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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第三章 交易国家ラクスティア

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やりたい事、したい事

「アレス君、魔大陸に行ったらやりたい事とか、したい事ないのかい?」


日がすっかり沈み、焚き火の炎が揺らめく。

アルトやアリサ、グレン達はもう寝ている。

見張り役に起きていたアレスに、同じく見張り役で起きていたガルドが問う。


「急ですね・・・やりたい事ですか?」

「そう。色んな景色を見たいってのもいいと思うけど、魔大陸には他にも沢山あると思うから。まぁ僕は行ったことないけどね! 目標があると旅をしやすいかなって思って」

「そうですね・・・・・・」


すぐに思いつくことも無く、しばらくの間、2人の間に静寂が続く。


「・・・思いつかないですね」

「あははっ。そんな難しく考えなくても、もっと適当でいいんだよ? 例えば僕がもし魔大陸に行くならね、魔王に会ってみたいかな!」

「ま、魔王っ!? ですか!」


魔王!

この世界にもやっぱり居るんだな。

ファンタジーの世界っぽくていいな!


心を踊らせてくれる存在だが、正直会うのは怖いな。

絶対強いし、会ったら殺されるんじゃないか?


「そう。魔王だよ。知らない?」

「知らないです」

「知ってそうな反応だったのにな〜」


アレスが首を横に振ると、ガルドが教えてくれる。


「魔大陸にはね、魔族を統べる魔王っていう存在が居るんだけど、まぁこっちでいう王様みたいな物だと思う。僕も実際に見たわけじゃないけどね」

「やはりどこにも居るんですね。そういう存在って」


統率する者が居ないと戦争なんて出来ないしな。

人間と魔族も戦争していたらしいしな。


「そうだね。だけど魔王は人間の王様と違って力で成るものが多いらしいよ。人間はほら、血筋とかを大切にしてるからね。そこは違うよね」

「確かにそうですね」


確かに魔王には会いたいまでは行かなくても、一目見るくらいはしたいな。

でも絶対訳でも見たいって訳でもないしな。

やってみたい事、してみたい事か。


「・・・っあ! そういえば! あります! 会ってみたい人!」

「お、いいね。どんな人?」

「実はですね・・・」


〜〜~


数週間前。

アズルムに魔人語を教えて貰っていた夜。

夜も遅くなり、そろそろ帰ろうかとダイレス傭兵団からアズルムに見送って貰っていた時に、


「じゃあアズルムさん。今日もありがとうございました」

「うむ! アレスよ! また明日会おう!」

「はい」


そう言って後ろを向き、帰路に着こうとしたら、アズルムが呼び止める。


「むっ!? うーむ。まぁいいか。アレスよ! 少し用事が出来た! 今から付き合ってくれんか?」

「? 急にどうしたんですか?」


何かに気付いて、少し悩んだような声が聞こえたかと思ったら、急に付き合ってって?

一体何なんだ?


「どうだ!?」

「まぁ、もうやる事もないですし、いいですよ」

「そうかそうか! ありがとう! じゃあ行くぞ!」

「えぇ、いきなりですね。どこ行くんですか?」

「それは着いてからのお楽しみだあ! はっはっは!!」


ま、たまには夜更かししても大丈夫だろ。

どうせ帰って寝るだけだったし、何か面白そうな事が起こればラッキー程度に思っておくか。


ーーー


「あの〜、アズルムさん? 一体どこまで行くんですかね?」


アレスが困ったような顔をして、前をずんずん歩くアズルムに問いかける。

何故アレスが困惑しているのか。

それもそのはず、アズルムに少し付き合ってくれてと言われて着いて行ったら、何故か街を出て、森に入っていき、そこから1時間程歩き続けている。

一体どこに向かっているんだとアレスは思いながら着いていく。


「まぁ落ち着けアレスよ。もうそろそろ着くぞ!」

「はぁ・・・」


森の中は月の光を遮り、暗い。

こっちに来てから動体視力が強化? されたから進めているが、地球にいた頃の俺じゃ確実に進めないな。

とか思っていながら進み続けていると、少し前に、月明かりが差し込む、広い空間が見える。


「あそこだ! 行くぞ!」

「あっちょっ!」


アズルムが急に走り出し、急いで着いていく。

広い空間に出る。

月の明かりが体に当たる。

やっと明るい所に出たな。

やっぱ月明かりって偉大だわ。

と、思った瞬間


ふっと辺りが暗くなる。

何事か! と思った矢先、上空から大きな羽音が聞こえる。

それは次第に大きくなり、その音の正体が気になって上を向くと、そこには______


ドラゴンが、いた。

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