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紅焔騎士団

「アレス、いいか?」

「大丈夫ですよ」


頷き、模擬戦を受け入れる。

まぁ強い人とやれるなら是非やってみたい。

騎士団ともなればなおさら。


「ありがとう。アレス」


団員の1人がアレスに礼を言い、少し離れて向き合う。


「お前ら、準備はいいな!? 始めえ!」


ヴェイルの合図と共に両者走り出した。


ーーー


「はぁはぁ、アレス、お前強いな。まさかここまでとは」

「ありがとう」


俺と模擬戦をしていた団員は、今は地面の寝転がって疲れ切っている。

結果としては俺が勝ったが、相手は魔法を使っていなかったから、本当の実力が分からない。


「どうして魔法を使わなかったんですか?」

「ん? あ〜魔法を使わなかった理由か。それは俺も剣には多少自信があったからだな」

「なるほど」


騎士団としてのプライドがあったって事か?


「それに、今は周りに人が増えすぎて流れ弾が危ない」

「え? あ、本当ですね」


あまりに夢中になりすぎて気づかなたかったが、始めた当初よりも人が増えている。

確かにこの状況で魔法は危ないか。


「それでアレス、俺の剣の腕はどうだった?」

「強いです。魔法を主とする人の中で、騎士団の人以外でこんなに強いのは見た事ないですね」


武闘大会の準々決勝で当たった魔法使い。

あの人も強かったが、近接戦闘は避けていた。

常に一定の距離を保とうと、動き続けていた。

リーナも近接戦闘をしている所は見た事ない。

しかし、紅焔騎士団(彼ら)は違う。

彼らは全員が超一流の魔法の腕を持った上で、Bランク冒険者相当の近接戦闘の強さも持っている。

あまりに脅威的だ。


「どうして皆さんは、剣も鍛えてるんですか? 相手からしたら、魔法だけでも十分脅威だとは思いますが」


アレスの質問にヴェイルが答える。


「魔法使い相手なら近接戦闘に持っていけば勝てる。殆どの人はそう考えるし、実際それは合っている。だからそれを補う為に、戦争でも、アレスのように冒険者として活動する時も前衛がいて、彼らを守るための壁がいる。それが普通だ。

だけど、紅焔騎士団(俺達)は違う。俺達は騎士団だけで動くことが多いから、中で完結させないといけない。ただ、数が少ないから役割を分けると火力が下がるだけじゃなくて、動きにくくなる。全員が近接戦闘を覚えれば、個々が自由に動けるようになって、作戦の幅が広がる。それをするには、全員が魔法を使えるだけじゃ無く、自身を守る力があってこそ成り立つ。その2つを両立させるために、剣を学んでいる理由だ。

まぁ紅焔騎士団(クリムゾン・フレイム)は魔法を主として、剣は二の次だから、お前には及ばないけど。今の説明で分かったか?」

「はい。ありがとうございます。でも、魔法を主としているのに、剣もここまでの使えるのは凄いですね」

「だろ? 俺達も結構頑張ってるんだぜ〜」

「ははは、知ってますよ」


ヴェイルがアレスにもたれかかり、アレスが笑いながら受け止める。


「アレス。俺が模擬戦に誘っておいてなんだが、最初もう帰ろうとしてただろ? 時間大丈夫なのか?」


アレスと模擬戦をした騎士団員が声をかけてくると、アレスは忘れていたのか焦ったように帰り支度をする。


「そうだ忘れてた! 帰ります! 今日はありがとうございました!」

「おう! 気をつけて帰れよ!」

「俺が送って行きます」

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