの?」

「ああ、そう言えばこいつ、街中で見かけた事あったんだよな。あの娘可愛かったなあ」

「っ!?」

「はは! なるほど、それはいい。払えないなら、お前の娘をぶち犯して殺してやる」

「う、うぉぉ!!!」


男がそう言った途端、男の人は覚悟を決めた様に、大切な者を守るために冒険者へ突っ込んだのだった。

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