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これから③

「それでもっ私はアレスに着いていくわ! 絶対足でまといになんてならないから! お願いよ!」

「俺も、アレスに着いていきたい!」


アリサとアルトは真剣な眼差しで言っている。


「・・・どうし2人は、そんなに俺に着いてこようとするんだ?」

「あ、アレスが・・・っ冒険者として活動するなら、どうせなら世界を見て回れる方がいいじゃない!」

「アレスに着いて行ったら、色んな所に行けるから。」


この子達も俺と同じで、世界を旅したいと言う気持ちがあるって事か。

色々な所を見て、沢山の事を感じて、多種多様な人と出会う。

それが俺はしたい。

地球では出来なかったから、全ての関係がリセットされて、クラウスに出会って、楽しいと思えたから。

ここでは沢山の事を経験したいと、俺は思った。

けど、この子達は俺と違って、この世界で生きてきたはずだ。

ここで俺が無理に否定するのは良くないな。

それで、この子達の今後、良くない方向に大きな影響を与えるかもしれない。

俺は新しくやり直せたからいいけど、そんな事は滅多にないだろうから。


「アレス君、アルト君とアリサちゃんはどうしても君に着いていきたいようだし、条件を設けるのはどうかな?」

「条件、ですか?」

「うん。例えば、この期間までにどれくらい強くなれば、連れて行ってもいいとか。何個かクエストを決めて、自分達だけで達成出来たらとか。そういうのはどう?」

「それいいわね! ねぇアレス! それならいいんじゃないの!?」

「確かに、それはいいですね」


アリサはガルドからの提案に、嬉しそうに乗ってくる。


「多分、俺がここを発つのは、1ヶ月か2ヶ月後になるから、それまでに魔人語の勉強をしておく事。Dランクに昇格しておく事。一対多数での戦闘を練習しておく事。最低限の装備を自費で揃えておく事。途中で帰りたくなっても、俺は送らないから、地理や金銭管理を学んでおく事。最低でもこの5つはやってもらう。いいか?」

「お、多いわね・・・」


5つしかないが、実際にやるとすれば忙しくなるだろう。

俺もまだこの世界の地理とかを詳しく知らないし、旅をするならある程度は勉強しておかないとな。


「これが出来ないなら、連れていく事は出来ない」

「で、出来るわ!! これくらい余裕よ!」

「アルトは?」

「俺も出来る!」

「ふっ、気合いは十分だな」


アリサとアルトはやる気が出たようで、何処か楽しそうにも見える。

その二人を見ていて口角が上がる。


「じゃあ、今日はこれくらいで。もう遅いしな」

「そうね! アレス! ちゃんとやるから見といてね! おやすみ!」

「おやすみ」


アルトとアリサがドタドタと騒がしく部屋を出ていく。


「何とか決まったようでよかったね」

「ありがとうございます。ガルドさん。助かりました」

「ううん。いいよ・・・それにしても、アレス君は偉いね」

「そうですか?」

「うん。リダさんが彼らの面倒を見れない今、こうやって他の大人が導いてあげないと行けない。けど、僕は今日は君に言われるまで忘れていたし、グレン達も気にしてなかっただろうから。それに気づいた君は偉いよ」

「ありがとうございます」


ただ自分自身が、彼らの今後が気になっただけで、そう言うのは特に気にしてなかった。

けど、ガルドさんにそう言われると、少し嬉しくなる。

お節介かもしれないと、心の何処かで思っていたからだ。


「あ、あとアレス君。言うのを忘れてたんだけど・・・」

「なんですか?」

「魔大陸行くなら、亜人語も覚えた方がいいよ」

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