ダンジョン攻略ーーー焔龍③
「目覚めろ!竜の血脈!」
魔力が目に見える・・・・漆黒の魔力が、クラウスの周りを漂っている。
ここにいる全ての生物が彼から目を離せない。
圧倒的な存在感を放っている。
グオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
焔龍が咆哮を上げた。
その瞬間、空気が震える。
今までで1番大きな咆哮。
それはまるで、死を覚悟した戦士のように!
ドドドドドド!!!
焔龍がクラウスに向かって突進する。
グレスが一撃で致命傷を負った一撃!
「クラウスっ!!」
思わずクラウスの名前を叫ぶ!
あの魔法がどんな効果かは知らない。
けれど、あの巨体から放たれる高速の突進は簡単に生物を殺せる威力を持つ!
グレンが死なずに致命傷で済んでいるのは、奇跡だと思う程に。
あの突進はそれ程までに凶悪である。
クラウスが剣を構え、一気に踏み込む!
「なっ!?正面から!?」
まさか真正面から突っ込むとは思わ無かった。
ドゴオオオオオン!!
クラウスと焔龍が衝突し、轟音が轟き、粉塵が巻き起こる。
単純な力比べ、人間の数倍もの大きさを誇る焔龍に勝てる筈が無い!
「クラウス!大丈夫か!・・・・」
煙が晴れてくる。
焔龍は!?・・・・クラウスはどうなっ・・・・
「アレス、こいつを殺すの手伝ってくれないか?」
「クラウス!焔龍はどうまったん・・・・だ・・・・は!?」
焔龍の角が!・・・・・片角が落ちている!
クラウスが斬ったのか!?
ギャアアオオオオオオ!!!
焔龍が悲痛の叫びを上げ、痛みによって思考が鈍ったのか、クラウスにガムシャラに攻撃を仕掛ける。
が、クラウスはそれを全て受け流すか避けている。
時にはカウンターを繰り出し、着実に焔龍に対し、ダメージを蓄積させている!
このまま行けば!・・・・倒せる!
俺はガルドをグレスを治療しているカナとリーナに引渡した。
クラウスと焔龍が戦っている周りを走りながら、隙を探そう。
恐らく、クラウスと焔龍の力はほぼ互角!
それをクラウスは技術で差を作っている!
グオオウウ。
炎龍がクラウスから距離を取ろうと後ろに飛ぶ!
しかし、クラウスは甘さを逃がさない!
大きく跳躍し、焔龍の片翼を断ち切った!
ギュオオオオオオオ!!
またも焔龍は悲鳴上げる!
しかし様子がさっきと違ッ・・・!?
焔龍の口内が紅く輝いている!
あれは!・・!!もしかして!?
「ブレスが来るぞ!!!避けろ!!!」
クラウスが叫び、カナとリーナが反応するが、グレンとガルド2人を運ぶのは間に合わない!
ドドドドドドオオオオオ!!!
ブレスが放たれ、間にある全ての物を滅する、焔龍の必殺!
クラウスがガルド達を運ぼうとしていたリーナ達を突き飛ばす!
「クラウス!」
少し離れた所いた俺はクラウスがブレスに巻き込まれて居たのを見てしまった!
そしてそれを追撃しようとする焔龍を!
まずい!
今クラウスはブレスに巻き込まれんだ!
直撃かは分からなかったが、確実に負傷している!
俺が止めなければ!!
疾走する!
走れ!足を動かせ!
クラウスが復帰出来るまで俺が止めろ!
今止められるのは俺しか居ない!
「うおおおおおおおおお!!!」
焔龍の側面に衝突する!
剣が鱗貫通し、焔龍の奥まで突き刺さる!
ブシャア!
剣を引き抜き、焔龍を蹴って1度距離を取ろう!
もう一度突き刺せば多少は気を引けるだろう!
グオオオオオ!
焔龍が残った角で俺を刺そうと突き上げてくる!
チッ!今ので気を引けたが、これは避けきれない・・・・・!
「ふっ!」
キン!
目前まで迫った角が視界からズルリと落ちていく。
「クラウス!」
「助かった!アレス!このまま一気に畳み掛けるぞ!」
「分かった!」
クラウスが復帰してくれた!
これなら行ける!
勝てる!
このまま殺りきれる!!
展開が遅くて申し訳無いです!
次回で焔龍と決着がつきます!
.....多分




