交代の時間
そして現在に戻る。
「という感じで、アズルムさんのお姉さんに会ってみたいですね。あとフォルにももう一度会いたいです。出来るなら乗ってみたいですね」
「・・・へえ、まさかそんな事があったなんてね。驚きだよ・・・いいね、僕も竜に乗ってみたい」
ガルドでもそう思うんだな。
やはり、竜っていったら男の子の憧れですもんね!
「それにしても、魔大陸から正大陸まで飛んでくるなんて、その竜、フォルは体力が凄いね」
「ですよね。俺も思いました。魔大陸から正大陸って、物凄く遠いですよね?」
「そうだね。恐らく海を突っ切ってきてるんだろうけど、ちょっと信じ難いよね。休憩出来る所も無いだろうし。でも竜は規格外だし、それくらいなら出来ちゃうのかな?」
「出来ちゃうのかもしれませんね。それに、フォルはあの時の焔龍よりもデカくて翼も大きかったですし、焔龍よりかは飛ぶのは得意そうでした」
「なるほどね。もしかしたら飛ぶのが得意な竜なのかもね」
「やっぱり竜にも色んな種類が居るんですか?」
「居るみたいだよ。でも、正大陸にはあんまり野生の竜は生息してないからね。ダンジョンなら竜は出るけど、発見例があるのは未だに焔龍だけだね。魔大陸とかのダンジョンだとまた他の種類が居ると思うよ。魔大陸に行く前に調べて置いた方がいい」
「そうですね。そうしてみます」
いきなりエンカウントした場合、その相手の特性や習性を知ってるか知ってないかで、生き残れるかどうかの確率が格段に変わるだろう。
まぁそれは竜に限った話では無いんだけど。
でも竜はこの世界でトップクラスに強いらしいし、他よりもさらに気をつけないといけない。
「それじゃっ、そろそろ交代の時間だ。グレンとアリサを起こそうか」
「! わかりました」
もうそんな時間か。
ガルドと話しているとすぐの時間が過ぎるな。
ガルドがテントまで歩き、グレンとアリサの肩を揺すり、静かに声を掛け、起こす。
「グレン、アリサ、起きて。交代の時間だよ」
「おぉ、もうそんな時間か」
「・・・むにゃむにゃ」
「アリサ〜起きて〜」
グレンはガルドに肩を揺さぶられると、すぐに起きる。
こういうのを見ると、やっぱり慣れてるんだなと思う。
普段から旅も多いだろうし、ダンジョンを主に攻略してたから、こういう環境には慣れているんだろう。
それに比べてアリサはすぐには起きない。
今もガルドに起こされ続けている。
目は開いたが、寝ぼけているのか、体は起こさない。
恐らく旅は初めてだろうし、体力がついたとはいえ、最初の方はこんなものだろう。
「おはよう、アリサ。じゃあグレン、後は頼んだよ。ふぅ、これで僕達も寝れるね」
アリサを起こし、グレンに後の事を任せ、俺とガルドはテントの中で雑魚寝する。
「おやすみ、アレス君」
「おやすみなさい、ガルドさん」




